【仕入れ担当 田渕より】
紋織りの祖。
西陣の名門【紋屋井関】の類まれなる織の技術。
それが感じられる、憧れの逸品、その風格は他の追随を許さず…
その中でも一際シンプルなデザインの作品をご紹介いたします。
気品を失わないその箔、彩りのバランス、
無駄のない絶妙なデザインが知的でスマートな
帯姿を演出してくれることでしょう。
この機会にぜひご検討くださいませ。
【お色柄】
軽くしなやかな風合いの帯地。
白地をベースに、金箔糸、青銅色の箔糸使いで、
切子のような七宝文様が全通柄で織りだされております。
気品を失わないそのおだやかな色彩バランス、絶妙なデザインが
比類なき魅力的な後姿を作り上げてくれます。
また、お手にとっていただければお分かり頂けると思いますが、
軽やかな織味の帯地は信じられないほどしなやかで、斜めの伸縮性に富み、
横には伸びないとゆう復元力の強さが、しめやすくしわになりにくい地風です。
素材を吟味し決して妥協せず、延々と受け継がれる織技術、
代々と受け継いでゆける、いえ受け継いでゆくべき至高のひと品を…
自信と責任をもっておすすめいたします。
【商品の状態】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【紋屋井関 御寮織について】
1200年前の平安京の誕生以来、西陣織は宮廷織物師たちによって育まれてきました。
その中でも特に「紋屋井関」の名前で呼ばれていた井関家は、
西陣の紋織創始者を遠祖にもち、室町時代の末期に御寮織物司として任命された六家のうちのひとつとして知られております。
井関家は、その優れた技術と意匠によって、御寮織物司を代表する一家となっていきました。
1571年(元亀二年)大舎人座31家の中から御寮織物司6家の筆頭に任命されました。
井関家…屋号を紋屋
和久田家… 絹屋
小島家… 不詳
中西家… 織屋
階取家… 錦屋
久松家… 織物屋
明治維新まで300年間、そして現在まで改姓、絶家せずに続くのは井関屋のみ。
公家の山科家・高倉家を通じ天皇家の御衣装束の調進に当たりました。
御所御用は特権的栄誉でありますが、かなり厳しかったようです。
時代の流れにともなって「御寮織物司」という制度はなくなりましたが、紋屋井関はその伝統を現代にも引き継いでおります。
禁裏装束の復元といった文化事業にも協力を惜しまないその姿勢は、
西陣織文化の守り神のような存在といっても過言ではありません。
磨き抜かれた技と豊かな歴史とが巧みに織り込まれた西陣の伝統、御寮織。
そのすべてが手織りであることはもちろん、ひとりの職人が織りものの組織を把握し、
一人前に織りこなすようになるまでは20年もの修練を必要とします。
禁裏装束の基本ともなる有職文様などの古典的な織柄も、このようにして代々受け継がれ現代によみがえっています。
また御寮織の価値を高める要素のひとつに素材の贅沢さがあります。
「宮絹」と呼ばれる禁裏装束にしか使われない糸をすべての袋帯に使用し、
今で言う14中生糸であり、細かく、光沢が綺麗で弾力性があり復元力に優れています。
(ストッキングは16デニール、御寮織は14デニールなのです!!)
そしてプラチナ箔、本焼金糸、本金糸、色金糸、本金箔、銀箔など熟練した技術と厳しい眼をもつ工藝士によって作られ、
特に吟味された最高級の素材で確かな腕が作り出す逸品ー優れた技術と意匠の集大成が御寮織なのです。
絹100%(金属糸風繊維以外)
長さ約4.45m
耳の縫製:かがり縫い
全通柄
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 結婚式・披露宴、式典、パーティー、ご挨拶、お付き添い、音楽鑑賞、観劇など
◆あわせる着物 訪問着、付下げ、色無地など
※仕立て上がった状態で保管されておりましたので、折りたたみシワが付いております。この点をご了解くださいませ。