【 仕入れ担当 中村より 】
数ある紬の中から…
今回ご紹介するのは、「先染め」の本場牛首紬、
通称『織り牛』と呼ばれるお品として仕入れてきた一枚でございます。
多くの織物を触ってきた問屋さんの目利きと、
流通元を考慮してもおそらく間違いないかと存じます。
滅多とご紹介の叶わないお品でございますので、
お目に留まりましたら是非ともお見逃しなく!
【 お色柄 】
確かな丈夫さを兼ね備えた独特の絹すれのする地風。
りんとした青色の地には、
すっきりとした鰹縞縞を織りなして。
さりげなくも洒落味あふれる独特の風合いに、
染めもののような器用さはございませんが、
素朴ななかにも、芯の通った美しさを感じていただけることと思います。
【 商品の状態 】
中古品として仕入れて参りましたが概ね良好です。
お届け前にプレス加工をサービス致します。
【 牛首紬について 】
日本の三大紬、大島・結城・牛首。
そのなかでも、年間生産量が一番少ないものが牛首紬。
加賀の国・白峰村一帯の集落は、古くから自然の玉繭を原料に手機紬が織られてまいりました。
耐久性に優れた牛首紬は、釘にかけても破れないほど丈夫と言い伝えられておりますので、別名「釘抜紬」とも呼ばれます。
自然から受けた恵みを、一つの命ある作品として人間の手足で形と成す…
「選繭」から「仕上検査」まで、時には約三ヶ月の期間が必要とされます。
そうして自然と、人と、歴史の力でつくりあげられます。
織り上げられる牛首紬の中でも、
その8割は「白生地」としての牛首紬であり、
それが各々の作家や染匠の手によって染め上げられた、
いわゆる「後染め」のものが、現在一般的に出回っている牛首紬になります。
もちろん、「後染め」の牛首紬もたいへんに希少価値の高いものですが、
「先染め」の牛首紬は、呉服の一大集積地である京都の問屋さんでも在庫はまったくと言っていいほど出回っておりませんし、お願いしても手に入るものではございません。
どの業者も喉から手が出るほどに求めておりますが、長く織り上がり待ちという状況が続いております。
ゆえに業者間でも大変高額に取引されるため、
値下がりすることは有り得ません。
また職人の高齢化や後継者不足、織り上がりまでの手間に対して採算が取れない、
といった現状に拍車がかかっており、今後さらに減反が進み、いずれ幻の織物となる可能性が高く、
その希少性はさらに高まることでしょう。
表裏:絹100% (縫製:手縫い)
背より身丈154cm(適応身長149cm~159cm) (4尺 0寸 7分)
裄丈63cm (1尺 6寸 6分) 袖巾32.5cm (8寸 6分)
袖丈49.5cm (1尺 3寸 0分)
前巾23.5cm (6寸 2分) 後巾30cm (8寸 0分)
◆八掛の色:青色
パールトーン加工済
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈70cm (1尺 8寸 4分) 袖巾36cm (9寸 5分)
詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン お出かけ、芸術鑑賞、観劇、お食事、趣味のお集まりなど
◆あわせる帯 洒落袋帯、名古屋帯、半巾帯
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。