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初詣で着物を着よう!おすすめの柄や注意点を解説

初詣で着物を着よう!おすすめの柄や注意点を解説

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初詣は、普段着物を着慣れない人も着物を楽しむチャンスだと言えます。新年のおめでたい日のお出かけに着物で華を添えましょう。初詣におすすめの着物の種類や柄、また、着物の着こなしで注意すべき点などをご紹介いたします。

新年初めての行事として初詣を楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。

普段着ではなく、新しくおろした服やフォーマルなお洋服で出かける人もいますが、せっかくの初詣の機会に着物を着てみるのはいかがでしょう。神社やお寺にお参りをする初詣は、着物を着るのに最適なシチュエーション。普段は着物を着ないという人にもぴったりの機会です。

そこで今回は、初詣におすすめの着物と帯、また着物の着こなし方について紹介いたします。

初詣におすすめの着物・帯を紹介

着物を着るときのハードルのひとつになってしまうのが、着物のルールやマナー。

着物を着るシチュエーションはさまざまにありますが、定番の結婚式や入学式、卒業式などのフォーマルな場面では特にルールやマナーが重視されることもあり、着物を避けてしまう人も多いことでしょう。

また本来であればお出かけなどで着物を普段使いしても全く問題はないのですが、普段着として着物を着用する方は少なく、どうしても着物を普段使いすることに躊躇(ちゅうちょ)してしまう方も多くいらっしゃいます。

そこでおすすめしたいのが、「初詣」での着物の着用です。

初詣は特別な行事だと捉える人が多いですが、着物の着用には厳しいルールやマナーが存在しないため、着物に慣れていない人も楽しみやすい機会でもあります。

まずは、初詣におすすめの着物の種類や柄をご紹介いたします。

初詣を彩るおすすめの着物&帯

初詣に着る着物の種類は?

初詣に着る着物の種類は?

着物にはいくつかの種類がありますが、格式ごとにわけると区別しやすいでしょう。
以下の表の通り、着物はの格は大きく4つに分けることができ、その中でも細かく着物の種類が分類されています。

礼装着(第一礼装) 打掛、黒留袖、本振袖、喪服など
略礼装着(準礼装着) 色留袖、訪問着、付け下げ、振袖、色無地、江戸小紋の紋付など
外出着 付け下げ小紋、小紋(友禅)、小紋、紬の訪問着、無地の紬、絞り、お召、更紗など
街着・普段着 紬、絣、黄八丈、ウール、銘仙、木綿、浴衣

※厳密には、家紋の数などによって格は変化します

1年の始まりである初詣に振袖姿で出かけるのも良いですし、振袖は少し華やかすぎるという場合には「略礼装着」や「外出着」の着用も可能です。

中でも初詣におすすめなのは、「小紋」。
小紋はカジュアルな装いでありながら柄や色は華やかなので、初詣のお出かけにもぴったりです。

初詣を彩るおすすめの着物&帯

小紋は色や柄が豊富で、華やかなものが多いため、好みに合わせて選ぶことができます。
また帯の合わせ方によって印象を変えることができるので、コーディネートの楽しみも幅広く満喫いただけます。

通販でも買うことができる、初詣におすすめの小紋をピックアップしてご紹介します。

・おすすめ着物1. 特撰正絹友禅小紋「梅芳香」

おすすめの着物一着目は、一面に梅の柄が施された大人かわいい小紋です。

鴇浅葱(やや灰色がかった紅色)と白を使った紅白の色合いの着物は、初詣にもぴったり。

明るすぎないくすみ系の赤みカラーは華やかながら上品さもあり、観劇やお茶会など、初詣以外のシーンにも活躍しますね。

・おすすめ着物2. 特選創作小紋「水明」

おすすめの着物二着目は、絞り染めの世界で有名な作家である、絞り工芸作家・吉乃一廉氏の作品です。

清く澄んだ水の中の世界を表現したような、美しい彩りと煌めきにあふれた無地感覚の小紋。銀糸がふんだんに織り込まれた銀通しの紋意匠地は、見る角度によってキラリときらめき、新春のムードにもぴったりです。

