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理想の着物美人へのおすすめのメイク方法とは?

ヘア&メイク 岡田いずみさん監修! 着物美人になるためのおすすめメイク

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着物を着た日には、いつもと同じメイクをすると顔の印象が薄くなる、合わせるメイクがワンパターン……などのお悩みを感じることも。着物の際にもメイクに自信を持てるようにするためには?ヘア&メイクアップアーティストの岡田いずみさんに教えていただきました。

着物メイクにお悩みの方、多いですよね?

着物メイクのイメージ

着物を着た日は厚化粧になってしまう、いつもと同じメイクをすると顔の印象が薄くなる、着物に合わせるメイクがワンパターン……

着物を着る人なら誰もが一度は経験するであろう、洋服のときには感じない、そこはかとなく漂う違和感。着物を着たときにも普段と変わらず、メイクに自信を持てるようにするためにはどうしたらよいのでしょうか。

ヘア&メイクアップアーティストの岡田いずみさんに教えていただきました。

ヘア&メイクアップアーティストの岡田いずみさん

ヘア&メイクアップアーティスト 岡田いずみ

化粧品会社を経て独立。
感性と理論の両輪からなるメイク提案に信頼が寄せられている。プロデュースするブランド「シンクー」「メイトゥエルブ」も好評。

着物メイクのカギは肌づくり

着物は洋服に比べて生地の分量が多いので、どうしても肌が見える部分=顔に視線が集中しがちです。それだけに、シミやクマ、キメの乱れなどのアラが目立ちやすく、ついつい厚塗りになることも。

トラブルのない肌に仕上げることは重要ですが、肌を厚くすればするほど “メイクが濃い人”という印象のほうが強まってしまうので気を付けましょう。

逆に、すっぴんに近すぎると、着物の存在感と肌の無防備さのコントラストが強くなってアンバランスに。

適度なカバー力を持たせつつ、透明感や艶、立体感を感じさせる仕上がりを目指しましょう。

“キワ”を極めると、もっと着物美人に!

肌だけでなく、“キワを極める”ことも、着物メイクを洗練させる大切なポイントです。

着物の華やかさに合わせようと、チークやシェイディングを濃く入れたり、アイメイクを強めにしたりすると、少し古い雰囲気になりますし、清潔感も失われてしまう恐れが。それよりは、キワまで丁寧にメイクをするほうがおすすめです。

例えば、

・アイラインはまつ毛の根元に細くしっかり入れる
・マスカラはビューラーで上げすぎず目尻多めにボリュームをもたせて憂いを感じさせる
・眉尻は横に長めに流す

など、細かい部分にこだわることで、清潔感と美しさが両立したメイクに。

「染めの着物」と「織りの着物」でメイクを分けて考えましょう

染めの着物と織りの着物イメージ

「染めの着物」か「織りの着物」か、その日に着る着物の素材感でメイクの方向性を決めると失敗しにくく、洗練された雰囲気を醸し出すことができます。

染めの着物のメイクで心掛けるべきことは?

染めの着物には、華やかで楚々とした柔らかさを感じさせる肌作りを心掛けて

染めの着物には、華やかで楚々とした柔らかさを感じさせる肌作りを

染めの着物には、華やかで楚々とした柔らかさを感じさせる仕上がりが良く似合います。

肌作りやチークはきれいな発色やふんわりとしたハーフマットな質感、パウダータッチの優しいグラデーションを意識しましょう。

逆に、目元にはバームなど艶のある質感のベージュゴールドやパール感のあるものを使うと、肌の質感とのコントラストで華やかさがアップします。

染めの着物のおすすめベースメイクは、ハーフマットな肌

〈左〉シミや色むらを瞬時に補正し、抜けるように明るく澄んだ肌に仕上げる美白メイクアップベース クレ・ド・ポー ボーテ/ヴォワールルミヌ(医薬部外品)SPF38・PA+++ 30ml
〈中〉テカリを抑えファンデーションを滑らかに整えながら、どんな光の下でも小ジワや毛穴の目立たない美しい肌にセット ナーズ ジャパン/ライトリフレクティングセッティングパウダー プレスト N
〈右〉とろりと柔らかな艶の膜で肌を包み、自ら光を放つようなみずみずしい肌仕上がりに スック/ザ リクイド ファンデーション 全23色 各30ml

