【 仕入れ担当 中村より 】
すっと反物を引き出した瞬間に…
広がる、黄八丈ならではのこの植物の香り。
ぜひともお手元にて感じていただきたく、願ってやみません。
終生の友として…
伝統的工芸品本場手織り黄八丈の黒、
しかも「本高貴」の特選着尺をご紹介いたします。
本高貴は足高貴に続き、八丈の中でもあまりお見かけしない珍しい織。
しかも年々人気があがり、流通もほとんどない黒のお品…
それゆえにお値段もどんどん上がってきてしまっております。
たまたまご紹介のかなったお品でございます。
仮絵羽になっておりますが、問屋さんで仮仕立てされただけで絶品の無地の魅力はお変わりございません。
お目に留まりましたら是非ともお見逃しなきようお願い致します!
【色柄】
現在は綾織ではめかご、丸まなこ、市松、本高貴(ほんごうき)、
風通崩し(ふうつうくずし)、足高貴(あしごうき)の織柄が
ございますが、本品はその中でも本高貴によるお品。
お色は深みのある黒。
化学染料では出せない味がここにはございます。
この深みのあるお色味使いに思わず仕入れずにはいられませんでした…
本当に、惚れぼれとするような深みのある色彩の妙。
丁寧な手織りですので、糸に無理がかからず大変丈夫です。
年月を経ても変色することがなく、洗えば洗うほど、そのお色は冴えを見せます。
絹物らしい、重みある渋い色艶はまず飽きるということがございません。
最近は本当に、数が減ってきております。
「本場黄八丈の黒」と言えばどこも取り合いと聞きます。
代々受け継ぐおきものとして、自信をもっておすすめいたします。
【黄八丈について】
その歴史は古く、室町時代から貢絹の歴史があります。
徳川時代には将軍家の御用品となり、大名や高官、御殿女中に用いられ、
今何かと注目される「大奥」をも風靡しております。
徳川の中期以後、染織の技術が進み、黄・樺・黒の三色を組み合わせた
竪縞・格子縞が織られるようになり、現在に至るまで何百年もの
継承がなされております。
黄は刈安、樺はまだみの樹皮、黒は椎の樹皮と、全て植物性の天然染色で、
数十回の染めを繰り返し表現される奥行きの色彩。色をとめるのに、
黄・樺は木灰を使い、黒は泥土を用いて直射日光で乾燥させます。
≪黒の染め≫
(1)シイの樹皮を乾燥させ、煮詰めて染料とする
(2)並べた糸に煮沸した染料をかけ、浸す(フシ浸け)
(3)ひと晩浸け、翌日糸を乾燥させる(数十回くり返す)
(4)鉄分を多く含んだ泥を沼から引き揚げ、浸ける(ヌマ浸け)
※黒の発色、色止めを兼ねる(いわゆる泥染め)
(5)染め具合により、3~5をくり返す
そして、糸染だけではなく、織にも特徴がございます。
黄八丈の織は「平織」のものと「綾織」のものがございます。
平織はその名の通り、経(たて)糸と緯(よこ)糸を
一本おきに交差させる最も基本的な織り方。
お柄としては
二くずし、のげ、べんけい・ななこ・三くずし・千すじ・万すじ
などのお柄がございます。
そしてもう一つが綾織。
組織り点が斜めの方向に連続し、斜線状をなす織り方。
別名、斜文織(しゃもんおり)と呼ばれ、黄八丈独特の
めかご・風通くずし・たつみあや・太郎左衛門・一松(市松)・
ひしあや(菱綾)・杉綾・まるまなこ・よせあや・片あや・足高貴(あしごうき)
と呼ばれる織技法が存在しております。
絹100%
長さ約12.7m 内巾約39cm(裄最長約74cm)
経済大臣指定伝統的工芸品の証紙、黄八丈織物協同組合の証紙がついております。
染色:伝統工芸士 西條吉弘
◆最適な着用時期 9月~翌年6月の袷・単衣頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 音楽鑑賞、観劇、お食事会、街着、カジュアルパーティーなど
◆あわせる帯 洒落袋帯、名古屋帯
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
お仕立ご希望の場合、
[ 袷 ]
地入れ3,300円+※胴裏7,260円~+八掛8,800円+お仕立代26,400円(全て税込)で承ります。
[ 単 ]
地入れ3,300円+衿裏2,200円+お仕立代26,400円(全て税込)で承ります。
・海外手縫い価格です。国内手縫いは、+12,100円(税込)で承ります。