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”かわいい”から”キレイ”へ 祇園甲部・豆沙弥さん 「令和の芸舞妓図鑑」vol.20

”かわいい”から”キレイ”へ 祇園甲部・豆沙弥さん 「令和の芸舞妓図鑑」vol.20

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写真家・小見直人さんは、花街で仕事をする傍ら、身近な芸舞妓さんの美しい表情や仕草を撮影することをライフワークとしています。そんな小見さんの作品で編む、きものと版「令和の花街図鑑」を通して、普段は見ることのできない彼女たちの魅力をお伝えします。今回は、祇園甲部の芸妓・豆沙弥さん。真夏の暑さも忘れさせてくれる涼やかな装いが素敵です。

2025.07.28

よみもの

上七軒の街並みに惹かれ、憧れの舞妓に 上七軒・さと葉さん 「令和の芸舞妓図鑑」vol.19

豆沙弥さん01

豆沙弥まめさや

 出身地:福岡県
  屋形:祇園甲部・亻(にんべん)
見世出し:2017年3月1日
ひとこと:編み物が大好きどす。今は暑おすので、ちょっとお休みさせてもうてるのどすけれど、何でもハマると一直線で(笑) 
一時は、寝る時も惜しんで編んでました。お洋服の時に持てるような鞄を作って愛用してます。

豆沙弥さん02
豆沙弥さん05
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ご本人コメント

「まめさん、こないだもただただ妹さんの自慢しまくってはりましたよ。あんなに溺愛されて大変ちゃいます?」

と小見さんが笑ってはりましたが、姉さんにはほんまにようしてもうてるなぁって思います。芸妓はんになったら「沙弥ちゃんは敵や~」なんて言われましたけど(笑)、酔うと「かわいい~」って言うてもうて、うれしおす。
記念撮影以外で、姉さんと一緒に撮影してもらう事がなかなかおへんので、次は姉妹で小見さんに撮ってもらいとおす。

撮影中、小見さんから何度も随分と印象が変わったと言うてもらいましたけど、芸妓はんになった途端に、そんなふうに言うてもらうことが増えました。まめ弥さん姉さんにも、

「沙弥ちゃんは舞妓はんの方が似合うと思ってたけど、芸妓はんになったら、やっぱりそういう年齢やったんやなぁ」

って言われました。一昨年、自前にならせてもうて、少しずつ大人になっていけたら……。

うっとこも仕込みさんがいはりますけど、(妹引くには)まだまだどす。まめ弥さん姉さんでも、名取さんにおなりやして初めて引いた妹がうちやったくらいどすし。お客様に常に喜んでもらえるよう努めて、お稽古もしっかりして、初心を忘れずに日々精進していきたいとおもてます。

豆沙弥さん07

手には、芸舞妓さんが夏のあいさつで配る「京丸うちわ」。祇園甲部では自前になると自身の家紋を入れるため、表には豆沙弥さんの家紋「剣花菱」が描かれている

豆沙弥さん08

亻さんの家紋でもある花菱の帯は、自前になった時の頂き物

豆沙弥さん10

濃い赤の帯揚げを幅広に見せるこなれた着こなし

夏着物では定番の萩の柄。「白抜きの萩が爽やかでいいと思います」と豆沙弥さん

豆沙弥さん11

撮影中、何度も満面の笑みを見せてくれた豆沙弥さん

撮影後記

僕がお世話になっている女将さんと、豆沙弥さんのお姉さんのまめ弥さんが大の仲良しということもあって、お見世出しの頃からよくお見かけしていましたが、舞妓さん時代はかいらしい(かわいい)感じだったのが、芸妓さんになって一気に色気が増してキレイになったので、だいぶ印象が変わりました。

実は、2年ほど前に知恩院さんで行われた大きな撮影会で芸妓さんになって初めて姿を拝見したときに、その変化に驚きました。驚くほど撮れ高があったので、いつかしっかり撮らせてもらいたいと思っていて、改めて本連載のための撮影をお願いしました。

カメラもパワーアップしたので、あのときよりいい写真が撮れるはずです、なんて話をしていると、「いつも綺麗やなぁって、インスタ見てます」と言ってもらえて、本当に光栄でした。コロナ禍中、あまりにも暇で始めたカメラでしたが、まさかこんなふうに仕事として個別の撮影ができるようになるなんて想像もしていませんでした。何が起こるか分からないものですね。

2023.01.30

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