お手にとっていただければきっとおわかりいただけることと思います。
緻密な織技法による滑らかな帯地、
その風合いだけでもただならぬ洒落感を漂わせます。
いつもの礼装用とは違い、全通で織り上げられた洒落袋帯です。
礼装用の帯は年々値崩れしておりますが、
洒落用は制作数が極端に少ないため、お値打ちに出会えることはございません!
『美術織物』という概念を世に浸透させたその力量。
龍村美術織物ならではの織の表現を是非ご覧くださいませ!
逸品と呼べる数々の創作品を世に輩出しております『龍村美術織物』。
龍村美術織物は、染色工芸に対する功績により、
美術院恩賜賞を受けた初代龍村平蔵の創業に始まります。
古代織物の研究、及びそれを基盤とする織物美術創作の伝統を受け継ぎ、
世界的に認められる美術織物を世に送り出しております。
今回ご紹介させていただきますのは、龍村美術織物の中でも
お茶席向きのおさえたお色使いのハイセンスな一品。
≪経錦(たてにしき)≫
経錦とは、何色もの彩色を用い紋様を織り出す、
錦の中でも最も古い歴史を持つ織物です。
中国より渡来し、7~8世紀の飛鳥・奈良時代の
遺品は、法隆寺や正倉院に伝えられています。
経錦の技法は、経糸によって地の文様も織り出されて
いる錦です。つまり、三色の配色によるものであれば
三色三本の経糸を一組として、これが互いに
表裏浮き沈み交代して、地や文様を織り出しています。
銘『 チャンカイの申 』
先インカの染織は、実に多彩な技法を開発し、華麗さと渋さを併せ持つ
感覚の幅を示しています。また豊かな色彩表現と共に意匠に表わされた
様々な形は、写実的なものから始まり、形をいくつかの要素に分解し、
組合せて最後のパターン化してしまう程に千変万化された大胆な抽象力と、
ユーモラスな人間味豊かなものです。
この文様は、ペルー国の首都リマ市より北方海岸80キロメートルにある
チャンカイ川流域を中心として、先インカ文明の最後の地方文化として栄えた
チャンカイ文化の染織である、猿と幾何文様を組合せ集約したもので、
これを経錦の織法でおりあげた異色の文様の錦であります。
シンプルで洒落味にあふれた面持飽きのこない、
味わいある帯姿を演出してくれます。
金糸を用いずに織り出された、味わい深い文様。
和洋を問わず、古の裂、レリーフ、文学など、多岐多様な分野から
インスピレーションを受け、生み出されたそのデザイン。
それを一条の帯に表現するために、緻密に計算された
配色の妙と、織の確かさ。
訪問着、付下げ、色無地、小紋などのお着物とあわせて。
この風情、次代に受け継ぐにふさわしき風格をご堪能くださいませ!
お手元で末永くご愛用いただけましたら幸いでございます!
絹100%
長さ約4.35m (お仕立て上がり時)
西陣織工業組合証紙No644 龍村美術謹製
耳の縫製:袋縫い
全通柄
※帯芯付き
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン カジュアルパーティー、付き添い、お茶席、お稽古事、音楽鑑賞、観劇、お食事会など
◆あわせる着物 色無地、小紋、織りの着物など