【仕入れ担当 田渕より】
いわずと知れた本結城の無地。
中でもその濃淡の色彩の変化が美しい
希少な杢無地のお着物をご紹介をいたします。
本結城の検査組合に加盟しておりますのは、たったの12軒。
信頼のブランドを支える12軒の中、
今回ご紹介いたしますのは、藤貫謹製のお品でございます。
お目に留まりましたらどうぞお見逃しなくお願いいたします。
【お色柄】
渋く落ちついた佇まい…
杢の魅力は2色の色糸が演出する深みある混色のいろどり。
色の異なる2本の糸を絡めた緯糸を用いることで、不規則に
現れる緯糸の色彩の変化が、単色の糸では表現できない深みのある表情となります。
濃すぎず薄すぎず…
いろどりは深い紺黒色に、ほのかにうかがえる濃藍のかすれた表情。
透かしたときに浮き上がる経節の味わいが
色調の変化にさらに陰影による濃淡を演出して…
画面上でなかなかお伝えしにくいお色ではございますが、
この深みの彩りと真綿の風合いを、この上なくご満喫いただけることでしょう。
無地の紬は、織り段が出やすいのでその織り手の力量が一番試されると言われます。
絣柄のものは、経緯の糸を丁寧にあわせていかなければなりませんが、
無地にはその苦労とはまた違う意味の匠の技が必要とされます。
流行に左右されない、確かな織物という美術工芸品。
無地紬をお探しの方にとっては最高級品と思います。
洗い張り、仕立て直しを繰り返して、母から娘へと世代を超えて、
末長くご愛顧いただきたい逸品でございます。
【商品の状態】
未着用の新古品として仕入れてまいりました。
仕付け糸もついたままの美品でお手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【本場結城紬について】
日本三大紬に数えられる茨城県の伝統織物です。
糸づくりでは、蚕の繭からつくられた袋真綿を「つくし」と呼ばれる台にからませ、
この一端より職人が指先の魔術で糸を引き出します。
右手の指で内側へ糸を捻り、さらに左手で捻り戻しをいたしますので、
糸自体は平糸になって撚りがかかっておりません。
これが着れば着るほど風合いの良くなる結城紬の秘密です。
また、絣括りは経糸・緯糸を別々に目印の墨付けをして、木綿の糸でしっかりと絹糸を括ります。
括りが弱いと染料が括りの中に入り、綺麗な絣糸にはなりません。
地機の織り技法では、経糸の片側を機にとめ、
もう片側の手前の部分を枠に、きちんと糸を整列させた紐状のものを織り手さんの腰に巻きます。
経緯ともにピンと糸が張った状態で織り上げられるのではなく、
織り手さんが全身を使って経緯(タテヨコ)を調節して織り上げるので驚くほどしなやかに仕上がります。
平成17年6月3日、本場結城紬のラベルが新ラベルに生まれ変わりました。
現在「本場結城紬」に指定されるものは、以下の4つでございます。
(1)本場結城紬・平織り「地機」
(2)本場結城紬・縮織り「地機」
(3)本場結城紬・平織り「高機」(絣もの以外の無地と縞、格子のみ)
(4)本場結城紬・縮織り「高機」(絣もの以外の無地と縞、格子のみ)
なかでも、
<手紡ぎの無撚糸の使用、手括りの絣糸の使用、居座機で織り上げる事>
この三つの要件を満たしたものが
「重要無形文化財」の本場結城紬でございます。
本場結城紬検査協同組合では、絣もの以外の無地と縞、
格子のみに高機での製織を許可し、厳重な検査で品質を証明しています。
表裏:絹100% (縫製:手縫い)
背より身丈158.5cm(適応身長153.5cm~163.5cm) (4尺 1寸 9分)
裄丈69cm (1尺 8寸 2分) 袖巾35cm (9寸 2分)
袖丈49cm (1尺 2寸 9分)
前巾24.5cm (6寸 5分) 後巾30cm (8寸 0分)
【裄丈のお直しについて】
≪最長裄丈≫ 現状寸法が最大寸法です。
詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 芸術鑑賞、街歩き、ご友人との気軽なお食事、行楽など
◆あわせる帯 お洒落袋帯、名古屋帯、半巾帯など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。