きものの装いの中央に飾られる帯留め…
コーディネートのアクセントとして個性がキラリと光るお洒落小物です。
今回ご紹介のお品は、山中塗の帯留め。
洒落た粋な表情と美しい山中塗の艶感…上質の小物使いをお楽しみ下さいませ。
◆山中塗
平安の頃、大聖寺川上流の真砂に越前の国から移住した木地師が椀・盆などの日用品や山中温泉の土産品を作ったのが始まりといわれております。
山中漆器は当初、欅・水目桜・栃などの木目を生かした挽物主体の漆器ですが、江戸期には塗りや蒔絵の技術も導入されました。
また、江戸末期には糸目挽きが考案され、現在では千筋・毛筋・稲穂筋・親子筋・飛びカンナ筋など数十種の加飾挽きがあり、その高度な技術が特徴でございます。
同様に未溜塗・独楽塗・高蒔絵など塗りや蒔絵方でも高く評価されております。
ふっくらと厚みのある円型の帯留めは、すっきりと深い黒色。
表面のゆるやかなカーブが、光を集めて艶やかに光沢を放っております。
そこに描かれたのは、菊花模様。半面づつ顔を覗かせたような、粋なデザイン。
品の良く瞬く金色が、洒落味のなかに華やぎを感じさせて。
装いに加えるだけで、和姿に品格と洒落味を添えてくれることでしょう。
どうぞ、和のアクセサリーを素敵にお楽しみくださいませ。
<素材>
山中塗
<サイズ>
直径約3cm
紐通し部分の幅0.8cm 高さ0.3cm