【 仕入れ担当 中村より 】
日本工芸会正会員、群馬県指定無形文化財保持者であられた
江戸小紋染め師、藍田正雄。
雑誌「美しいキモノ」にも数々登場しておられましたから、
きっとその神業とも言える職人技をご存知の方も多いことでしょう。
このような作品が今後生み出されないことを考えると残念でなりません…
小紋師・藍田正雄氏の作品を仕入れて参りました。
今回ご紹介のお品は工芸会への出品もある木賊縞の変り柄。
しかも八掛を別誂えされた特別のお品でございます。
未仕立てのお品は今後ご紹介できるのはいつになることか…。
この美しさをぜひお手元でご堪能いただきたく存じます。
まずはどうぞご覧くださいませ。
【色柄】
お色は穏やかな気品を漂わせる小豆色を基調にして。
意匠には木賊ぼかしのお柄を染め上げました。
シンプルなものほど、最高のものを。
日本の文化と伝統を愛する方にこそお召しいただきたい芸術品です。
申し上げるまでもなく、数あるお品ではございません。
長く厳しい修行の後、「道」と呼ぶまでに極められた染の美。
その心を、作品から感じ取っていただければ、これほどうれしいことはございません。
一生をともにする最高級のきもの。
その技の極致をどうぞ、心ゆくまでご堪能くださいませ。
【 藍田正雄について 】
日本工芸会正会員
群馬県指定無形文化財保持者
江戸小紋にすべてを捧げた職人。
その技術を守り後世に残すため、自分の学んだ技術を
惜しみなく弟子に教えた。
私財を投じて伊勢型紙を集め、伊勢の型彫職人の元に
通いつめて新しい型紙まで作る徹底したその仕事ぶり、
職人としての誇りと江戸小紋への愛は並々ならぬものであった。
1940年 茨城県竜ヶ崎市に生まれ3歳で高崎に移る
1956年 東京都大井町の染色工房で修業
1966年 高崎に戻り、父と一緒に仕事をする
1977年 群馬町足門(現高崎市)に工房を構える
1983年 日本工芸会正会員となる
1986年 日本伝統工芸染織展 文化庁長官賞
1991年 日本伝統工芸新作展 朝日新聞社賞
日本伝統工芸新作展 鑑査及び審査委員
1992年 日本伝統工芸染織展 日本経済新聞社賞
1993年 民族衣装文化普及協会名誉総裁三笠宮妃殿下より伝統文化賞授与
1997年 日本伝統工芸染織展 鑑査及び審査委員
1998年 米国カリフォルニア大学及びクーパーヒューイット美術館で実演
群馬県総合表彰を受ける
日本絹の里で天皇皇后両陛下へ江戸小紋の技を披露
1999年 群馬県指定重要無形文化財保持者の認定
フランス リヨンで江戸小紋の実演
2000年 中国 蘇州大学で江戸小紋の実演
「江戸小紋 藍田正雄・人と作品」展 (群馬県立歴史博物館)
2002年 群馬県功労者表彰
2007年 伊勢型紙技術保存及び伝承者育成保護事業10年
2008年 伝統文化ポーラ賞
高崎市文化賞
2010年 「藍田正雄の江戸小紋 極小美の世界」展 (高崎市タワー美術館)
2011年 旭日双光章を受章
2013年 高崎市文化賞受賞作家展(高崎市タワー美術館)
クーパーヒューイット美術館所有の型紙(鳳凰)復刻及び実演
鳳凰柄着物・マフラー・復刻型紙を当美術館にて永久保存
日本伝統工芸展60周年記念賞受賞
2017年7月 死去
【伊勢型江戸小紋について】
古くは平安時代より、伊勢型は日本の歴史とともに歩んでまいりました。
室町時代には武士の裃(かみしも)に、また江戸時代には多様な文様が町人層に広がり、それら全てが<三重県鈴鹿市白子の型紙>によって染められておりました。
昔より染めものは、柄師(デザインを施すもの)、彫師(柄を彫るもの)、染め師(染色をするもの)の手から成り立っております。
<伊勢型紙>はその中で、柄を彫る工程にあたります。
彫り師は、求められた柄を、渋紙(和紙に柿渋を塗っていぶし、強度を高めたもの)にあてて、その通りに小刀を走らせます。
求められた柄にもよりますが、小紋などは、数ミリのズレも許されないまさに職人芸。
一つの作品に一ヶ月かかることなど珍しくなく、孤独な作業にとり組みます。
絹100%
断ち切り身丈175cm 内巾約37cm(裄最長約70cm)
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 観劇、カジュアルパーティー、おでかけ、ランチ など
◆あわせる帯 洒落袋帯、九寸名古屋帯、八寸名古屋帯など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
お仕立て料金はこちら
解湯のし4,180円+※胴裏7,260円~+海外手縫い仕立て35,200円(全て税込)
※国内手縫い仕立て+17,600円(税込)