繊細な畦織りの表情を存分にお楽しみ頂ける、大変ステキなお品を入荷いたしました。
大変マニアックな織りの世界…
染匠愛好家の為の専門誌月刊染織αにて1987年に特集された石川美津子氏の作品。
さらには絵羽柄ではなく一面に畦を織を込めた大作。
もちろんの事お品自体が多く存在するお品ではございません。
今回限り、問屋さんにお願いをして大変お値打ちに仕入れて参りました。
工芸染織を心よりお楽しみ頂けるお品でございます。
まずはじっくりとご覧くださいませ。
逸品のお品だけが持つ存在感と風格。
大変希少な経緯畦織りの傑作でございます。
畦織とは
平織から発生した変化組織の一つで、
経・緯の糸本数の比率を変える事によりそれぞれの方向に畝ができる。
その畝の部分に太糸や2本以上の糸を引きそろえにする事によりそれを強調し織り上げる技法。
もちろんの事平織りの原理原則を変えて織り上げるお品でございますので、
機織りのさいには糸切れやズレが起こりやすく、
その手間やその技術は非常に手間がかかるため織り手も少ないお品にございます。
代表的なお品には博多の琥珀織などがございますが、
精錬され均一な太さで織り上げるお品に比べますと今回のお品のように、
元々の節感を残した紬糸を使用して織り上げるお品は大変なお手間がかかります。
同じ技術で織り上げられた藤山千春氏の作品をご存じの方であれば、
この織組織、この価格がどれほどのお値打ちなおしなか、ご理解頂けることかと存じ上げます。
手触りはざっくりと紬糸の節感は残しつつも、ナチュラルな光沢感をも含んだ茶辛子色をベースに、
柳茶色と淡黄色のの二重緯糸で見事な畦を織り上げた格子文。
飛び柄にて地糸の焦げ茶色の格子絣を背景にしたふわりと浮かぶ、
白茶を込めた畦の格子。
このたった一枚の着物に込められた大変なお手間を感じずにはいられません。
遠目には単色見えても厳密には違うお色味でございます。
表情豊かに織り上げられたその地に平織りと繊細な緯畝織にて浮かぶ吉野格子の意匠。
草木染めの深みある白茶色で織り上げられ箇所箇所により微妙に異なるいろどりの妙…
遠目にはすっと地に馴染んでいるように見えて、
近づくと、本当に一言で言い表わすことが難しいほど、
絶妙な彩りで、細密細緻に織り上げられております。
丁寧に手織りされたことが容易に伺える仕上がりです。
『吉野間道』は、寛永三名妓とうたわれた吉野太夫に、
京都の豪商灰屋紹益が送ったと言われる織物。
なるほど、愛情を感じずにはいられない、その風情。
浮き織を太縞細縞に打ち込み、独特な風合いを持ちます。
かの名茶人・松平不昧もこれを好み、
自らその写しを中国に注文したと伝えられております。
平面の織の中に、ふっと立体的に盛り上がるような造形美。
藤山千春氏の手により丁寧に織り上げられ、まさに幻の吉野間道を現代に蘇らせた、
草木の色彩と組織の調和美を、存分にお楽しみくださいませ。
味わいある彩りとシンプルな意匠ながら、引き込まれるような洒落味の迫力。
ハイセンスなものを、さりげなく身にまとう贅。
これぞ大人の通なお洒落。
おきもの通の方にも絶対に喜んでいただける、自信の作品です。
どうぞこの機会をお見逃しなくお願いいたします。
絹100%
断ち切り身丈168cm 内巾38cm(裄最大72cm)
石川美津子作
◆最適な着用時期 9月~翌年6月の袷・単衣頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 観劇、お食事会、街着、カジュアルパーティー、ランチなど
◆あわせる帯 お洒落袋帯、九寸名古屋帯、八寸名古屋帯など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
お仕立て料金はこちら
解地入れ5,500円+※胴裏7,260円~+八掛8,800円+海外手縫い仕立て33,000円(全て税込)
※国内手縫い仕立て+16,500円(税込)