ほとんど市場にも出回っていない稀少紬…
新潟県長岡市でこつこつと製織されている「本場越後 栃尾紬」。
織物ファン必見のひと品を仕入れることができました!
中でも帯はきもの市場では初めてのご紹介。
本藍による深いお色に自然な風合いをお楽しみいただける一条です。
今後のご紹介はお約束できません。
どうぞお見逃しなくお願い致します。
栃尾紬は、製糸に出来ない玉繭を真綿にし、それを紬いで織ったものです。
栃尾郷で農家の副業として、殆ど全域にわたって生産されていました。
例えば、田之□の黄縞(きじま)未納、森上の無地(むじ)、
荷頃の干筋(せんすじ)、中野俣の鼠縞(ねずみじま)、
一之貝の絣(かすり)、赤谷の大柄(おおがら)、栗山沢の黒地(くろじ)、
黄格子(きごうし)、黄八丈(きはちじょう)…
縞物にしても、万筋(まんすじ)、千筋(せんすじ)、小立(こだつ)、
中立(なかだつ)、大立(おおだつ)、大明、滝縞(たきじま)などがあり、
それが色や縞柄で、いろいろな名称がありました。
他に横切(よこぎり)、此手(このて)、壱崩(いちくずし)、
見甚、絣(かすり)、利久(りきゅう)、綾(あや)といった具合です。
紬の仲買人は、このような織物の見本を農家に示して織らせていました。
長年に渡り改良を積み重ね、糸織りを主としながらも、
玉糸や節糸を用いるなどの工夫がこらされた絹織物は、
綿織物のようでありつつも、絹特有のほのかな光沢がございます。
シンプルな織物は、華々しく目立つということはなく、
それが逆に凝った趣向と優れた品質につながり、評判となって、
主に江戸の町人の伊達者の間で人気を博しておりました。
また、この栃尾紬の裂を貼った栃尾紬標本は、40枚80頁からなる冊子で、
新潟県栃尾市の有形民俗文化財となっております。
そして日本の色といえば、藍。
万葉の昔から日々の暮らしの中に息づいてきた本藍染は、
人々にとって欠かせない衣服の染地でした。
大自然から生まれた本藍染は殺菌効果や防虫効果に優れ、
又、漢方薬としても重用されたと言われています。
時を刻むごとに更なる輝きを増すその青々とした美しさは、
生命ある藍だからこそでしょう。
化学染料には無い、冴えざえとした色の感動を伝えてくれます。
本藍染の糸を用いて織りなされた帯地。
織地は軽くて厚すぎず、それでいてコシのある強さを感じる、
安定感のある仕上がりが魅力的です。
ほかの産地にはない地風を感じさせてくれます。
意匠には市松模様を織りなして、波織りによる地紋が浮かび上がります。
末永くお召し頂ける、シンプルさが魅力のおしゃれ着でございましょう。
ぜひ、この豊かな風合いをお手元にてご堪能いただきたく存じます。
どうぞお見逃しなく!
絹100% 長さ約3.6m(御仕立て上がり時)
※素材の性質上、フシによる凹凸、組織の変化、色の濃淡などございます。
風合いであって難ではございませんので、その点ご了承くださいませ。
◆最適な着用時期 9月~翌年6月の袷・単衣頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン お茶席、お稽古、芸術鑑賞、観劇、おでかけ、お食事
◆あわせる着物 色無地、小紋、織のお着物