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よそさんが挑む！京都迷宮への攻略物語『ぶぶ漬けどうどす』「きもの de シネマ」vol.65

よそさんが挑む！京都迷宮への攻略物語『ぶぶ漬けどうどす』「きもの de シネマ」vol.65

2025.06.02

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銀幕に登場する数々の着物たちは、着こなしやコーディネートの良きお手本。せっかくなら、歌舞伎やコンサートみたいに映画だって着物で愉しみませんか。今回ご紹介するのは、ガチ勢連載でもお馴染みの大西里枝さんが家業を継いだ「大西常商店」をロケ地とした、京都発のシニカルコメディ『ぶぶ漬けどうどす』です。

人々を魅了し迷わせる京都の奥の奥へ
説得力を生む室井滋さんの着こなし
変化を映し出す深川麻衣さんの3コーデ

「ぶぶ漬けどうどす」って言われたことも、ましてや言うたことなどいっぺんもありませんけど、みなさんはどうどす？
ごきげんよう、椿屋です。

東京でフリーライターをしている主人公・まどか（深川麻衣）は、夫（大友律）の実家である「澁澤扇舗」に住みながら、数百年の歴史を誇る老舗の暮らしぶりを「京都老舗赤裸々リポート」と題したコミックエッセイにしようと取材を重ねていきます。

普段着としての着物コーデが愉しめるなか、室井さんの前掛けや割烹着姿が本当に味わい深く、さすがの着こなしに惚れ惚れします。

所属事務所の名物社長・ふぐママ（一大事に遭遇すると頬がプーッと膨れ、ふぐそっくりになるのが渾名の由来）が、平成元年から毎年誕生日に着物を誂えてくれると教えてくださった室井さん。

出身地である富山にちなみ、前身頃に北陸新幹線を大胆に走らせた着物で凱旋した際には、「室井さん来られなくてもいいので着物だけ置いてってもらえないかな」と言われたこともあるとか（笑）

「劇中で2回だけ洋服が出てきます。お花を習いにいくというシーンだけ洋服なんですね。常は女将さんらしい割とシックなかんじの着物ですが、逆に、普段どういう格好してるんだろうね、なんて話し合って。洋服の趣味も着物チックな方がいいかもと、大きなサングラスかけて、ああいう服装になりました（笑）」

と、室井さん。どんなお稽古着になったかは、スクリーンでお確かめください。

映画と演劇が大好物で、モットーは「映画はひとり、劇場で」。2024年は試写作品合わせて267本の新作を鑑賞した本の虫（雑食）。京都歴・キモノ歴ともに20数年。映画ライター・グルメライターとしてKBS京都「SUNNY TIME」のコメンテーターをはじめ、関西テレビ「よ～いドン！」やMBS「魔法のレストラン」などメディアへの出演も多数。15年以上前から、国語講師との二足の草鞋を履いている。共著に『京都、朝あるき』（扶桑社）。