着物・和・京都に関する情報ならきものと

  1. ホーム
  2. コラム
  3. ショコラに託す乙女心 ―milk & bitter 「うきうきもの」vol.2
ショコラに託す乙女心 ―milk & bitter 「うきうきもの」vol.2

milk & bitter ショコラに託す乙女心「うきうきもの」vol.2

記事を共有する

京都在住のイラストレーター・辻ヒロミさんが提案する概念コーデの妄想が広がる連載。2月のイベントといえば、バレンタイン！テーマは「チョコレート」です。この時季だからこその、浮き立つ心を託したショコラコーデをお届けします。

2024.02.13

よみもの

単たんに茶系と言う勿なかれ 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.4

ときめく乙女心、きらめくショコラ

昨日はmilkで、今日はbitter。
チョコレートのミルクとビターのように、
日々、変化する乙女心。

今日はbitterで、明日はmilk。
混ざり合うミルクとビターみたいに、
甘さも苦さも私らしさ。
どちらも私で、私じゃないの。

うきうきものメイン

SNSでも注目を集めた東福寺「北庭」でも知られる格子模様のひとつ「市松模様」は、江戸時代に活躍した上方歌舞伎役者・佐野川市松が装束の袴に愛用した文様を、彼に憧れた女性たちがこぞって小袖に取り入れたことから人気が高まった。それ以前は、石を敷きつめたように見えたことから「石畳文」と呼ばれていた。人気アニメ「鬼滅の刃」の主人公・竈門炭治郎が着ている黒×緑の長羽織で認知度が高まった

「milk & bitter」

デパ地下やショコラ専門店のショーケースにきれいに並んでいるチョコレートたち。
その様子を市松模様に見立てて、バレンタインを連想するコーディネートを描きました。

イベントそのものよりも「チョコレート」をテーマに、バレンタインに縁があってもなくても、友だちへの贈り物や自分へのご褒美でも、美味しいショコラは美しい！

うきうきもの_ショコラ

ミルクとビターで表現したかったのは、ショコラカラーの愉しみと「甘い」と「苦い」を自由に使い分ける気まぐれな女性像です。

たとえばこんな、ショコラ風アイテム

特選京友禅付下げ着尺「菱華繋ぎ」
並んだ菱華が、目映いショコラのようにも思える柄行。熟練職人の手による繊細な京友禅の美が煌めく一枚で、袋帯でも名古屋帯でも好みに合わせて愉しむことができる

【奄美大島紬】古代染色純泥染「小龍郷柄」

【奄美大島紬】古代染色純泥染「小龍郷柄」
織り出された伝統の龍郷柄が手の込んだ華やかなショコラにも見える一元式の大島紬。深みある泥染めの黒色地で、差し色の赤が味わい深いモダンな印象

特選江戸小紋着尺「市松」

特選江戸小紋着尺「市松」
木目絞り風の模様と無地場に創作模様を込めた細長の市松模様。ビター＆マイルドなショコラを連想させる色合いで、落ち着いた彩りに粋な面持ちの一枚。洒落席に重宝すること間違いなし

正絹西陣織九寸名古屋帯 「幾何学市松模様」

正絹西陣織九寸名古屋帯 「幾何学市松模様」
ショーケースに並ぶビターなショコラみたいな幾何学市松柄。色無地、小紋、御召、紬などの着物とのコーディネートが愉しめる万能な創作名古屋帯。結びやすくて崩れにくいのも特徴

【河合美術織物】特選西陣織袋帯「能寿格子松菱文」

【河合美術織物】特選西陣織袋帯「能寿格子松菱文」
優雅なオフホワイトの地を埋め尽くすように銀糸が織り込まれた大胆な菱格子松の意匠がホワイトチョコのごとき。ごく淡い青磁色を用いた色数を押さえた面持ちは幅広く重宝する一本

九寸名古屋帯 「ネコとパズル」

九寸名古屋帯 「ネコとパズル」
手描糸目友禅の染めの緻密な手しごとが施された特選染帯。サラリとした穏やかな塩瀬地で、ネコとパズルの意匠があしらわれている。ほのかに添えられた金彩が気品ある表情を見せる

【紐の渡敬】畝打組片ぼかし帯締め

【紐の渡敬】畝打組片ぼかし帯締め
やわらかなグラデーションが印象的な帯締め。しなやかで肌触りがよく、しっかりと結べるのが魅力。着物や帯を引き立てつつ、存在感あるショコラ色でコーデのポイントとなる一本

【布四季庵】和装ウールロングコート

【布四季庵】和装ウールロングコート
立春を過ぎても寒さが残る日々にコートは必需品。暖かく吸湿性に優れ、シワになりにくいウール素材の一着。ややくすみのあるショコラブラウンの無地は、どんなコーディネートにも寄り添う

大判ショール

大判ショール
カシミヤ100％、キャメル色のエレガントな一枚。保湿性・保温性に優れ、カシミヤ本来の温もりと肌触りをそのままに、ウェーブ仕上げでボリューム感をアップさせたひと品

2025.01.05

まなぶ

Happy New Year & New Me (巳)！ 踏み出せ、新たな「わたし」へ―　「うきうきもの」vol.1

2023.01.21 （2023.02.04 更新）

まなぶ

先駆ける春を装う如月 「月々の文様ばなし」vol.11

辻ヒロミ

辻ヒロミ

イラストレーター。京都府出身在住。京都芸術短期大学造形芸術学科ビジュアルデザインコース卒業。
自身の感性を取り入れたキモノ美人画をライフワークとし、個展やinstagramなどで作品を発表。パッケージイラストや雑誌、web、広告など幅広い分野で活動中。

椿屋

椿屋

20年以上にわたって、絵描きとしての辻ヒロミの世界観に魅せられている者のひとり。2009年には『かの香、めづ。』、2011年には『なつのたより2011』で椿屋×辻ヒロミ二人展を開催。年賀状や転居はがきのイラストを辻ヒロミに担当してもらったこともある。2017年には、「ことり会」名義での共著『京都、朝あるき』（扶桑社）を上梓。

シェア

BACK NUMBERバックナンバー

RELATED関連記事

LATEST最新記事

すべての記事

RANKINGランキング

  • デイリー
  • ウィークリー
  • マンスリー

HOT KEYWORDS急上昇キーワード

CATEGORYカテゴリー

記事を共有する