【 仕入れ担当 中村より 】
これが加賀友禅と世に知らしめるために生み出されたかのような美しい傑作を仕入れて参りました。
新進気鋭の若手作家さん、志々目哲也氏の訪問着のご紹介でございます。
かの二代由水十久氏のお弟子さんでもいらっしゃいます。
現在いらっしゃる加賀友禅作家さんの中で唯一の30代の作家さんだとか…
その感性は新しく、それでいて伝統を大切にしていることが作品から伝わってきます。
今回ご紹介の一枚は伝統加賀友禅工芸展出展のために制作された特別な一枚。
氏の作品は市場に出回っている数も少なく、今後のご紹介はいつになるかわかりません…。
どうぞお見逃し無く!
【 色・柄 】
しっとりと肌にやわらかく、水分を含んだように滑らかな上質の濱ちりめん地。
この絹地に描き出された一つの情景美。
まるで一枚の絵画のように…。
今回の作品は志々目氏が
伝統加賀友禅工芸展に出展される作品を考えられている中、
釣りにいった際の輝く河原に心奪われ、それを表現したもの。
ご覧いただけますでしょうか。
一面にたっぷりと「天蒼々」と名付けられた河原の情景を描きました。
由水工房で培った緻密な糸目の糊置きでカワセミやカモを描き出して…。
そしてこだわりは水面や河原の石にも。
河原の煌めくようすには蒔糊技法が、
石には昔ながらの技法「糊ふり」が用いられました。
その意匠によって技法をいくつも使い分ける、こだわりの感じられる一枚に仕上がりました。
【 志々目哲也について 】
巨匠 二代由水十久氏に師事。
現在加賀友禅作家として最年少の新進気鋭の作家さんです。
2017年に独立する以前から数々の賞を受賞されております。
由水十久氏から継承した精密な糸目に加えて、型にとらわれない自由な発想で加賀友禅に新たな風を吹き込んでいらっしゃいます。
プロフィール
1985年 石川県珠洲市生まれ
2006年 由水十久工房入門 二代由水十久氏に師事
2009年 伝統加賀友禅工芸展 新人賞
2012年 伝統加賀友禅工芸展 金賞 石川県立美術館所蔵
2016年 加賀友禅新作競技会 伝統工芸品産業振興協会賞
2017年 独立
2018年 KIMONOプロジェクトイマジンワンワールド ナミビア共和国製作
2019年 伝統加賀友禅工芸展 金賞
【 加賀友禅について 】
加賀百万石の城下町には、古くから「加賀染」といわれる染色法がありました。
京の都で画期的な友禅染めを大流行させた宮崎友禅斎が晩年に加賀へ戻り、
その技法を伝えたことが、加賀友禅の基礎となったとされております。
特徴は五彩といわれる暖かな色彩に、花鳥山水を描いた絵画的な構図、
そして模様の外から内へぼかしをいれる技法。
加賀友禅作家の工房で10余年もの修行をして師匠に認めてもらえなければ、
作家として独立できないと言われるほどの厳しい世界。
熟達した感性と高度な技術。
写生を基本に描かれる本加賀友禅は、染め色の美しさや深み、
卓越したデッサン力と意匠の美しさを存分にご堪能いただける、特別なものです。
一貫してひとりの作家さんが仕上げますので、作家さんの感性や技術力、
まさに≪作家性≫とも呼ぶべきものを、あふれるように感じ取っていただけることでしょう。
絹100%
たち切り身丈178cm 内巾37cm(裄丈70cmまで)
経済大臣指定伝統的工芸品の証紙、加賀染振興協会の証紙がついております。
白生地には、特選浜ちりめん「まるまん光彩」地を用いております。
◆最適な着用時期 10月~5月(袷の季節に)
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません。
◆着用シーン パーティー、レセプション、お食事会、お付き添いなど。
◆あわせる帯 袋帯
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
お仕立て料金はこちら
解湯のし4,180円+※胴裏7,260円~+海外手縫い仕立て35,200円(全て税込)
※国内手縫い仕立て+17,600円(税込)
※堅牢染め・本加賀など、染めのしっかりした御着物への抜き紋入れには、
堅牢抜き代4,400円(税込)が必要となります。