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芸妓であれる日々に感謝 宮川町・千賀遥さん 「令和の芸舞妓図鑑」vol.18

芸妓であれる日々に感謝 宮川町・千賀遥さん 「令和の芸舞妓図鑑」vol.18

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芸舞妓さんの素顔を切り取ることに定評のある写真家・小見直人さんの作品で編む、きものと版「令和の花街図鑑」。彼女たちの何気ない仕草や思わぬ表情を見逃がさない小見さんの写真を通して、芸舞妓さんの素顔に迫る連載です。今回は、宮川町の芸妓・千賀遥さん。2020年12月に衿替えをして、すっかり落ち着いた雰囲気で魅せる自前さんの登場です。

2025.02.15

よみもの

憧れを胸に埼玉から京都へ 宮川町・富美唯さん 「令和の芸舞妓図鑑」vol.17

千賀遥さん02

千賀遥ちかはる

 出身地:茨城県
  屋形:宮川町・駒屋
見世出し:2015年12月10日
ひとこと:宮川町はお母さん方、お姉さん方もアットホームであったこぉおす。お座敷でもお稽古事でも、自分の出来る範囲で毎日一所懸命に努めたいと思てます。

千賀遥さん
千賀遥さん08
千賀遥さん06
横顔も美しい
桜の下で

ご本人コメント

ずっと撮ってもらいたかった小見さんからお声がけいただいて、ちょっと緊張しながら、気合い入れてお化粧しました。ちょうど桜の開花宣言後の撮影やったので、一番好きな桜のお衣装で撮ってもらえる!と嬉しい気持ちでいっぱいどした。

うちはお花の中でも桜が何より好きなので、自前さんになったときにあるお姉さんからいただいたこのお着物が一番のお気に入りどす。桜は咲いたと思たらあっという間に散ってしまうので、その貴重な桜が咲き誇っている柄が綺麗で、裾にかけて散る花びらも映えるお衣装なんどす。

お花メインで枝やらは墨色の暈しになっているので、シンプルどすけど印象的でもありますね。着物の地色も薄い色が好みなので、大切に着させてもろてます。大好きなお衣装で撮影してもらえて、ほんまに嬉しく思ってます。
お着物の良いところは、お袖を通して帯を締めると気持ちがシュッとして、「今日も頑張ろう!」って気になれるとこどす。

自前さんになって4年目になり、自分の時間が持てるようになったので、お稽古のない日やお休みの日には美術館めぐりや、舞台を観に行ったりしています。歌舞伎や劇団四季、宝塚歌劇団にミュージカル……とにかく気になったものは観に寄せてもろてます。

最近は、新歌舞練場の工事の進み具合を見ながら、11月上旬に開催される「杮落し公演」や来春の「京おどり」など、新しい舞台にたくさん立てたらええなぁと思てます。そのためにはお稽古せんならんのどすけど、芸事も好きなので、楽しくお稽古場にいられるだけで幸せどす。芸妓になって、自前さんになれて、ほんまによかったと思てます。

千賀遥さん04

乳白色の絹地にたおやかに浮かび上がる桜木の意匠

千賀遥さん07

千賀遥さん曰く、「帯も着物とセットで頂いたもの。この組み合わせがお気に入りどす」

千賀遥さん09

和傘を差す姿も一幅の画のよう

千賀遥さん10

キリリとした印象の麻の葉模様に、桜・椿・藤など季節の花木が描かれた帯

令和の芸舞妓図鑑

ころころと、まさしく“鈴を転がすような笑い声”が魅力的な千賀遥さん。それはぜひお座敷にて

撮影後記

今年は新歌舞練場の開場準備に伴って「京おどり」が休止のため、こんなに静かで穏やかな3月末を過ごすのは初めてで落ち着きません。

実は、私事ですが、いま腰を痛めていて、コルセットを着用しています。例年ならこの時期にギックリ腰になんてなったら、「あんた舐めてんのか!」と叱責されてもおかしくないくらい、「京おどり」前は一年で一番忙しい季節。

いつも大ざらえや衣装合わせの撮影をさせていただいているので、この腰では使い物にならなかったと思うだけで冷や汗が出ます(苦笑)

今回初めてモデルをお願いした千賀遥さんは、衿替えをされてからどんどん美しさに磨きがかかる自前さんです。舞妓から芸妓になる際に舞われた「黒髪」の動画を持っているのですが、彼女の踊りを見ていると気持ちよく酔えるので、酒のアテにしているほどお気に入りです(笑)

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