
着物の種類 基本中のき!帯合わせ・小物合わせも解説 「カジュアル編① 色無地・御召」
ドレスからTシャツ…洋装にもTPOに応じた服装があるように、着物にも着用シーンに合わせた様々な種類があります。 一見わかりづらい着物の種類。でも一回基本が分かれば意外と簡単なもの。今回はシーンと合わせて、帯や小物の合わせ方まで解説いたします。
外出着、街着等と呼ばれ、幅広く装えるカジュアル寄りの着物もあります。カジュアル寄りの着物においては、もちろんTPOに合った装いはあるものの、礼装と比較すると決まりごとが少なく、自由に装うことが可能です。
また、同じ種類の着物であっても、色、模様、雰囲気や合わせる帯、小物により、晴れやかさやよそ行き感ある装いとしたり、逆にくだけた装いや個性的な装いとしたり、幅広くお洒落を楽しむことができます。
なお、こちらで紹介する色無地、御召については、後述するように、紋を入れることで準礼装、略礼装として着用できます。
紋の有無、数、種類で格が変わり、染めで三つ紋又は一つ紋を入れると準礼装、縫いで一つ紋を入れると略礼装、紋なしだと普段着となります。
生地は、縮緬等の地紋のないものと、織りによる地紋の入ったものがあり、地紋入りを選ぶ場合は、地紋によって格や慶弔の用途を考える必要があるます。
特に茶道や香道等の行事では、染めで一つ紋を入れた色無地を着用することが多いようです。
帯は、袋帯か織りの名古屋帯を合わせます。
帯により、金糸・銀糸が使われた袋帯で格調高く装ったり、落ち着いた色合いの帯であらたまった雰囲気を演出したり、装いを調節することができます。
帯揚げ、帯締め等の小物も同様ですが、あくまで準礼装又は略礼装であることから、淡い上品な色合いのものが好まれ、訪問着の場合に準じて考えると間違いがありません。
また、紋を入れた色無地で、灰色や寒色系の落ち着いた色のものであれば、黒喪帯又は色喪帯を合わせて喪服として着用することができます。
なお、格としては小紋と同格であくまで外出着に分類されるものの、実際には、少しよそ行き風という感覚を持つ方が多いのが現状です。
帯は、礼装にならない程度の袋帯、しゃれ袋帯、織りの名古屋帯、染めの名古屋帯等幅広く合わせることができます。
同様に、帯揚げ、帯締めも、第一礼装、準礼装に合わせるようなものを除けば幅広く合わせることができます。
徳川幕府第11代将軍徳川家斉が好んで着たことから、その名がつきました。
普通の縮緬は、白生地に織り上げてから精練(膠質や不純物を取り除く工程のこと)、染色するところ、御召は糸の段階で精練、染色してから織り上げます。
この工程の違いにより、普通の縮緬とは異なる風合いとなり、張り、しゃり感が生まれます。
その工程からは織りの着物に分類されるものの、格は染めの着物と織りの着物の間とされ、少し特殊な位置づけといえるでしょう。
西陣御召
白鷹御召
塩沢御召
一方、織り模様のあるもの、無地でも紋を入れていないものは、外出着として着用します。
帯揚げ、帯締めは幅広く合わせられますが、御召の素材感との調和を考えると、金箔や金糸は使っていないか目立たないものの方が調和するでしょう。
帯揚げ、帯締めは、第一礼装、準礼装に合わせるようなものを除けば、幅広く合わせることができます。
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