【仕入れ担当 田渕より】
年々生産数が減り続けていると言われる、白鷹の織物。
ある問屋さんがメーカーにある在庫を全てを買い付けてきても、
その数は10本に満たなかったそうです。
その生産数ではもちろん生計を立てるのは難しいそう。
だからといって多くは作らず、手は抜かない。
そうした真摯な姿勢が受け入れられているからこそ、
白たか織が今日まで継承されているわけです。
特にアンサンブルともなると常に織られているものではございませんので、本当に稀少です。
京都きもの市場でも滅多とご紹介の叶わない逸品。
僅かに訳ありではございますが、この価値をお分かりいただける、
おしゃれにこだわりをお持ちの通の方に愛でていただければ幸いです。
【お色柄】
節感豊かなしなやかな紬地の風合い。
お色は深みのある薄花色をベースに白色の絣糸で実に細やかな蚊絣を一面に織りなして…
たて糸を張り、横糸をトン、トン、こつこつと。
その織りのひとつひとつ、心込めて織り上げられた雪国のおりもの。
着心地良く、着回しもきく一枚は、
長年お着物に慣れ親しむ方にとって、本当に手放せないものとなりましょう。
最高に贅沢な装いをご堪能くださいませ。
【状態について】
B反として仕入れて参りました。
巻終わりから約35cm付近にアク汚れがございます。
(※画像の黄色矢印の幅は1cmです。)
【白鷹紬について】
雪と寒さの厳しい山形県では、藩の財政難を立て直すために、
九代目米沢藩主・上杉鷹山が農閑期に適した強い織物の製造を奨励した結果、
紬づくりの技術が花ひらきました。
手作りの良さが見直される現在、置賜紬は、紅花染めに代表される米沢紬、
経緯併用絣の長井紬、板締め絣の白鷹紬などの総称として、多くの方々に知られております。
琉球に伝わった絣織物は、白鷹にてその北限とされております。
全てが手作業のため一反の仕上がりまでの期間が長く、年間でも数えるほどしか織られておりません。
本当に山深い場所だそうです。外界から半ば閉ざされた機屋さん。
古伝の技法を頑ななまでに守り、焦る事なく一反一反丁寧に織り上げられております。
特徴はなんと言っても、古法にのっとった『板締め絣』。
絣板と呼ばれる凹凸のつけられた板で白糸をサンドイッチして染めることで、
凸部分の染め残った箇所が白絣になるというもの。
緯糸の耳端に残るループ状の糸がその証。板の厚み部分の糸がループとなって残ります。
また、板締め絣に欠かせないものが絣板。
絣の細かさに応じてミリ単位でカンナを入れ彫り上げられております。
熟練の板大工さんでも一日に4,5枚が限度、
残念ながら新しい絣板を作れる板大工の後継者が1人も残っていないため、大変稀少になってしまっております。
絹100%
長さ約24m 内巾36cm(最大裄丈68cm)
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 観劇、お食事会、お稽古、街着、カジュアルパーティー、ランチなど
◆あわせる帯 洒落袋帯、九寸名古屋帯、八寸名古屋帯、半巾帯など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
お仕立て料金はこちら
[ 紬 ]
地入れ6,050円+※胴裏7,260円~八掛8,800円+海外手縫い仕立て26,400円(全て税込)
[ 羽織 ]
羽裏11,000円+海外手縫い仕立て27,500円(羽織紐は別途)(全て税込)
※国内手縫い仕立て
[ きもの ]+12,100円(税込)
[ 羽織 ]+14,300円(税込)