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七五三の着物で必要なものとは?三歳の女の子におすすめの着物を解説!

七五三の着物で必要なものとは?三歳の女の子におすすめの着物を解説!

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一生に一度しかない七五三のお祝い。着物姿でのおでかけを考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。特に女の子は華やかな着物で、一生の記念となる日にしたいですよね。今回は三歳の女の子の七五三にフォーカスして、着物を着るために必要なものやおすすめのコーディネートをご紹介いたします。

お子様の健やかな成長を願う、七五三の行事。せっかくですからお子様と一緒に着物でおでかけをしたり、記念写真を残したいと考えている親御さんも多いのではないでしょうか。
七五三が本格的な着物デビューになるご家庭もあり、特に女の子は、華やかな着物姿で歩かせてあげたいですよね。
女の子の場合、三歳と七歳とで着物や小物に違いがあります。
今回は、七五三の着物で「三歳の女の子に必要なもの」と「おすすめの着物」についてご紹介いたします。
お子様のはじめての着物として、またご姉妹のことを考えて一着着物を買ってあげるのも良いですし、一度きりならレンタルという方法もありますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

七五三の着物で三歳の女の子に必要なものは?

着物

女の子の七五三の着物と言えば、三歳は「三つ身に被布(ひふ) 」を、七歳は「四つ身」を着用するのが一般的です。
今回は、三歳の女の子の着物に必要なアイテムをご紹介いたします。
七五三の着物は、同じ和装でも浴衣や甚平よりも必要なアイテムが多いので下のリストを参考に揃えてみてください。。
三歳の女の子の七五三の装いでは、着物と被布に合わせて下記の小物が必要です。

  • 着物
  • 長襦袢
  • 被布
  • 肌襦袢
  • 腰紐
  • 兵児帯
  • 足袋
  • 草履
  • 巾着
  • 髪飾り

それぞれの役割を解説いたしますので、使い方を覚えるとともにご自宅にあるのかも確認してみましょう。

着物

三歳の女の子の場合は、「三つ身(みつみ)」と呼ばれる着物を着用します。
「三つ身」とは2歳〜4歳ごろの女の子が着用する着物で、2歳頃までの女の子は「一つ身(ひとつみ)」、4歳から12歳ごろまでの女の子は「四つ身(よつみ)」と呼ばれる着物を着用するのが一般的です。
それぞれサイズが異なる着物ですので、できる限り年齢に合わせた着物を着用することが望ましいとされています。
七五三はお祝いの日でもあるので、華やかな三つ身を準備してあげましょう。
デザインや色が豊富なので、お子様の好みに合わせて選ぶのがおすすめですよ。

当日は着替えを用意しておくと安心

七五三で三歳の子どもに着物を着せてあげる場合、当日は着慣れた服を準備しておきましょう。
三歳の女の子にとって着物は慣れない服装です。
七五三というイベントの緊張や慣れない服装にいつもより疲れてしまったり、脱ぎたくなる可能性があります。
ですので、七五三でお参りをする場合には、着慣れた普段着を用意しておき、いざという時に備えておくと安心です。

着物

長襦袢(ながじゅばん)

長襦袢は、肌が直接着物に触れることを防ぐため肌襦袢と着物との間に着用します。
子ども用のお祝い着は、着物と長襦袢が一体化しているものが多く、半衿や重ね衿は着物に付いているものが大半です。
そのため、必要な場合のみ準備しましょう。

長襦袢

被布(ひふ)

七五三の三歳の女の子の着物で特徴的なのが、この被布(ひふ)です。
被布は着物の上から着る衣装で、三歳の女の子の晴れ着で使用します。
三歳の女の子はまだ小さいため、大人用の着物と同じように帯を締めるのはかわいそうなので、帯ではなく被布を合わせるのが一般的です。
被布を羽織ることで着物に無邪気な子供らしさがプラスされて、可愛らしい仕上がりになりますよ。

被布

肌襦袢(はだじゅばん)

肌襦袢は着物の中に着る下着(肌着)です。
着物にとって汗や皮脂の汚れは大敵で、シミやカビの原因になってしまいます。
汗をかきやすい子どもの着物には必須ですが、着慣れない場合は普段から使っているシャツなどでも代用できます。

肌襦袢

腰紐(こしひも)

