【仕入れ担当 田渕より】
恐らく製織から相当の年数が経っているのでしょう…
当時は本当に高価にお取引されていたと存じます。
蝉の羽のような繊細な涼感を持つ、ご存知宮古上布。
訳ありにつき、本当にお値打ちにご紹介が叶いました。
お探しの方も多いかと思います…
どうぞお見逃しないようご覧下さいませ。
【お色柄】
透き通るような張りと光沢のある地風。
宮古上布特有の黒味がかった藍色の地には
細やかな蚊絣を用いて牡丹唐草模様を織りなして。
貢納布としての厳しい歴史、生業としての宮古上布づくりの難しさ。
職人の死亡や高齢化によって、年々「幻」となっていくその織り技。
心を込めて創作されたものであることを…
豊かな心に、感じとっていただければと願っております。
【商品の状態】
中古品として仕入れて参りました。
衿、衿裏に汚れがございます。
また背中心部分がうっすらと裂けております。
(※画像の黄色矢印の幅は1cmです。)
また苧麻を使用しておりますので、
若干の糸切れなどで糸が出ております。
畳皺がございますのでお届け前にプレス加工をサービスいたします。
【宮古上布について】
400年前、琉球王朝から功績を認められて栄進した夫のために妻が上布を織り、
お礼の意味で王に献上したのが、宮古上布の始まりとされております。
格調高い品位にあふれ、昭和53年には国の重要無形文化財の指定を受けています。
宮古には、「宮古織り」「宮古麻織」「宮古苧麻布」「宮古上布」があります。
生地端に名前が織り込まれますが、それぞれ素材が異なってまいります。
「宮古織り」 → 経糸:木綿 緯糸:ラミー(縞模様中心)
「宮古麻織」 → 経・緯糸:ラミー(縞模様中心)
「宮古苧麻布」 → 経糸:ラミー 緯糸:手績み苧麻糸(ブー)
「宮古上布」 → 経・緯糸:手績み苧麻糸(ブー)100%
※ラミー=機械で紡績した麻糸
宮古上布は、まず糸づくりからその製作工程がはじまります。
大事に育てた苧麻の繊維を指や爪を使って細く裂き…
それを指で丁寧に撚り、紡いで糸にしていきます。
その糸は、織りあがりの図案にそって絣括りされ、天然染料によって染色。
そしていよいよ、根気強く手織りされるのです。
そうして布となった宮古上布の最後の工程は、糊付けと砧打ちです。
この仕上げの加工を「洗濯」と言い、洗濯された宮古上布の生地は、
糸ムラがなくなり、蝋引きしたような艶としなやかさが生み出されます。
砧打ちをして光沢を出し、親子三代物と言われるほど、丈夫で長持ちする。
原料の麻の生産から最後の工程まで、全てが手作業で行われます。
一点に相当な時間を要するのも、おのずとお分かりいただけましょう。
織り手や苧麻績み者の高齢化、原料である苧麻(ブー)が足りないこと、
また高度な技術を習得するのに長い年月がかかり、
若い技術者が育ちにくいということなどから、創作数は激減しております。
表:経緯手績み芋麻 衿裏:絹 (縫製:手縫い)
背より身丈152cm(適応身長147cm~157cm) (4尺 0寸 1分)
裄丈62cm (1尺 6寸 3分) 袖巾32cm (8寸 4分)
袖丈48.5cm (1尺 2寸 8分)
前巾22.5cm (5寸 9分) 後巾28.5cm (7寸 5分)
※居敷当無し、背伏付き
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈64cm (1尺 6寸 8分) 袖巾33cm (8寸 7分)
詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 盛夏(6月末~9月上旬)
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 芸術鑑賞、観劇、お出かけ、趣味のお集まりなど
◆合わせる帯 芭蕉布、上布、染め帯、博多帯、紬帯、半巾帯など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。