【 仕入れ担当 渡辺より 】
日本の最北、北海道より、オヒョウという
楡科の樹皮で織られたアイヌ民族の伝統的な織物、
『 厚司織(アットウシおり)』の八寸名古屋帯のご紹介です。
もともとは北海道沙流郡平取町二風谷で何百年と
織り継がれてきた原始布で、藤布や科布などの他の
自然布、原始布に比べてやや柔らかく、透け感の控えめな
織り上がりとなっておりますので、袷、単衣のおしゃれ着に
おすすめとなっております。
現在はオヒョウも少なくなり、入手が困難になってきているので、
おもにシナノキの繊維が使用されているようですが、本品は
経糸、緯糸ともオヒョウを100%使用している希少なお品。
年間生産数もごく限られる織物でございますので
お探し方、お見逃しなきようご検討くださいませ。
【 お色柄 】
素材のもともとのお色をいかしたおだやかな
生成りの濃淡地に、落ち着いた百塩茶(ももしおちゃ:
わずかに緑みをおびたくすみの消炭系のお色)の配色の
シンプルな間道が織りだされております。
【 厚司織(アットウシおり)について 】
経済大臣指定伝統的工芸品指定(※2013年3月8日指定)
※二風谷アットゥシのみの指定
※『アットゥシ』の語源は
アイヌ語でオヒョウニレ(att)の木の皮(rusi)という意味
もともとは北海道沙流郡平取町二風谷で
織り継がれてきたオヒョウという楡科の
樹皮で織られた原始布。
先住民であるアイヌの民族衣装に用いられていた。
アッニ(オヒョウ・ニレ科)や科木(シナノキ)の皮を
細く裂いて繊維で糸を作り、アットウシカラペ
(機織り機)を使って製織される。
(アットゥシの「シ」、アットゥシカラペの
「シ」と「ラ」はアイヌ語表記上は小文字となる)
アイヌ民族の文化で古くから隆盛をみた、
編袋(サラニップ、テンキ)、背負縄(タラ)、
蓆(キナ)などの織物の技術に、後に織機が
導入されると、北海道全域に自生するオヒョウが
もっとも多く用いられ、衣服の中でも厚司織が
主流を占めるようになった。
オヒョウニレは耐久性にすぐれた素材であるが、
深い山や森に自生しており、北国の厳しい気候の中、
何日もかけながら採取される。
その表皮の一枚内側にある靱皮(じんぴ)をはぎとり、
皮が柔らかくなりにくいため沼の水や温泉に漬けこみ、
柔らかくなった皮を細かく裂いて繊維を取り出し
より合わせて糸を作り、これを腰機(こしばた)と
呼ばれる織り機で織って布となる。
2013年に二風谷で織られる、『二風谷アットゥシ』が
北海道の工芸品としては初めて経済産業大臣指定伝統的工芸品に
追加された。
経糸、緯糸:オヒョウニレの木の皮100%
長さ:3.6m
柄付け:全通柄
※素材の性質上、フシによる凹凸組織の変化、色の濃淡などございます。
風合いであって難ではございませんので、その点ご了承くださいませ。
※自然素材のため、オヒョウ独特の匂いがございます。
◆最適な着用時期 9月の単衣から翌6月までの単衣、袷(あわせ)の時期
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン ご友人との気軽なお食事、街歩き など
◆あわせる着物 小紋、織のお着物 など