腰紐は着物や長襦袢などの着付けの際や、おはしょりを作るのに必要な小物です。
腰紐は細いものから広いものまで様々で、ナイロンや絹でできたものもあれば、コーリンベルトもあります。
七五三の着物には、柔らかい素材で締め付け感が弱めのものがおすすめです。

兵児帯(へこおび)

兵児帯は、薄く柔らかい生地でできている帯で、一般的な帯よりも緩く固定ができるため、子どもの着物や浴衣の着付けで使用されます。
結び方は、胴で2~3周巻き付け、後ろで蝶結びをするだけなので簡単です。
三歳の女の子の七五三の場合、被布を着用するため兵児帯そのものが見えることはありません。
これからお祭りで浴衣を着る予定がある場合などは、一つ持っておくと使い回しができますよ。

兵児帯

足袋(たび)

いわゆる靴下にあたる衣装で、草履を履く際に着用します。
七五三の着物には一般的に白色の足袋を合わせますが、柄入りのものなどを合わせてもOKです。
三歳の子だと履き慣れない足袋を嫌がる場合があるので、履きやすい伸縮性の高いタイプのものを選んであげると良いでしょう。

七五三の際には靴下の用意もしておくと安心

足袋は滅多に履くものでもないため、気持ちが悪いというお子様も少なくないです。
草履を履く場合は5本指ソックスなどでも代用ができますし、すぐに足袋を脱いでしまう場合は普段から履いている靴下を用意しておくと安心です。

草履(ぞうり)

七五三の着物の足元は草履が一般的です。
新品をおろしたり、履き慣れない草履を履いたりする場合は足が痛くなる可能性があります。
事前に鼻緒をゆるめておくこと、数日前から少しずつ履き慣らしておくことを意識しておくと良いでしょう。
また最近では七五三の着物にブーツを合わせるコーディネートも主流になっています。
お子様の好きな方を選んであげましょう。

七五三当日はスニーカーや絆創膏が必須!

事前の準備を十分にしていても、当日にアクシデントが発生することもあります。
そのため、七五三当日はスニーカーなどの履き慣れた靴で移動を行い、草履を履く時間は最低限に減らすことや、擦り傷などができてしまった場合に備えて絆創膏を用意しておくようにしましょう。

草履

巾着(きんちゃく)

巾着はバッグ代わりに着物に合わせて持ちます。
三歳の女の子の場合、持ち物は親御さんが持つことになり中身は空のこともありますが、持つだけで着物姿や写真写り華やかにしてくれますよ。
手持ち無沙汰になってしまうので、撮影小物として持たせてあげても良いでしょう。

巾着

髪飾り

七五三に着物を着るときには、髪飾りをつけてあげると特別感がアップします。
着物に似合うちりめん素材やつまみ細工を使ったものが一般的ですが、どんなものを合わせてもOKです。
お子様が一番かわいく見える髪飾りを選んであげましょう。
ショートヘアの子の場合、カチューシャやヘアピンだと簡単に華やかにできますよ。

七五三にはヘアピンを持っていくと便利

せっかくの髪型が崩れてしまったり、髪飾りがとれてしまうことも考えられます。
応急処置としてヘアピンが使えることはよくありますので、七五三当日には何本か持っていっておくと便利となるでしょう。

髪飾り

七五三の着物の着付け方

では実際にお子様に七五三の着物を着せる手順を見ていきましょう。

慣れない着物姿でお子様が転んでしまったり着物を汚してしまったりしないよう、動きやすく崩れにくい着付けをしてあげることが大切です。

着付けの前には必ずお子様のトイレを済ませておきましょう。
また、ヘアアレンジやメイクを行う場合も着崩れ防止のために着付け前がおすすめです。

三歳の女の子の着付け手順

三歳の女の子に着物を着せるときは、次の手順で進めましょう。

1.肌着(下着)を着せて、足袋を履かせる

被布を着せる

着物を着せる前に肌着(下着)を着せて準備します。
肌着は普段着用しているもので大丈夫ですが、着物を着たときに襟元から見えないものがおすすめです。
着付けをしてからでは屈むのが難しいので、足袋も先に履かせておきましょう。

