高級の織物として知られ、高い人気を誇る本場奄美大島紬。
この上ない細緻な絣表現に、
伝統技術のすばらしさを感じていただけることでしょう。
純古典の美しき意匠を織りなしたお品を、
長期在庫処分品として仕入れてまいりました。
画像のような織難が全体にあり、やや短尺の為検査不合格のB反としてお値打ちにてご紹介致します。
(※画像の黄色矢印の幅は1cmです。)
ご了承の上、お目に留まりましたらお値打ちにお求めくださいませ。
大島紬は完成までに二度織られます。
一度目の締め機は、大島紬独特の精密な絣模様をつけるため。
上下の綿糸によってギュッと締められた部分は防染されて染料が入り込まず、
その染まらない部分が絣になります。
絣模様をくっきりと作るためには、
大変な力で締めつけて織り込む必要があるため、
昔からこの締め機は男性の仕事とされてきました。
それでも、図案に合わせて締め機にかける糸を調節して、確実に、
数ミリ単位の狂いもなく締め込んでいくというのは大変に緻密で根気がいる仕事。
ここで間違いが起こると絣模様ができなくなってしまうため、
力があるというだけではできない難しい仕事です。
9マルキによる細密絣。
大島特有の深い黒の地には
まさに高尚な絵画のように、松に翔鶴の意匠が織り描かれました。
近くに奥にたっぷりと、深遠な表情をみせて。
その世界に吸い込まれそうなほどの…すばらしいひと品。
純泥染めならではの、奥深い大地のお色。
すっと反物を広げた瞬間、きっとお感じいただけることでしょう。
黒色に茶糸、そして白糸。
繊細な全体の表現力は、まさに大島紬ならではの醍醐味と言えましょう。
絣合わせも、本当に、全てが美しく決まっております。
T字がくっきりと、ひとところもつぶれることなく、
その粒の重なりをみつめると、職人さんの苦労がしのばれます。
大島の命とも言うべき泥染めは、
テーチ木(車輪梅)の液で数十回も繰り返し染めることから始まります。
タンニン酸によって赤褐色に変わった絹糸を、泥田につけて何度も何度も…
タンニン酸と泥に含まれる鉄分が化合して糸はやわらかくなり、
決して化学染料では出せない、独特の深みあるダークな色調に染め上がります。
その絹糸は、高機による手織りで一糸一糸心を込めて織り上げられていきます。
一反の織り上げに、軽いものでも一ヶ月、凝ったお柄のものでしたら数ヶ月、
ましてや本品のような美術作品ともなりますと、
本当に、長い期間がかけられていることと思います。
数センチ織り上げては経糸をゆるめ、
一本一本針で絣をあわせていく根気のいる仕事です。
お着物の形になりましたら、さぞかしすばらしいひと品となりましょう。
想像するだけで、心浮き立つように感じられます。
しっとりとした絹の光沢感に、シャッと肌をすりぬける独特の生地質。
上等の大島紬は、上質をまとう喜びを心に染み渡らせてくれるおきものです。
三代お召しいただける大島紬。
昔ながらのしっかりとした仕事、本当に良きものをお探しの方に…
どうぞお見逃しございませんようにお願いいたします。
絹100%
長さ約11.5m 内巾35.5cm(最大裄丈67cm)
◆最適な着用時期 袷・単衣 <盛夏以外(6月末~9月上旬以外)>
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン お出かけ、観劇、お稽古、お食事会など
◆あわせる帯 洒落袋帯、名古屋帯など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
お仕立ご希望の場合、
[ 袷 ]
地入れ2,750円+※胴裏7,260円~+八掛8,800円+お仕立代26,400円(全て税込)で承ります。
[ 単 ]
地入れ2,750円+衿裏2,200円+お仕立代26,400円(全て税込)で承ります。
・海外手縫い価格です。国内手縫いは、+12,100円(税込)で承ります。