【 仕入れ担当 田渕より 】
今年もやってまいりました!
年に一度の在庫一掃の大決算!
しっとりとした空気感漂う、上品な色彩。
そして落ち着いた金彩の煌めきが美しく…
これぞ国宝の美技。
いつかは先生の作品を…とお考えの方、またファンの方々、
探そうと思っても、滅多と巡り合うことのできない、
人間国宝・福田喜重氏の訪問着と
西陣の名門、おび弘の唐織による逸品、
『唐襲(からかさね)』を合わせてご紹介致します。
全てを包み込むような…そんな柔らかなお色味の変化。
さりげない表情に秘められた素晴らしい表現力。
まずはじっくりとお楽しみください。
【 お色柄 】
≪着物≫
さらりとシボ立ち豊かな絹地。
その地を味わい砂
色から絹鼠色に暈し染め上げました。
ゆったりとしたグラデーションは、それだけで気品の面持ち。
落ち着きあるお色目のなかにも柔らかな品格を醸し出し、
どこが境目ともつかないほど、趣き豊かな詩情に満ち満ちております。
お柄には、すうっと浮かぶ霞に箔を自由に操った切箔模様をあらわして。
お着物全体を風雅に漂う様子が印象的に、心に迫る仕上がりです。
暈し染めと箔…
それぞれが主張しつつも調和のとれた、絶妙な仕上がり。
無地場を意識した意匠構成の中、
箔の煌きが、その空間にそこはかとない奥深い情緒を演出いたします。
なかなか入手できない福田氏のおきものは、
室町界隈でもそうそうお目にかかれるものではございません。
大人の女性にこそ着こなしていただきたいおひとつかと思います。
≪帯≫
見るものを納得させる重厚感と風格。
まさにプロの目をもうならせる…仕上がり。
しなやかで軽く、シャリ感のある帯地は、
落ち着いた焦茶色。
お柄にはふうわりとした絵緯糸を用いて吉祥性豊かな四季の草花が織り描き出されております。
帯地に凝縮された、様々なモチーフのお柄の美しさ、絶妙な色彩センス。
色留袖、訪問着、付下、色無地などのお着物とのコーディネートで、
上品な帯姿をお楽しみ頂ける事かと存じ上げます。
どうぞ末永く…
お手元でご愛用いただけましたら幸いでございます。
【 商品の状態 】
≪着物≫
中古品として仕入れて参りましたがおおむね良好です。
洗いに出されたと見られるしつけ糸がついており、
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
≪帯≫
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【 福田喜重(重要無形文化財保持者)について 】
【 生年・認定年 】
1932年(昭和7年) 9月26日生
1997年(平成9年) 重要無形文化財「刺繡」の保持者に認定
2022年(令和4年)12月16日没 享年90歳
京都市生まれ。
日本の刺繡家、重要無形文化財保持者。
刺繡では唯一人の人間国宝である。
生地の選定から、染色、摺箔、刺繍を総合的に
発展させ地染と箔のあしらいに刺繍本来の重厚な
雰囲気を現代的に表現して、独自の境地を切り開いた。
京都市立第一工業学校(現・京都市立京都工学院高等学校)
卒業後、父である刺繡家福田喜三郎に1948年から師事。
父からの厳しい指導によって本格的伝統技法を習得。
1956年に父から刺繡業福田商店の経営を引き継ぎ
1970年に福田工芸染繡研究所に社名変更。
1976年に日本工芸会日本伝統工芸展に初入選以降
受賞を重ねる。
1991年に株式会社福田喜を設立して代表取締役を務める。
1997年「刺繍」の分野で初めて人間国宝に認定され、
作家活動とともに後継者育成に尽力している。
作品は和服が主で、刺繍技法としては、撚糸、
無撚糸とも、生地に溶け込み一体となるように
仕上げ、熟練の要る菅繍ほか、摺箔と刺繍を併用する
繍箔に高い技量を持ち、刺繍のみで文様を表現する
素繍(すぬい)の作品を中心に制作。
文様では日本意匠の特質を生かし、割付による
構成や空、雲、水、花などの自然の風物を流動的
に表現する事を得意とする。空間をいかした文様構成や
抑えた色調の中に微妙なグラデーションを施す
明度尊重の配色が特色。
【 経歴 】
1932年 京都市に生まれる
父喜三郎に刺繍を学ぶ
1976年 第23回日本伝統工芸展に「千翔」初入選
1977年 近畿支部第6回日本工芸会展に入選
第14回伝統工芸日本染織展に入選
1978年 第15回伝統工芸日本染織展「慶び」東京都教育委員会賞
第25回日本伝統工芸展「雪月花」日本工芸会奨励賞
1980年 第27回日本伝統工芸展「生々去来」日本工芸会奨励賞
文化庁収蔵
東京銀座資生堂ギャラリーで個展
京都朝日画廊で個展
1981年 東京日本橋高島屋で個展
1992年 京都府指定無形文化財保持者
1993年 福島県立美術館「現代の染織ー素材と技の美」
第40回日本伝統工芸展「平安」文化庁収蔵
1997年 重要無形文化財保持者に認定
紫綬褒章受賞
【 受賞歴 】
1978年 第15回日本伝統工芸染織展優秀賞
1978年 第25回日本伝統工芸展日本工芸会奨励賞
1980年 第27回日本伝統工芸展日本工芸会奨励賞
1992年 京都府指定無形文化財「刺繡」保持者
1997年 重要無形文化財「刺繡」保持者
1999年 紫綬褒章
2004年 旭日中綬章
2007年 京都市文化功労者
2010年 京都府文化賞功労賞
【おび弘について】
昭和40年、製織に良い環境、特に湿度に気を使い、
琵琶湖の北の山門湿原の森に工場を構えてより。
日本人古来の素朴さと根気のある地元の職人が、織り続けて現在に至るまで50有余年。
複雑な袋帯数種、名古屋帯、大相撲の締め込み等、多動の織物を手掛け、
伝統技術の後継に積極的に取り組まれております。
有名なエピソードとしてはその昔、
あのダイアナ妃来日の折、帯を献上されたこともある名門でございます。
【着物】
表裏:絹100% (縫製:手縫い)
【帯】
絹100%(金属糸風繊維除く)
長さ約4.55m
耳の縫製:袋縫い
六通柄
身丈(背より) | 154cm (適応身長159cm~149cm) (4尺0寸7分) |
---|---|
裄丈 | 65cm(1尺7寸2分) |
袖巾 | 32.5cm(0尺8寸6分) |
袖丈 | 49cm(1尺2寸9分) |
前巾 | 24.5cm(6寸5分) |
後巾 | 29.5cm(7寸8分) |
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈68.5cm(1尺8寸1分) 袖巾34.5cm(0尺9寸1分)
※目視での縫込みの確認による概算となります。詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 結婚式、式典、パーティー、お付き添い、お食事会、音楽鑑賞、観劇など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。