◆雑誌「美しいキモノ」2021年冬号95Pに掲載されたお品でございます。
【 仕入れ担当 中村より 】
まずご紹介がございません!
光の加減で御召のように色彩を変え、浮き沈みし、表情豊か…
たくさんの心が込められた…本場琉球南風原花織。
今回ご紹介のお品はハイクラス、1998年に、沖縄県から伝統工芸製品の指定を受けた、
非常に高度な手織技法を必要とする、八枚綜絖の「喜屋武八枚(きゃんはちまい)」の花織着物のご紹介です!
単色のお品のご紹介が多い中、今回ご紹介のお品は見事な色彩の変化をお楽しみいただける希少な一枚でございます。
お目に留まりましたら是非ともお見逃しなく!
【お色柄】
お色は浅葱色と黒色の濃淡で。
さらに天色と白で横段を織りなして。
軽やかなシャリ感を持たせた、柔らかな光沢感のあるしなやかな織りあがりの一枚です。
光の所作で色味の印象が変わり、着姿となればその色彩変化は本当に美しいもの。
まさに織りの宝。
琉球紅型の帯なども、美しく映えることでしょう。
その他無地紬と同様に着こなしていただけ、帯合わせも本当に楽しくなります。
本場琉球の力ある織りもの、しかも、ざっくり真綿系というよりも、
ほのかな光沢感を備えたしなやか系のお品ですので、
高級なお洒落袋帯を合わせて、ちょっとしたパーティなどにも素敵です。
本当に、ため息がこぼれます。
なかなかご紹介の機会もございませんので…。
織りのおきものファンの方には、どうぞお見逃しなきようにお願いいたします。
お手元でご覧いただければ、一層その美しさを実感いただけることでしょう。
自信と責任を持って、大切に大切にお届けさせていただきます。
【 喜屋武八枚(きゃんはちまい・ヤシラミ花織)について 】
『喜屋武』とは南風原町内の地域の名称で、
『喜屋武』でおられた八枚綜絖の花織をさします。
喜屋武八枚は別名ヤシラミ織とも呼ばれ、
文様が鑢(やすり)の目に似ていることからこの名がつきました。
経糸2本一組、その2本の糸が色違いで入っており、
緯糸も2本の色違いの糸が交互に並ぶため、
細かい縞のような模様に見える織の表情となります。
その表現を可能にしたのが八枚綜絖。
織物の場合緯糸を通す杼道をつくるために、経糸を上下させますが、
その道具を『綜絖(そうこう)』といいます。
綜絖には平織りのための地綜絖と、花織のための花綜絖があり、
南風原花織では、仕事をしやすくするために、
既成のものではなく、独自に創作した綜絖が用いられております。
花織は文様によって花綜絖の枚数が変わり、
文様が複雑になればなるほど、花綜絖の枚数が増え、
作業が複雑になるため絣は1ヶ月平均2反程の織り上げが可能なところ、
花織は月平均1反織れるかどうか…それほどの手間暇がかかってまいります。
その中でも熟練の技術、手間隙を必要とするのが
この『喜屋武八枚』の織技法となっております。
一見シンプルなように見えます。
ですが、どうぞじっくりとご覧いただきたく思います。
絹本来の美しい光沢を放つ二色の糸が経緯ともに交互に織り込まれ、
一糸の乱れもなく、実に規則正しく、繊細細緻な浮き織りとなっております。
「んじゃりがな 分かち布なする女 花んやしらみん織どさびる」
もつれた糸を切らずに一本の糸に解きほぐして、布にしてみせましょう
女ですもの、難しい花織でもやしらみ織(紋織)でも織ってみせましょう
どんなにもつれた糸でも解きほぐす位の忍耐と辛抱強さ。
花織の織り手さんには、心の強さがございます。
沖縄人の強くあたたかな精神とともに…
美しいく花開いた布を、豊かな心で楽しんでいただきたく存じます。
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絹100%
長さ12.3m 内巾37cm(最大裄丈約70cm)
沖縄県織物検査済之証、沖縄県伝統工芸品之証、経済産業大臣指定伝統的工芸品の証紙がついております。
◆最適な着用時期 9月~翌年6月の袷・単衣頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン カジュアルパーティー、音楽鑑賞、観劇、お食事、お出掛け、ご旅行、趣味のお集まり
◆あわせる帯 お洒落袋帯、九寸名古屋帯、八寸名古屋帯
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
お仕立て料金はこちら
地入れ2,750円+※胴裏7,260円~+八掛8,800円+海外手縫い仕立て26,400円(全て税込)
※国内手縫い仕立て
「大島紬・結城紬」+23,100円(税込)「左記以外の紬」+12,100円(税込)