福岡県筑紫郡那珂川町。
博多からほど近い町にひとつの工房がございます。
着物雑誌や銀座専門店さんなどでご存知の方もいらっしゃるかと思います、
日本工芸会正会員【甲木恵都子】氏による工芸紬八寸帯のご紹介です。
生命の輝きを込め、一織一反、丁寧に丁寧に織り上げられたひと品。
弊社でのご紹介は未だ数回程度…
次回のご紹介は決してお約束出来ません!
お目に留まりましたら是非ともお見逃しなく!
静かな山裾にある工房から生まれた、たしかなよきもの…
某製薬会社創立者の娘として生まれ、
不自由なく生活しているなかで、通いなれた呉服屋で運命の出会いを果たします。
そう、あの幻の郡上紬と出会ったのです。
そして郡上紬の故郷で出会った宗廣力三氏の作品に心打たれ、自ら織子の道へ。
もちろん最初は、お嬢様の遊びの範疇ではないと門前払いを受けたが、
それに勝る熱意が届き、通いでの弟子入りを果たします。
それからは新幹線での日帰りで力三氏のもとで修業を繰り返し40数年。
独立を果たします。
植物・水・太陽・空気、全ての条件が揃った福岡に工房を構え、
草木染めの原料の植物の調達から、全てご自身で行われ、
幼少時からさまざまな着物に慣れ親しんできた氏の作品には、
本当に作り手の想いや人格が表れてるように感じます。
草木染のぬくもり、手織りによる洗礼された意匠…
圧倒されるというよりは、心にすうっと入るような印象。
触れると驚くほどしなやかな地風。
砧打ちにより糸本来の、柔らかな風合いの帯地は
草木染めで染織した、清雅なオフホワイト色に。
お柄には無駄の無い、シンプルながら都会的な洗礼の意匠が太糸によってふっくらと織り出されました。
手織りの味わい深い表情、
同じ芽でも季節によって変わる、生きた自然の色を頂いて出来る作品は同じものは二つと作られません。
一織一反。
これを貫き続けてる氏の作品と想いに共感して頂ければ嬉しく思います。
ほんものをお探しの方。
美しい帯姿をお求めの方に…
自然をみつめ愛する方の、澄んだ感性の世界が感じられる本品を
どうぞお手元でご覧くださいませ。
【甲木恵都子 作家歴】
昭和9年10月 東京都中野区鷺の宮生まれ
昭和40年4月 岐阜県郡上八幡町郡上工芸研修所入門(主催・宗廣力三)
昭和46年5月 第8回伝統工芸日本染織展入選・文化庁長官賞受賞
昭和47年4月 第9回伝統工芸日本染織展入選・文化庁長官賞連続受賞
昭和48年10月 第20回日本伝統工芸展入選・日本工芸会正会員となる
昭和50年5月 パリ・サントノーレにて個展
昭和50年7月 第7回第三文明展入選受賞
昭和51年6月 第8回第三文明展特別賞受賞
昭和58年5月 東京より福岡県筑紫郡那珂川町に移住
昭和61年2月 福岡県筑紫郡那珂川町に「甲木工房」落成
平成3年10月 女優・幸田弘子さんの舞台衣裳制作
平成5年10月 東京・福岡にて「染織活動30周年記念展」
平成15年11月 東京・銀座にて「染織活動40周年記念展」
平成22年11月 第35回福岡市文化賞受賞
平成23年12月 第35回民族衣裳文化功労者・きもの文化賞受賞
平成年2月 九州国立博物館にて50周年個展開催
絹100%
長さ約3.6m(お仕立て上がり時)
こちらの帯は長尺ですので、仕立て上がりの長さを3.95mまでご指定いただけます。
※ご指定のない場合は弊社標準の約3.6m前後で仕立て上がります。
柄付け:全通柄
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 観劇、女子会、街着など
◆あわせる着物 小紋、紬など