日本の三大古代布といわれるものがございます。
沖縄の「芭蕉布」、村山市・鶴岡市の「しな布」、そして「葛布」。
大井川の河川敷にある葛を使い、独特の光沢と透明感のある素材に…
大変希少なひと品。
葛布のブランド「大井川葛布」制作の九寸名古屋帯のご紹介です。
【仕入れ担当 吉岡より】
葛布独特のハリのある、軽くて涼やかな織の風合いと
シンプルで穏やかな無地の表情に惹かれて仕入れて参りました!
目利きではございますが、過去に当社で扱った作品と
同じ繊維、織の組織から間違いのない掘り出し物としてご紹介致します!
夏の上布など、存在感のある織のお着物に合わせて
涼やかなコーディネートがお薦めです。
葛布の素晴らしさを今に伝える大井川葛布。
温故知新、武士や貴族に愛された古代布の趣きと味いを、
お手元にてご堪能くださいませ。
【色・柄】
経糸に赤城の座繰糸を用いられて、
葛のシャリ感と少しハリのある素材感たっぷりの帯地は、
独特の光沢を備えた黄支子色。
所々に自然味溢れる節感の浮かぶ無地の一条です。
葛布の中でも、特に細く割いた葛平糸を用いておりますので
薄くて一層軽い風合いに仕上がった、上質の葛布でございます。
【商品の状態】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
お手元に届いてすぐにお召し頂ける状態でございます。
【大井川葛布について】
葛布は「万葉集」にも詠まれている日本の三大古代布として、
武家や公家の衣装として織り上げられてきた身近で雅な素材です。
撚りを掛けずに平らにした糸による布づくりにこだわり、
「大井川葛布」というブランドを立ち上げた村井龍彦氏。
静岡県島田市に工房を構えられてものづくりを行われています。
「葛機」と呼ばれる特殊な高機をつかい、
強く打ち込まず、軽量に、透明感のある織り上がり。
「絹になく麻になく木綿にもまたない味い」
と柳宗悦が称賛した、葛の特性を活かした風合いを持つ大井川葛布のお品。
七月の梅雨明け頃に採取された葛は、
煮出し、発酵、洗い、結ぶ…と工程を経て葛糸になります。
刈り取りから出来上がりまで、半年以上かかります。
糸作りのなかの「結ぶ」という工程は、
沖縄の芭蕉布と葛布にしか見られないもので、
葛布の糸づくりでは、結び目の左側にしか角が出ないように工夫されています。
結んでいきながら「つぐり棒」と呼ばれる棒状の道具に、
8の字に巻かれて「つぐり」(※)に入れられて糸の準備が完了します。
(※)つぐり:糸に撚りがかからないように糸が中央から出る道具(筬)。
手間暇を厭わない葛糸づくり。
そして織り上げられるきらびやかなで雅な古代布。
筬が手前に回転するのが特徴の「すくい打ち」と呼ばれる、
江戸古来の技で、織り上げられます。
経:赤城座繰糸(絹)100%
緯:葛平糸(指定外繊維)100%
長さ3.75m(お仕立て上がり)
◆最適な着用時期 盛夏・単衣(6月上旬~9月上旬)
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 音楽鑑賞、観劇、お食事会、街着など
◆あわせる着物 夏紬・夏御召・夏小紋など
※仕立て上がった状態で保管されておりましたので、折りたたみシワがついております。この点をご了解くださいませ。