透明感を引き立ててくれるような着物は、新年を迎える晴れやかな心持ちの初詣の日に似合います。

・おすすめの帯 西陣織の名古屋帯

「染めの着物に織りの帯」の言葉の通り、染めの着物に織りの帯の相性はまず間違いないもの。こちらでは、西陣織の名古屋帯をおすすめします。

写真のような明るい白色系の帯は、差し色として着物姿を華やかにしてくれます。
またシンプルながらも優しい色彩で宝尽くしの意匠があらわされた帯は、どんな着物にも合わせやすいですよ。

西陣織の名古屋帯は他にも種類が豊富で、お手持ちの着物に似合うものがきっと見つかるはず。
初詣の日にぴったりの、お気に入りの一点を探してみてください。

初詣におすすめの着物の柄は?

初詣におすすめの着物の柄は?

初詣で着物を着用する際には、着物や帯の柄に関しても基本的にはルールは存在しませんので、どのような柄を選んでいただいても構いません。
ですが、せっかくの初詣ですので、縁起の良い柄の着物や帯を選んでみてはいかがでしょうか。

ここからは、初詣にふさわしい縁起の良い柄とその意味をご紹介します。
柄に込められた意味を知って、“粋”な着物選びを楽しんでみてください。

・宝づくし

着物や帯に施される“めでたい”柄のことを「吉祥文様」と呼びますが、この宝づくしも代表的な吉祥文様のひとつです。
縁起の良い宝物を具象化して集めた模様で、宝物の種類によって込められる意味も異なります。

・鶴

「鶴は千年」と言われるように、鶴は昔から長寿の象徴として親しまれてきました。
また、鶴はつがいで仲良く一生を添い遂げる様子から、夫婦円満の象徴でもあります。
初詣をはじめ、結婚式でも定番の柄です。

・松竹梅

縁起の良い、おめでたい柄と言えば、この松竹梅を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。現代では「松>竹>梅」という格付けで使用されることも多いですが、本来は松・竹・梅の3つに優劣はありません。

千年もの寿命があり、一年中葉の色が変わらないことから「常盤木(ときわぎ)」とも呼ばれる「松」は「長寿」の象徴。
また「竹」は、3か月ほどで親と同じ高さまで成長し1年中枯れることなく新芽をだすことから「子孫繁栄」の象徴、そして厳しい寒さの中でも一番に春を告げてくれ、菅原道真が愛したとされる「梅」は「気高さ・清廉さ」の象徴とされています。

まさに初詣にぴったりのおめでたい柄ですね。

・扇

扇は末広がりの形をしていることから、縁起の良い柄であると言われています。
「末広がり」が縁起が良いとされるゆえんは、末が広がっていくように未来への展望が明るいということから来ており、1年の多幸を祈る初詣にもぴったりの柄です。

・桜

桜は言わずと知れた日本の国花であり、着物の柄としても人気の柄です。
サクラはもともと、“サ”=「田んぼの神、穀物の霊」、“クラ”=「神様のいる場所」を意味する言葉であり、「五穀豊穣」の象徴として親しまれていました。
また、桜は春を代表する花でもあることから、「良い物事の始まり」を意味する柄でもあります。
春先に着用するイメージがある桜柄の着物ですが、初詣のシーズンにも着用できますよ。

桜柄の着物が着られる季節とは

幅広い年齢層から人気を集める桜柄の着物。桜柄と言っても種類はさまざまで、着用できるシーンや着こなし方が変わるとされることもあります。今回は桜モチーフの着物や帯に焦点をあてて、着こなしの注意点をご紹介いたします。

・牡丹

牡丹も、着物の柄として人気が高い花です。
「立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹、歩く姿はユリの花」と言われるように、牡丹は「女性の美しさ」を表す花と言われています。
花弁が大きく、花びらの枚数も多いことから、「高貴さ」や「富貴さ」を表すとも言われます。

