【 仕入れ担当 岡田より 】
小千谷の織元として有名な【 おだぎん 】の
代表をつとめる日本工芸会準会員の【 小田島克明 】氏による
経緯共に葛の蔓から採った繊維を用いた葛布八寸名古屋帯のご紹介です。
昨今中々ご紹介のかなわない100%葛を用いて
織り上げられた、シンプルな無地調子のデザインで、
夏の織のお着物、特に上布や自然布の帯におすすめのお品。
創作数が減少の一途を辿っておりますのでお探しの方、
お目に留まりましたら是非ご検討くださいませ。
【 お色柄 】
薄手でハリのある地風の帯地は、かなりくすんだ
薄藤鼠と亜麻色の杢無地となっております。
単衣、夏の織物にあわせて、自然素材の持つ
独特の表情をお楽しみいただける事でしょう。
【 葛布について 】
秋の七草にも数えられ、その根は生薬である葛根湯に、
生成されたデンプン粉は葛餅などに用いられる、日本人には
とても馴染み深い植物である葛を用いた織物。
「絹になく麻になく木綿にもまたない味い」
と柳宗悦が称賛した。
山野に自生する葛の靭皮(じんぴ)繊維を織り上げるため、
撚りにくく、裂けやすい、毛羽立ちやすい。
しかも200g(帯一本分)ほどの繊維をとるには、
10kg以上の生葛が必要で、他の自然布と同様に糸を
取るのに途方もない時間かかり、さらにその葛糸を
織るためには、高度な技術と精神力が必要とされるため、
経緯ともに葛糸を用いて織り上げられる本葛布は
大変生産数が少なく、希少である。
【 小田島克明について 】
日本工芸会準会員
小千谷縮・紬製造元・おだぎん代表
【 経歴 】
1957年 新潟県小千谷市生まれ
1983年 生家へ戻り徳間通久、父・小田島吉平に師事
全国新人染織展初入選<以後3度受賞>
1992年 父の死去に伴い工房を引き継ぐ
1993年 小千谷縮「蜻蛉」にて全日伝統工芸品展に於いて入賞
「小田島裂織」発表
1995年 「ぜんまい裂織」発表
1996年 京都キモノグランプリ 裂織訪問着「北越晩秋」入賞
1997年 「小田島原生布」発表
2000年 東京にて作品展開催
「野繭紬」発表
2002年 第1回全国裂織展 裂織帯「遁走曲」入選
「ワイルドシルク裂織」発表
2003年 全国伝統的工芸品展 「最極上小千谷縮段識」入選
「墨泥染」発表
2004年 2004大阪工芸品展 寿小千谷縮「つなぎ織」入選
朝日現代工芸クラフト展入選
2018年 第58回東日本伝統工芸晨 寿小千谷縮「彩雪」入選
現在「日本工芸会」準会員及び「標の会」会員
経糸:葛100%
緯糸:葛100%
長さ約3.6m(お仕立て上がり時)
こちらの帯は長尺ですので、仕立て上がりの長さを3.8mまでご指定いただけます。
※ご指定のない場合は弊社標準の約3.6m前後で仕立て上がります。
柄付け:全通柄
【 付属証紙 】
小千谷織物同業協同組合・小千谷織物
製織:おだぎん 小田島克明
※素材の性質上、フシによる凹凸組織の変化、色の濃淡などございます。
風合いであって難ではございませんので、その点ご了承くださいませ。
◆最適な着用時期 6月から9月の単衣、盛夏の時期
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 和のお稽古、芸術鑑賞、ご友人との気軽なお食事、街歩き など
◆合わせるお着物 夏御召、夏紬、上布 など