2.長襦袢を着せる

長襦袢を着せる

肌着(下着)の上から、長襦袢を羽織らせます。
長襦袢の背中側の真ん中にある縫い目と、お子様の背中の真ん中を合わせて、左前になるように前で合わせます。
襟元の形と長さを調整したら、腰紐をちょうちょ結びにして固定します。
お子様が転んでしまわないよう、裾は短めにしてあげるのがおすすめです。
シワなどができた場合は、この時点で直しておきましょう。

3.着物を着せる

着物を着せる

長襦袢の上から、着物を羽織らせます。
長襦袢と同じように、背中側の真ん中にある縫い目をお子様の背中の真ん中に合わせます。
長襦袢の袖を着物の袖の中に入れて重なるように整えます。長襦袢の衿が後ろからは見えない、正面からは少し見えるように着物の衿を合わせましょう。

着物に備え付けられた仮紐(正面から見て左側の紐)を身八ツ口に通したら、両方の紐を後ろから前に回して、正面でちょうちょ結びをします。
着丈が長い場合は、腰紐のあたりを引っ張り出して、おはしょりを作って調整します。

4.被布を着せる

被布を着せる

最後に被布を被せるように着せたら着付けは完了です。
裾や袖から長襦袢が見えていないかチェックしましょう。

三歳の女の子におすすめの着物紹介

では、実際の七五三のおでかけで三歳の女の子におすすめの着物を見てみましょう。
初めての娘の晴れ姿、どんな着物を着せたら良いか迷っているパパ・ママは参考にしてみてください。

三歳の女の子におすすめの着物紹介

定番の赤色を使った七五三の着物コーディネート

女の子の七五三で定番なのが赤色の着物です。
古くから赤色は魔除けなどの意味があり、子どもの成長を願う七五三にもぴったりです。
三歳の女の子なら、たくさん柄が入っている着物を選んで、華やかでかわいらしい印象に仕上げてあげましょう。
被布は白色や薄いピンク色がおすすめです。
赤色の着物が映えますし、柄入りの着物でもケンカしないので相性ばっちり。
髪飾りは、着物と同じ赤色や、着物に使われている柄の色のものを選んであげましょう。

七五三のお出かけ当日にあると便利なものは?

慣れない着物でのお出かけは、いつも以上にハプニングが起こりやすいです。
お子様に楽しい七五三の一日を過ごして思い出を残してもらうために、事前に準備しておきたいものをご紹介します。

1.着替え

お子様が着物を窮屈に感じてしまい「脱ぎたい」と言ってしまう可能性もあります。
写真撮影などをした後は着替えができるよう、普段着を持っていると安心。脱いだ着物を入れておける大きめのバッグや袋も準備しておきましょう。

着替え

2.靴と靴下

慣れない足袋と草履でのお出かけは、靴ずれなどが原因で足の痛みが出てしまう子も少なくはありません。パパママの必須アイテムである絆創膏と合わせて、普段は着慣れた靴と靴下も準備しておきましょう。
着物に靴は少し不格好にも思えるかもしれませんが、お子様が楽しい七五三の思い出を残してくれることが何よりですよね。また、草履は走り回ると転倒しやすいので、安全のために履き慣れた靴でのお出かけを選ぶのも手段の一つです。

靴と靴下

3.食事用のエプロンとストロー

お出かけで外食をされる場合は、せっかくの七五三の着物を汚してしまわないように食事用のエプロンを準備しておきましょう。また飲み物を飲むときに使えるストローもあると便利です。
着物は汚れしてしまうとお手入れが大変なので、できるだけ汚れないように準備しましょう。

食事用のエプロンとストロー

4.ヘアピン

へアメイクは時間の経過とともに崩れてしまいます。
ヘアピンを持っておくと崩れた時の応急処置が可能です。

ヘアピン

5.洗濯バサミ

着物でのお出かけに意外と役立つのが洗濯バサミです。
裾や袖が長い着物では、何かに引っかかってしまったり、引きずってしまう可能性があります。
お子様のお食事トイレの際には洗濯バサミで裾や袖を留めてあげましょう。

洗濯バサミ

七五三の由来は?

