【仕入れ担当 田渕より】
今回ご紹介いたしますのは、
今では本場結城紬よりも手に入れることが難しいとされる久米島紬。
指定を受けてからさらに室町でもなかなか出会う機会が少なくなりました。
この度も一点限り、しかもお仕立て上がりで、
偶然ご紹介させていただくことができました大切な作品です。
このように柄行のよいお品をお値打ちにご紹介できることは滅多とないと思います。
ぜひ一生ものとしてお持ちいただければと願います。
織り手さんが心を込めて織り上げた最高の織物です。
お目に留まりましたらどうぞお見逃しないようご覧下さいませ。
【お色柄】
芥子色の絣で格子や、琉球伝統文様を織り表した一枚。
きれいなお色を出すことが難しいとされる草木染めですが、
その僅かに異なる色彩を細やかに使い分け、平凡な柄行きを非凡なものへと昇華させております。
あたたかみある感性が、しっかりと肌奥に伝わります。
【状態について】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【久米島紬について】
その技術が琉球王国時代以来の伝統を保つ、製法は手作業による織物。
14世紀末頃、久米島の「堂の比屋(堂集落の長)」が明に渡り、
養蚕の技術などを学んだ事が始まりとされています。
久米島には、政策的に紬織りを強制された歴史があります。
織物を貢納布として収める人頭税の時代、苦しい過重な税制によって、
皮肉にも織物の技術は飛躍的に向上したとも言われております。
化学染料による染め、機械による大量生産をかたくななまでに拒否。
糸は真綿からひいた手紡ぎの糸、染料は島内で採れる草木、
そして豊かな大地の恩恵、泥染め。
手投杼を用いて手織りで織り上げられ、まさに「手仕事」を誇る織物と言えます。
また分業はせず、図案作りから染料の採取、絣作りと染色、織と糸染め、焙煎ときぬた打ち、
最初から最後までの全工程を一人で行い、さらに厳しい検査に合格してやっと完成となります。
表裏:絹100% 縫製:手縫い
背より身丈159cm(適応身長154cm~164cm) (4尺 1寸 8分)
裄丈63cm (1尺 6寸 6分) 袖巾32.5cm (8寸 6分)
袖丈49cm (1尺 3寸 0分)
前巾24.5cm (6寸 5分) 後巾29.5cm (7寸 8分)
◆八掛の色:杏色
※伊勢丹御誂え
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈70cm (1尺 8寸 5分) 袖巾35.5cm (9寸 3分)
詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 音楽鑑賞、観劇、お食事、お出掛け、ご旅行など
◆合わせる帯 九寸名古屋帯 八寸名古屋帯 半巾帯
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。