【 仕入れ担当 田渕より 】
触れた瞬間にその軽さに驚きました。
実際に触れていただけないことが残念でなりません…
能装束唐織の大御所として知られる西陣名門、山城機業店。
確かな織物を創り続ける老舗として、絶大な信頼を置かれている機屋です。
今回ご紹介の御品は、山城機業店独自の織り技法で仕上げられたひと品。
創作数が非常に少なく年間にも織り上げられるのは数本のみ。
帯を結ぶ方のことを考えて、大切に大切に織り上げられたひと品でございます。
京都きもの市場でもご紹介は非常に稀…
良きものを、とお探しの方に心よりおすすめ致します。
是非お手元で、この素晴らしい作品を貴女様ご愛用の一つに加えて下さいませ。
【 お色柄 】
引箔を用いていながら、驚くほどの軽さで織り上げた一条。
それは帯地を紗の組織で織りなしているためです。
大変手間のかかる織り方ですので、制作数も少なく
限られた場所でしかご覧いただけないことかと存じます。
また紗といっても引箔が通されておりますので透け感がある訳ではなく、
袷から単衣にご着用いただけます。
お柄には銀糸を用いておりますが、派手さとは無縁の落ち着きある仕上がり。
ご年齢を問わないフォーマル帯として、末永くご使用いただくことができます。
厚ぼったくない帯地ですっきりと結んでいただくことができます。
一度締めていただければその締め心地にやみつきになることでしょう。
地色は清雅な白銀。
お柄には「ばちる段文」と題された優しい彩りの正倉院文様を横段に織りなしました。
どなたがご覧になられてもそれとわかる上質。
お着物をたくさんお持ちの方にも、是非ともお薦めしたいひと品です。
華やぎの中にみせる正統派の落ち着いた格調。
繊細な織りのさ、そして凛とした佇まい…
お着物合わせの楽しさや、着る人の個性を引き出す古典的な意匠に
どこか新鮮な風を吹き込む逸品です。
山城機業店の帯はまれにご紹介がございますが、ほとんどが代名詞とも言える唐織の作品。
次のご紹介はお約束が出来ません…
この機会に是非ご検討頂ますようお願い致します。
【 引箔について 】
「引箔」は、三椏(みつまた)や楮(こうぞ)で作った和紙に目止めをし、
その上に金箔、銀箔、プラチナ箔、真珠、らでん、漆など
大変高価な素材を使ってさまざまな柄を作ったものです。
その薄い金銀箔を張った無地のものや、漆に顔料を混ぜて多彩な色を出したもの
それらを組み合わせて模様を表したものを極細に裁断し、それを一本一本丁寧に
織り込んでゆきます。
和紙に片面だけ色柄を付けたものなので、裏返ると土台の紙が見えてしまう
大変難しい作業。したがって「引箔」を織り込む場合は一度「機」を止めて
ヘラで一本一本引き揃えるように織り込まなければなりません。
だからこそ、熟練の腕が必要になってまいります。
【 山城機業店について 】
西陣織工業組合所属
西陣織工業組合証紙はNo.216
1918年(大正8年)創業
屋号:伊勢屋孝兵衛
西陣でもとりわけ唐織の技術で定評のある機屋。
大戦中に企業整備令により廃業、戦後9代目が
帯地製造を再開した。
1952年に株式会社に改組。
1997年に10代目に代替わりし現代に至る。
絹100%(金属糸風繊維除く)
長さ約4.35m(お仕立て上がり時)
西陣織工業組合証紙No.216 山城機業店謹製
おすすめの帯芯:綿芯「松」
耳の縫製:袋縫い
六通柄
◆最適な着用時期 袷・単衣 <盛夏以外(6月末~9月上旬以外)>
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 結婚式、式典、パーティー、音楽鑑賞、観劇、お食事会、お付き添いなど
◆あわせる着物 色留袖、訪問着、付下げ、色無地など