七五三は着物を着ておでかけするというのが一般的になっていますが、そもそも由来はどこにあるのでしょうか。
なんとなくイベントとして七五三をお祝いするのではなく、伝統行事の意味を知って、ぜひお子様にも教えてあげましょう。

七五三に歴史あり室町時代から続く伝統行事

七五三に歴史あり!室町時代から続く伝統行事

まず七五三の起源についてですが、その歴史は古く今から600年ほど前の室町時代にあるとされています。
この時代の日本では、生まれてくる赤ちゃんの約半数が生後すぐに亡くなってしまいました。
そのため当時は「七歳までは神の子」とされていて、幼い子どもが亡くなると「神様から預かっていた子どもお返しする」と捉えられていました。七歳になることで一人前の人になれるという意味を込めて、生まれてすぐにではなく一定期間をおいた時期に今の七五三にあたるお祝い事が行われていました。

その祝い事が、明治時代を境に全国的に七五三として浸透していきます。
初めは関東地方での行事でしたが、室町、戦国、安土桃山、江戸、明治と時代が流れていくとともに関西にもこの文化が広まっていき、現在のように日本全国に浸透しました。

11月15日に七五三が行われる由来は?

11月15日に七五三が行われる由来は?

一般的に11月15日が七五三の日としてカレンダーなどにも記載されることが多いですが、なぜその日なのでしょうか。
七五三が11月15日に行われる理由には諸説あります。

説1.二十八宿の鬼宿日(にじゅうはっしゅくのきしゅくにち)説

日の吉凶を占う方法の一つとして「二十八宿」というものがあります。
現代で言う占いのようなもので、弘法大師が中国から持ち帰り広めたことで、江戸時代には多くの人から信じていました。
鬼宿日というのは二十八宿で最良の吉日とされており、江戸時代に使われていた二十八宿において11月の寄宿日が15日であったことから、吉日である11月15日に七五三を行ったとされています。

説2.徳川綱吉(徳松)の健やかな成長にあやかった説

徳川第5代将軍綱吉が健やかに成長することを祈ったという説もあります。
徳川綱吉(幼名・徳松)は、幼い頃は非常に体の弱い子供だったため、健やかに成長するようにと祈りを込められて儀式が執り行われたそうです。
その日が11月15日だったということにあやかり、それ以降子どもの成長をお祝いする七五三を11月15日にしたという説があります。

説3.氏神様への収穫の感謝を兼ねた説

11月には新嘗祭(にいなめさい)を開催する神社が多いように、昔から秋の実りを神に感謝する月として定められていました。
その上旧暦の15日は十五夜と呼ばれてほとんどの日が満月であったため、11月15日は収穫感謝の祭りを行う大切な日とされていました。
氏神様に収穫の感謝をする側、七歳までは神と考えられている子供の成長を感謝し、より一層の御加護を祈ったというのが、3つ目に考えられている説です。

説4.出雲大社に神が集まることにあやかった説

4つ目は、出雲大社に神が集まることにあやかったという説です。
旧暦の10月(神無月:かんなづき)出雲では神在月(かみありづき)と呼ばれ、神様が集まる月とされていました。
旧暦では10月ですが明治以降の新暦ではこの神在月が11月にあたることが多いということから、神が集まる11月が縁起の良い月とみなされ、七五三の七・五・三の数字を足し合わせた15日に七五三が行われるようになったというのが4つ目の説です。

三歳五歳七歳で催しを行うのはなぜ?

三歳・五歳・七歳で催しを行うのはなぜ?

ではなぜ三歳、五歳、七歳の年齢で催しを行うことになったのでしょうか。
七五三が広まる前は、子どもがそれぞれの年齢になったときに「髪置(かみおき:髪置の儀)」、「袴着(はかまぎ:着袴(ちゃっこ)の儀)」、「帯解(おびとき:帯解の儀)」を行ってお祝いしていたことが七五三につながったとされています。
節目に成長を祝うことで、子どもの長寿と幸せを祈願したと言われています。
医療が発達していくなかでも、親が子どもを思う気持ちは変わらず、節目の行事が七五三として受け継がれたというわけです。

まとめ

今回は、子供の成長を記録する上でも大切な行事である七五三で準備しておきたい着物について解説いたしました。
三つ身の着物や被布などの準備はもちろんですが、三歳の女の子だと着慣れない和服に違和感を感じることも多いので、日頃から着慣れている洋服を準備して七五三のお参りに向かうがおすすめです。
一生に一度しかない七五三というお祝いの日を良い思い出にするためにも、準備は万全に整えてあげるようにしましょう。

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