思わずそのシックなお色目、パッと映えるモダンなデザインに目を惹きつけられる…
爪織本綴れの八寸名古屋帯をご紹介致します。
年々その織手の高齢化により、減少している綴れの帯。
本綴れの織リ手さんは、常に指の爪先にヤスリをあて、
その爪を、文字通り「ノコギリの歯のように」刻んでおきます。
文様を織る際には、図案(下絵)を経糸の下に挿し込んで透かし見つつ、
経糸を杼(ひ)ですくい緯糸を越して織り込んでいきます。
そしてノコギリの歯のように刻んだその爪で、緯糸を一本一本掻き寄せ、
織り手さんの感性によって織り込んでいき、
筋立て(すいたて)という櫛で織り固めるのです。
織機が自動的に、その列に入る経糸をひきあげてくれるのではなく、
一色ずつ、下絵を見ながら手作業にて織り込んでゆく黄の遠くなる作業…
また綴れ帯は、経糸を覆うように織り上げられますので、裏表同柄となり、
長年の使用で汚れた時などは、裏を整理してお仕立て直すこともできます。
キュッとしなやかに織り出された綴れ地。
ごく淡い薄桜色の地に、金銀糸を艷やかに込めて
斜めに揺らぐような「波市松」のお柄を表現致しました。
綴れ帯らしく、幅広いシーンでお締めいただける秀作です。
一重太鼓でフォーマルにのぞめるのは綴れの八寸帯だけですので、
幅広くご活用いただけます。
単衣の時期にもお締めいただけますので、一点あれば重宝することでしょう。
熟練の技と美へのこだわりを感じ取っていただければ、幸いでございます。
どうぞ、お見逃しなく!
絹100%(金属糸風繊維以外) 長さ約3.6m(お仕立て上がり時)
お柄付け:太鼓柄
◆最適な着用時期 9月~翌5月(秋単衣から袷の季節に)
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン パーティー、お付き添い、お茶会、観劇、音楽鑑賞など
◆あわせる着物 訪問着、付下げ、色無地、江戸小紋