【仕入れ担当 田渕より】
明治、大正、昭和から平成にかけて…
数多くいた染色作家の中でも抜きん出たその表現力。
類まれなる才能ゆえに、57歳という若さで得た「人間国宝」の称号。
友禅ファンの方ならば必ずやご存知かと思います。
人間国宝・故森口華弘氏と、その作品の希少価値…
故人であられますから、もちろんのこと遺されたお品は文字通り、美術品と同格。
今回ご紹介のお品も見る者の感嘆を誘う紛れもなき傑作品、
実際の着用にはもちろんでございますが、
美術品コレクションのおひとつとしても、大変価値あるものでございます。
素晴らしき大作をこの度、問屋さんからのご厚意もあり特別に入荷させて頂きました。
和の心、お着物をこよなく愛する方に…自信をもっておすすめ致します。
【お色柄】
色数を極力排した格調高い、華弘氏の友禅の世界。
その魅力を絹の上に凝縮したお品です。
「名山」と銘打たれたひと品。
奥深き浅縹色の絹地に浮かぶ蒔糊の世界…
このお色は決して若々しくなく年齢に左右されることもございません。
そしてお柄には氏の愛した梅に菊をあしらって…
すっと枝を伸ばし…
決して主張しすぎることなく、蒔糊の無地場を活かして、
清閑な趣を醸し出すその類稀なる空間美。
独特のフォルムであらわされ、マットな色調でありながら、
前に、奥にと華やぎが演出されております。
華美というよりも、奥深い華やぎとエレガントな品格。
高級感を最大限に引き出された作品かと存じます。
さりげなく、それでいて着姿にしたときの計算されつくした美しさをかもしだす構図。
これだけの仕事がなされれていても気軽に袖を通していただけける、本当に御着物をお召しになられる方のことを考えて作られた1枚です。
まず、ご存知のようにまずお品がございませんので、
年々その価値は下がることなどなく、高まる一方です。
コレクションのお一つとしても、自信をもっておすすめ致します。
この機会、どうぞお見逃しのないようお願い致します。
【商品の状態】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【森口華弘について】
明治42年(1909)滋賀県守山市岡町で生まれ、大正13年(1924)京都の友禅師、
三代目中川華邨の門に入り手描き友禅を修得し、昭和14年(1939)30歳で独立されました。
昭和35年 日本工芸会理事、42年に友禅にて重要無形文化財保持者に認定、
45年同福理事長を歴任し後継者の育成・指導に尽力されました。
(46年紫綬褒章、55年勲四等旭日章)
特に日本伝統工芸展には色数を極力整理した、いわゆる単彩主義による秀作を意欲的に発表し、格調高い森口華弘の世界を築き新しい表現法を開拓、
現代の生活感情にマッチした友禅を生みだし世に高く評価されました。
技法的には伝統的な手描き友禅の濃淡ぼかしや糸目糊、
堰出しなどのほかに、漆芸の蒔絵などの美しさからヒントを得た
蒔糊技法を開発し、独自の味わい深い友禅を完成しました。
表裏:絹100% (縫製:手縫い)
背より身丈160cm(適応身長155cm~165cm) (4尺 2寸 2分)
裄丈65cm (1尺 7寸 1分) 袖巾33cm (8寸 7分)
袖丈53cm (1尺 3寸 9分)
前幅25cm (6寸 6分) 後幅30cm (8寸 0分)
※衿裏は引き紐の付いたお仕立てです。
伊勢丹扱い品
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈67.5cm (1尺 7寸 8分) 袖巾34cm (8寸 9分)
詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年3月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 結婚式・披露宴、式典、パーティー、レセプション、初釜、音楽鑑賞など
◆あわせる帯 袋帯、綴れ名古屋帯など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。