【大蔵ざらえセール】 【龍村平蔵】 特選工芸手織袋帯 ≪御仕立て上がり・中古品≫ 「松藤文」 逸品が訳ありオネウチ 経糸と緯糸で描く織りの美！

【　仕入れ担当　中村より　】
力強く、古典を踏襲しながらもどこか新しい。
西陣の帯の中でも、名高き【　龍村平蔵　】製の
平蔵らしいデザイン、色使いの特選袋帯のご紹介です。

珍しい箔糸地に色鮮やかにお柄を織りだしたお品。

裏表継ぎ目のない本袋で織り上げられており、
界切線ひとつをとっても平蔵ならではの凝った
色界切で、裏太鼓とよばれるお太鼓の裏にあたる
箇所（二重太鼓をお締めいただいた際にかくれる部分）にも
お柄がつけられた贅沢な仕上がりとなっております。


【　お色柄　】
ギュッと密でしっかりとした重さのある
明るいトーンの銀の箔糸を織り込んだ銀地に、
金銀糸に赤、若竹などの華やかな箔糸に
くっきりとした色使いの絵緯糸使いで、
抽象的な松藤のお柄が大胆に織りだされております。


【　商品の状態　】
画像のように無地場に薄シミ、締め跡、着用による
箔糸のキズなどございます。
（※画像の黄色矢印の幅は1cmです。）
お届け前にできる限り綺麗にさせていただきます。
お目に留まりましたらお値打ちに御召くださいませ。



【　龍村平蔵について　】
平蔵氏は「織物は数学である」の名言とともに、新技法の探求に「気狂い龍」と呼ばれるほど没頭し、30代で高浪織、纐纈織など多くの織を生み出した傑物です。

経糸と緯糸に着目することでどんな複雑な織も立体の造形として捕らえられる、
これが龍村平蔵氏の信念であり、かの有名な芥川龍之介氏も、龍村平蔵氏の
帯について、

「私の感服したのは、単にそれらの芸術品を模し得た面白さばかりではない。
（中略）龍村さんの帯地の中には、それらの芸術品の特色を巧に捉え得たが為に、
　織物本来の特色がより豊富な調和を得た、殆ど甚深微妙とも形容したい、
　恐るべき芸術的完成があった。私は何よりもこの芸術的完成の為に、
　頭を下げざるを得なかったのである。遠慮なく云えば、鉅万（きょまん）の
　市価を得た足利時代の能衣裳の前よりも、この前には更に潔く、
　頭を下げざるを得なかったのである」（一部現代仮名使いに変更）

と述懐し、大賞賛しております。

現代に至る龍村美術織物、龍村織物、龍村光峯の現在の３つの「たつむら」はすべて、
染色工芸に対する功績により、美術院恩賜賞を受けた初代龍村平蔵の創業に始まります。