西陣織り処【織華佐竹】より、限られた機屋さんしか織り上げることのできないと言われる「本袋」の上品なひと品をご紹介いたします。
お目に留まりましたら、どうぞご検討くださいませ。
本袋とはご存知にように裏表継ぎ目のない織り方で、織手さんは作業中は柄を見ることなく織り進めていく熟練の匠にのみ許された技法です。
これだけ重厚な面持ちでありながら、お手に取っていただくと驚かれるのではないでしょうか。
このしなやかな軽い仕上がり…
長谷川等伯、尾形光琳、円山応挙など、そうそうたる顔ぶれの画聖たち。
その作品の多くは重要文化財に指定され、今なお見るものを感動させてくれます。また、彼らは長谷川派、琳派、円山派として一門を興し、後世の芸術に大きな影響を与えました。
今回ご紹介いたしますのは、妙心寺竜泉庵に所蔵される長谷川等伯の「枯木猿猴図」を帯にしたためたお品です。
桃山時代に活躍した長谷川等伯は、海北友松と並んで、狩野派と競い合った大家であり、主に京都の諸寺院に大作を残しました。等伯は中国・宋末の画僧である牧谿や、室町時代の雪舟らの水墨画に大きな影響を受けた画風を持っております。
「枯木猿猴図」も牧谿の代表作「猿猴図」(大徳寺蔵)に倣って描かれたもので、
大胆さと繊細さの対比という特長の水墨画の中でも、
その鋭いタッチの速筆で描かれた枯木と、細筆による毛描きも繊細な猿の姿の対比は、他に例をみない鮮やかな作品であると評価を受けております。
灰色の地に、箔糸も用いつつあらわされた枯れ木。
その枝枝には、長い腕をもった猿の姿があしらわれております。
原画を一本の帯に表現しきった天才的な感性で描かれた絵画と、それを細やかに織り上げた現代の技のハーモニーが、上品かつ知性的な後姿を演出してくれることでしょう
訪問着や色無地、付下げ、小紋などにあわせて、芸術性の高い優雅な後姿をお楽しみくださいませ。
どうぞこの機会をお見逃しのないようお願いいたします。
絹90%以上・ポリエステル、レーヨン10%未満(金属糸風)
長さ4.35m
西陣織工業組合証紙No.1815 織華佐竹謹製
六通柄
本袋帯
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 音楽鑑賞、観劇、お食事、お出掛け、ご旅行、お茶席など
◆あわせる着物 訪門着、色無地、付下げ、小紋など