【 仕入れ担当 田渕より 】
まさかと思い…見つけた瞬間に即決で仕入れて参りました。
辻ヶ花の復元に生涯を捧げた染色工芸作家、
初代・久保田一竹と、織りの宝石と称される佐波理綴によるコラボレーション作品でございます。
業界で最も知られたジョイント作品の一つですが
あまりにも高額であり流通もほぼございませんでした。
お仕立て上がりにて、今回が初のご紹介でございます。
お探しの方もいらっしゃると思います。
次のお約束はございませんので、どうぞこの機会にご検討頂けますと幸いです。
【 お色柄 】
しなやかでありながら、
ほどよく感じられるシャリ感に、見た目からは想像できないほどの軽やかさ。
重厚な彫金を思わせる表情でありながらも、
お手にとっていただききますとその地風は、良い意味で予想を裏切ります。
玉虫色のような輝きを放つその地には
唐草に花鳥が幽玄に織りなされて…
色彩変化を生み出す箔糸使いは、コバルトブルーからアクアマリン、
そこに金銀糸を交えて、まさに千変万化。
またもう片面には向い鳥があらわされ、
堂々とした威厳を感じ近くに奥にと浮き沈みしつつ溶け込むような表情が、
なんとも麗しい面持ちをみせてくれます。
神秘的ななかにも程よい落ち着きがあり、
幅広いシーンにお楽しみいただけることと思います。
【 状態について 】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
うっすらと畳皺がございますのでお届け前にプレス加工をサービスいたします。
【 初代 久保田一竹について(1916年~2003年)】
染色工芸作家(辻ヶ花)
20歳のときに出会った東京国立博物館の
室町時代辻が花染めの小裂の美に魅了され、
過去の模倣でなく現代に息づく染色として、
独自の辻が花研究を志すも、時制は戦争に突入。
召集、敗戦、シベリアへの抑留。
シベリア抑留中は研究はもちろん生活さえも
満足に出来ぬ日々を過ごし、1948年31歳で無事復員。
復員後は生活のために従来手懸けていた手描友禅で
生計をたてつつ、40歳にしてやっと本格的に
辻が花の研究に取り組み始めることが可能に。
しかしながら、研究を開始したはよいものの、
毎日が失敗の連続で、数年後には時間が惜しいばかりに
生活の基盤であった手描友禅さえも捨て、家族を極貧に
耐えさせ、20年間の辛酸をなめ尽くした研究の末、
60歳にして初めて「一竹辻ヶ花」の完成を迎えた。
デザインごとに技法を変え、複雑な染色工程を経て
生み出された作品群の中には理想とするイメージの
着物に仕上がるまでに一年を要したものさえある。
【 経歴 】
1916年 10月7日 神田に生れる
1931年 友禅師小林清師に入門
1948年 辻が花の研究に着手
1961年 独自の染色法一竹染を創業
1983年 パリ・チェルニスキー美術館にて「一竹辻が花展」
1984年 ニューヨーク・ダラスにて「一竹辻が花 光・風・音展」
1985年 ベルギー・ブリュッセルにて「一竹辻が花 光・風・音展」
1988年 バチカン宮殿にて上演された創作能「イエズスの洗礼」の衣装制作
1989年 ヨーロッパ主要都市にて個展
1990年 フランスよりフランス芸術文化勲章シェヴァリエ章を受賞
1993年 文化庁長官賞受賞
1994年 久保田一竹美術館(河口湖町)開館
1996年 ワシントンD.C.スミソニアン国立自然史博物館にて個展
2003年 死去・享年85歳
【 佐波理綴について 】
あの故久保田一竹氏の辻が花とのコラボや、
故ダイアナ妃に献上された帯として名をはせ、超高級袋帯の代名詞ともなっております。
幽玄な輝きが宿る、独特の帯地。
明るいスポットライトの下ではもちろん、
モダンな建物や瀟洒なお店などの薄暗いムードの照明の中でも映える帯を…
というテーマのもと創作された 珠玉の織技術。
玉虫のように色彩変化を生み出す箔糸使い。
慶びの華やかなライトの下では奥ゆかしく煌き、ムード照明のもとでは幽玄に輝く。
幻想的で素敵な後姿をぜひお手元でご堪能下さい。
【 サイト限定販売品について 】
サイト限定のお値打ち価格にてご紹介いたします。
本品はご注文をいただいてから、お取り寄せいたします。
(お取り寄せに約1週間ほどかかる場合がございます。)
また、実店舗・展示会にてご覧いただくことは出来かねます。
予めご了承くださいませ。
絹100%(金属糸風繊維除く)
長さ約4.35m
耳の縫製:袋縫い
お太鼓柄
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 結婚式、式典、パーティー、レセプション、芸術鑑賞、観劇、お食事会など
◆あわせる着物 色留袖、訪問着、付下げ、色無地など
※仕立て上がった状態で保管されておりましたので、折りたたみシワが付いております。この点をご了解くださいませ。