【仕入れ担当 田渕より】
素朴な中に込められた趣溢れる極上の“紫”――
古代から伝わりし大変希少な紫根染めのお着物。
この度なんと、大変希少な未仕立てのお品をご紹介いたします。
近年では製作数が激減しており
きもの市場でのご紹介も、なかなか機会がございません。
とりわけお着物となりますと、本当に希少です。
「欲しい」と思ってすぐに手に入るような作品ではございません。
一期一会のこの機会を、お見逃しなくお願いいたします。
【お色柄】
薄手でさらりとした質感の紬地に、
瓢箪の模様が絞り染でバランスよく染め上げられております。
さすがは自然のお色、
決して嫌味なく、こっくりと深みあるなかにも、
野山のそよ風を感じさせてくれるかのような、優しさと爽やかさ。
丁寧な手絞りによって、風合いのある生地全体に染め上げられております。
手絞りならではの唯一無二の表情。
これだけのお柄を一つ一つ絞り上げるのにどれだけの時間がかかるのでしょう…
この手絞りによる微妙なかすれや濃淡も、
紫根のお色の魅力を存分に感じさせてくれるもの。
年を経るごとに一段と味わい増す…
まさに、「共に成長するお着物」とも言えるおひとつです。
もちろんのこと、唯一無二。
全く同じお品というのは、作りようがございません。
ご存知の方でしたら、大変お値打ちに感じていただけましょう。
心を込めてご紹介させていただきます。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
【紫根染について】
天平時代の「古代紫」、平安時代の「京紫」、江戸時代の「江戸紫」。
これらの染料として用いられていたのが、「紫草」の根でした。
かつては日本各地の野山に自生し、大切に栽培されてきた紫草。
江戸時代末期を最後に、現在は日本の絶滅危惧植物50種の中に入れられるほど、
数を減らしています。植物園などで栽培されていることはございますが、
自然の中で目にすることは不可能、≪幻の草≫と言われております。
また紫草は、染料に用いられるほか、外傷の薬としても使われていました。
時代劇でお殿様が病気のときにする鉢巻も紫根染めであり、
決して迷信ではなく、紫根の色素は昇華性を持っているため、
染め上がった後も数年間は外に飛び出してくるのだそうです。
(頭痛・胃腸病・皮膚病にも良いとされ、現在は化粧品にも用いられます。)
※天然染料(紫草根)はその特質上、摩擦や湿気による色落ちが
生じやすくなっております。色止め加工をいたしましても、
色が落ち着くまでに汗や摩擦で色が移る場合がございますので
その点ご留意くださいませ。
絹100%
長さ約12.8m 内巾34.5cm(裄65cm前後まで)
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 芸術鑑賞、ご友人との気軽なお食事、街歩き など
◆あわせる帯 洒落袋帯、名古屋帯 など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
お仕立ご希望の場合、
手のし3,0250円+※胴裏7,260円~+八掛8,800円+お仕立代26,400円(全て税込)で承ります。
・海外手縫い価格です。国内手縫いは、「大島紬・結城紬」+23,100円(税込)「左記以外の紬」+12,100円(税込)で承ります。