那覇伝統織物事業協同組合の前理事長・山口良子氏の手による、
希少な首里花倉織九寸名古屋帯をご紹介致します。
現在の首里花織の第一人者、山口良子さん。
製作数自体も少なく、なかなか出回る作品ではございませんし、
首里織の中で草木染め(琉球藍)の作品は一層希少なもの…
縁あって入荷が叶った工芸帯ですので、織物ファンの方必見です。
どうぞこの機会をお見逃しなく!
山口良子氏は、「首里の織物」人間国宝・宮平初子さんの工房で学ばれ、
機織りや織り上がった布、自然と首里の織物に触れて育った生粋の織り人。
首里織に27年携わった経験や、織り子指導への貢献が認められ、
伝統工芸産業の後継者育成に功績があった人に贈る、第20回安谷屋正量賞を受賞されました。
「21世紀の次世代に、風格のある、きちんとした織物を確実にバトンタッチしていきたい」と、表彰式で喜びを語られた山口氏。
同賞は、故・安谷屋正量氏の伝統工芸への功績を記念して設置された基金で、
1981年から実施されており、受賞者は山口さんで20人目。
名誉ある賞を受賞され、次世代の首里織の事を思い、
多くの若者に首里織の技術を学ばせることに、真摯に取り組んでおられる素晴らしい作家さんです。
現在では、ご自身の作品を制作される数も少なくなっておりますが
その花倉織の美しさは、他とは一線を画する抜群の仕上がりです。
しなやかで、程良いハリとシャリ感ある地風。
ごく深い濃藍色を基調としたその地に、
同色の浮き花織と、スッキリとした花倉織独特の細やかな絽目が織り込まれております。
首里花倉織、首里花織、首里道屯織、首里絣、花織手巾、煮綛芭蕉布、ミンサー。
琉球各地で見出された素晴らしい染織文化は、王府のある首里へと運ばれ…
土着の在郷らしい意匠から、王家や士族の着用にふさわしい、
より洗練された意匠へと進化していきました。
もともと花倉織は、琉球の王家専用の、格式を誇る夏衣でした。
花の形を浮かびあがらせるとともに…
部分的に糸の密度を変えることで、
生地に透け感を演出するのがその特徴です。
実に高度な技を要する織りもの。
この絽目を織り上げる為にかけられる、大変な手間と労力…
糸の本数は同じなのに絽目を出すという事は、
この透かし織り部分の糸を圧縮し、二本の糸を一本にし、
そして均一に力をかけて織り上げていきます。
他の織物で見る絽目よりも、実に細やかに織り成された花倉織は
ひと目で分かるほどに洗練された仕上がりとなっております。
一見刺繍かとみまごうほどの文様美は、
丹精込めて織り上げた織り手さんの心を、ふんわりとやさしく伝えてくれます。
山口良子氏ならではの織技と、首里花倉織だけが持つ独特の尊さ、気高さ、美しさ。
ここまでの、類まれなお色使いの作品には本当になかなか出会えないものです。
心よりおすすめ致します。
幾代先に受け継がれても決して廃ることのない品格ある逸品。
どうぞ存分にお楽しみください。
絹100% 長さ約3.6m(お仕立て上り時)
織り手:山口良子
おすすめ帯芯:綿芯
◇六通柄
◆最適な着用時期 袷・単衣 <盛夏以外(6月末~9月上旬以外)>
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 音楽鑑賞、お食事会、街着、カジュアルパーティー、ランチなど
◆あわせる着物 色無地、小紋、織のお着物
★名古屋仕立て(税込8,250円※綿芯「松」代含む)
胴に巻く部分から手先までを半分に折って縫製された仕立て方です。
お着付けの際に半分に折る必要がないので、楽に着付けることが出来ます。
★開き仕立て(税込11,550円※綿芯「松」代含む)
半分に折らずに帯地と帯芯をかがって仕立てます。
胴回りをご自身の好きな巾で結ぶことができます。
★松葉仕立て(税込11,550円※綿芯「松」代含む)
手先の部分だけを半分に折って縫製された仕立て方です。
胴回りは折らずに仕立ててあるのでご自身の好きな巾に調節することができ、
かつ手先は半分に折っているので楽に着付けをすることが出来ます。
※開き仕立てと松葉仕立ては縫製の関係上帯芯が見える状態です。
着用時には見えませんので問題はございませんが、気になる方は+2,750円で裏地を付けることもできます。
ご希望の方は、「モス裏地付き」のお仕立てをお申し込み下さい。