【 仕入れ担当 渡辺より 】
十八算・12マルキの見事な絣による
特選本場大島紬のご紹介です。
かの絣の魔術師とも呼ばれた恵大島紬織物
【 恵積五郎 】氏によるお品。
絣の比率は、実は9マルキと全く同じ1:1でございますが、
経緯の密度をあらわす算数が高く、その分使用される
糸は細くなり、実際の絣糸、カタスのT字も緻密を
極めた逸品。
洒落袋帯、博多帯、九寸・八寸名古屋帯、塩瀬、
民芸紬帯などなど、合わせられる帯の種類も幅広いので、
様々なコーディネートで、バリエーション豊かな
おしゃれをお楽しみいただけることでしょう。
【 お色柄 】
奥深い鉛色をベースに、本当に染め描いたかのように
繊細なダルトーンの彩りの織表現で、有栖川や向鶴菱、
亀甲、八藤丸、唐華、蔓華などの名物紋と古典の
割付文様を込めた段が一面に表現されております。
【 商品の状態 】
中古品として仕入れてまいりましたが、
洗われて保存されていたのでしょう、
仕付け糸もついたままの美品でございます。
お目に留まりましたらお値打ちに御召くださいませ。
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恵積五郎について
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本場大島紬の染織作家。
恵大島紬織物株式会社を創設した。
藤絹織物の都喜ヱ門とともに昭和の大島紬を牽引し、
特に絣の技術に秀でていたことから「絣の魔術師」
とも呼ばれる。
恵家は島津家に仕えた武士の家柄で家名を萩原といい、
恵積五郎の父・太助が恵家に養子に出されたことで
家名が「恵」に変わった。
恵太助の息子として生まれた積五郎は
父の再婚にともなって家を出で大島紬の職人となる。
戦後、恵大島紬織物を創設。
絣の技術に秀でていた積五郎は「絣の魔術師」と呼ばれ、
他の追随を許さぬ高度な技術を用い絵画として評価しても
おかしくない図案を織物で表現、高い評価を受けた。
その作品は昭和天皇にも献上された。
1988年死去
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総絣について
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絣柄の名称で、経糸または緯糸、あるいは経緯糸に
地糸を用いないで絣染めした糸のみを使った
絣模様の事。
大島紬においての総絣は緯に地糸がなく、
絣糸のみを織り込んだ箇所がある大島紬を指す。
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十八算(じゅうはちよみ)について
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算数とは、「1cmのなかに経糸が何本あるか」を
表す織物用語。奄美では伝統的に13算で織られ、
鹿児島では伝統的に15.5算のものがその
大半を占めて創作されている。
13算は、1cmのあいだに経糸が26本。
15.5算は、1cmのあいだに経糸が31本。
18算は1cmのあいだに経糸が36本。
算数が多ければ多いほど、布が緻密であり
上質な布である事を表す。
表裏:絹100% 縫製:手縫い
背より身丈158.5cm(適応身長153.5cm~163.5cm) (4尺 1寸 8分)
裄丈64cm (1尺 6寸 9分) 袖巾33cm (8寸 7分)
袖丈49cm (1尺 2寸 9分)
前巾24.2cm (6寸 4分) 後巾30cm (7寸 9分)
◆八掛の色:青碧・無地
※ガード加工済のタグが縫い付けられております。
【 付属証紙 】
通産大臣指定伝統的工芸品(現:経済大臣指定伝統的工芸品)・本場大島紬
本場大島紬織物協同組合の商標
製織:恵大島紬織物
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈68cm (1尺 8寸 0分) 袖巾35cm (9寸 2分)
※目視での縫込みの確認による概算となります。
※寸法を最大寸まで変更する場合胴裏の交換が必要となる場合がございます。
詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
※素材の性質上、フシによる凹凸組織の変化、色の濃淡などございます。
風合いであって難ではございませんので、その点ご了承くださいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン ご友人との気軽なお食事、街歩き など
◆あわせる帯 洒落袋帯、カジュアル向けのデザインの名古屋帯 など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。