■美しいキモノ2019年春号p92に掲載されたお品でございます。
創作図案家、『若松華瑶(わかまつかよう)』―
西陣織、また能装束の世界で、氏を抜きにしては何も語ることはできません。
あふれ出る天賦の才能、能装束に、織物にかける情熱…。
「昭和能装束百種」に代表される若松華瑶氏の卓抜したセンス。
「意匠に困ったり、デザインが浮かんで来ないなんてことはない」と言い切り、
むしろ、「次から次へと湧いてくる図案の整理のほうが難儀する」ほどで、
その圧倒的な華やかさは、現在でも人々を魅了し続けてやみません。
明治に生を受け、昭和を生きたその若松華瑤氏の残した図案が、
二代目若松華瑶(初代のご息女)氏に引き継がれて…
研鑽されたその美を閉じ込めた、逸品袋帯を期間限定にてご紹介致します!
なんとも艶やかに込められた引箔の光沢感。
その地に施された唐織のふっくらとした織り味。
お柄には「雪輪青海」と題された意匠。
艶やかな引箔の金地に穏やかな色糸を込めた青海波。
ふっくら唐織の雪輪文を重ねた面持ちは、決して華美すぎるということもなく、
バランスの良い華やぎが若松華瑶ならでは、
まさに創作図案家の真骨頂と言えるでしょう。
古典由来の意匠をモチーフにした、完成度の高いデザイン。
伝統と格式を感じさせる古典の趣、その古典のよさに、
独創性をプラスすることでうまれた、『若松華瑶』の世界。
正統の古典に沿いながらも、個性を忘れず活かす…
御着物好きの方にはこの上ない一点です。
留袖から訪問着、付下げ、色無地までに合わせて、
格調高い装いにご着用いただけるひと品でございます。
ぜひ大切に、末永くご愛用下さいませ。
心よりおすすめ致します。よろしくお願い申し上げます。
≪若松華瑤プロフィール≫
明治28年 京都市に生まれる
明治43年 西陣織物業「山岸重助商店」入社
大正12年 西陣織物業「若松清一商店」開店
昭和5年 第一次能装束研究会を興す
昭和33年 行司装束第1号を制作、木村庄之助氏に贈呈
昭和38年 世阿弥誕生600年を記念して昭和能装束前期50作の制作開始
昭和39年 ニューヨーク世界博覧会に展示出品
昭和41年 昭和能装束後期50作制作開始
昭和42年 昭和能装束前期50作完成、京都市美術館にて展覧
昭和49年 昭和能装束後期50作完成、「昭和能装束百種」完成
一般公開を前に急逝、享年78歳
京都市美術館にて「若松華瑤遺作昭和能装束百種展」開催
絹100%(金銀糸風を除く)
長さ4.35m(お仕立て上がり時)
おすすめ帯芯:綿芯(薄め)
六通柄
◆最適な着用時期 10月~5月(袷の季節に)
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません。
◆着用シーン ご結婚式、初釜、お付き添い、パーティーなど
◆あわせる着物 黒留袖、色留袖、訪問着、紋付色無地、付下げなど