・椿

椿は、現代においてもヘアオイルや化粧品に使われていますが、昔から化粧品や長寿の薬として使用されていました。
このことから、椿は「神聖さ」や「高貴さ」をあらわす花とされており、初詣のように神聖な場所に訪れる際にも最適な柄です。
華やかな柄なので、初詣のお参りの着物として彩りを添えてくれます。

初詣で着物を着るときに注意すべきポイント

ご家族やお友達とお出かけする方も多い初詣ですが、着物でのお出かけに慣れていない人はいくつか注意しておきたいポイントがあります。
初詣の日を有意義な一日にするためにも、次の注意点を覚えてきましょう。

1. 袖の長い着物に要注意

袖の長い着物に要注意

初詣で着る着物にはルールやマナーは基本的にありませんが、着物に慣れていない人は避けた方が良いものもあります。

例えば、袖の長い着物は初詣の人混みでどなたかに踏まれてしまったり、階段を上る際に引きずってしまったりしてしまうことがあります。
袖の長い着物=振袖は、大変華やかで新年を迎える初詣での着用もとても良いものですが、着物慣れしていない方には、袖が短めの着物(小紋など)を選ぶと安心かもしれません。

2. 着付けのスケジュールを確認

着付けのスケジュールを確認

一人で着付けをするのが難しい場合や、ご家族に着付けを頼めない場合は、美容院や着付け師の方に頼む必要があります。
しかし、元旦にはお店を閉めているところも多いうえ、営業しているお店であっても、他のお客様の予約がいっぱいで着付けの予約が取れないことも考えられます。
初詣に着物を着ることを決めている方は、早めに着付けの予約を取るように心がけましょう。

3. 着崩れしない着付けを!

着崩れしない着付けを!

神社や寺院の中を歩いて回る初詣はどうしても着物の着崩れが起こりやすいです。
特に、着物慣れしていない方は着崩れを起こす可能性が高いため注意するようにしましょう。

具体的に注意したいポイントは着物の裾です。
着物の裾は草履よりほんの少し上の位置で着付けますので、自分で踏んでしまったり、人混みの中で他の方に踏まれてしまったりすることで、簡単に着崩れしてしまいます。
慣れていない方は裾を少し短めに着付けてもらったり、階段を上る際には意識して、着物の太ももあたりで裾を少し持ち上げるようにしましょう。

4. 寒さ対策ができているか

寒さ対策ができているか

初詣は一年でも寒い時期の行事。防寒対策は必須です。

まずは、初詣に着る着物はきちんと冬用のもの(=袷)を選びましょう。
加えて、和装コートや羽織などを重ねて着用したり、カイロなどで対策を行い快適に過ごせるようにしましょう。

加えておすすめは、膝下の寒さ対策です。
着物を着る際に着用する足袋はくるぶしまでしか高さがないことと、歩く際に着物の裾から冷気が入り込み肌寒く感じてしまいます。和装用のストッキングやレギンスを着用するなども良いでしょう。

5. お手洗いを事前に済ませておくこと

着物を着る際に、お手洗いに不安を感じる方も多いと思います。
着物を着用時のお手洗いでは、着物が汚れないように気を付けたり、着崩れしないようにしたりしなければいけません。

特に初詣などのイベントでは、お手洗いに1時間以上の長時間並ぶ必要があることも多々あります。慣れない着物で長時間列に並ぶことは想像以上に大変ですので、お手洗いはできるだけ事前に済ませておくようにしましょう。

まとめ

初詣での着物の着用には、厳しいルールやマナーは存在しません。
初詣に着物を着る際には、ご紹介した注意点に気を付けながら、着物での初詣をより快適にお楽しみください。

他のシチュエーションに比べて着物を着用しやすい初詣。ぜひ心も晴れやかに、一年のはじまりを着物姿で満喫いたしましょう。

着物の柄の種類や選び方については以下の記事でも詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。
小紋・江戸小紋とは?柄の種類や選び方【着物の種類 基本中のき!カジュアル編②】

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