肌は、柔らかく紗がかかったような、内側に潤いを感じさせるハーフマットな肌に

明るくふんわりとしたヴェールの奥に血色がほんのり透けている、そんな仕上がりを目指すとよいでしょう。

しっかりとスキンケアをして肌に潤いを蓄え、表面はサラサラなのに触れるともっちり、そんな質感を目指しましょう

染めの着物のポイントメイクは、柔らかな色づかいで

〈左〉透け感のあるベージュニュアンス。ヨレにくく、しっとりじんわり血色や華やかさを演出。オサジ/ニュアンス フェイスカラー 06
〈中〉クリームとパウダーのレイヤードで、テクニックレスに表情をドラマティックに演出するチーク。柔らかな血色感をプラスするサニーコーラル スリー/ブロウンアウェイ ブラッシュデュオ 02
〈右〉重ねても濁らず、艶やかな目元を演出する単色アイシャドウ。「16 染芥子」は、肌馴染みのよいフロストオレンジ スック/トーン タッチ アイズ 16

華やかなシーンで着ることの多い染めの着物には、明るく仕上げた目元がマッチ。肌になじんでくすみにくいカラーがおすすめです。

アイベースや練り状のアイカラーで濡れたような艶めきをプラスすると、よりしっとり柔らかな仕上がりに。

眉は、着物の華やかさと共鳴させるように、やや明るめの色で仕上げます。ふんわりとしたボリューム感も忘れずに。

チークはパール感のあるピンクやサーモンピンクのパウダーチークでふんわりとしたグラデーションになるように。

口元は、口角をキュッと引き上げるようにブラシで輪郭を取り、下唇の中央にリップスティックを重ね塗り。小ぶりでぽってりとしたリップに仕上げて。

織りの着物のメイクで心掛けるべきことは?

織りの着物には、顔色よくすっきりした印象のメイクを心掛けて

織りの着物には、顔色よくすっきりした印象のメイクを

質感が魅力の織りの着物は、メイクもどこかすっきりと仕上げるのがおすすめです。

つくり込みすぎず、軽やかにみずみずしさを意識し、血色を感じさせるすっきりとした印象にすることで、着物の質感も生きるように思います。

織りの着物のベースメイクはフレッシュなツヤ肌

〈左〉紫外線をカットしつつ、透明感のあるツヤ肌に。きちんと整っているのにあくまでもナチュラルな印象の肌に シンクー/レディー ミー ベース
〈中〉毛穴や小じわをカバーしながら、ヘルシーな艶と血色感のある素肌に ローラ メルシエ ジャパン/フローレス ルミエール ラディアンス パーフェクティング クッション SPF50・PA++++ 全8色 各15g
〈右〉適度なカバー力と艶やかな質感が叶うコンシーラー。気になるポイントに直塗りして指で押さえれば、“素肌がキレイな人”のような自然な仕上がりに シンクー/バームスティック コンシーラー 全2色

テカリは抑えつつ、ヘルシーな艶を生かした“ハイブリッド肌”に。

マットにならずしっとりなじむコンシーラーや、みずみずしい艶を残してカバーできるクッションファンデーションがおすすめです。

頬骨や眉山の上など、顔の中心の立体感がピークになるポイントに、バームで艶を出すと抜け感が生まれ、織りの着物に似合うフレッシュな印象に。

織りの着物のポイントメイクはフレッシュさを意識して

〈左〉肌に溶け込むようにシームレスに色づくクリームチーク。ほんのり上気したような生っぽい血色感に ローラ メルシエ ジャパン/ティンティド モイスチャライザー ブラッシュ CR3 15ml
〈右〉マットな質感に小さな星屑のような煌めきを潜ませたリキッドアイシャドウ。ソフトな染めの着物に似合う透明感溢れるアルパインブルー スリー/アルカミストツイストフォーアイ 04

ヘルシーなツヤ感はポイントメイクにも。

アイメイクは、軽やかさとツヤ感を演出できるタイプが◎。カラーはブラウンやソフトグレーがおすすめです。

眉色は、髪と同じトーンでナチュラルに。濡れツヤ感をプラスできるクリームアイブロウや眉マスカラで仕上げましょう。

チークはみずみずしいクリームタイプを選び、頬骨に沿ってやや斜めになるように塗ります。頬の高い位置からグラデーションになるようになじませて。

口元はツヤ感のある血色リップに

リップの色選びは「染め」も「織り」も共通

〈左〉光を纏ったマットな仕上がりのラグジュアリールージュ。「112 エージェント オブ チェンジ」は、肌を明るく美しく際立たせる定番ピンクベージュ クレ・ド・ポー ボーテ/ルージュアレーブル マット112
〈右〉生命感に満ちた彩りで、心や表情、印象までも輝かせるリップスティック。品よく華やかさをアップしたい時には、艶めくローズピンク「12 be together」がおすすめ コスメデコルテ/ルージュ デコルテ 12

肌や眉などで着物メイクの基本を押さえておけば、口紅は”自分らしさを演出するパーツ”と考えて楽しみましょう

着物には赤い口紅、などと決めつけなくて大丈夫です。

もしも色選びに迷ったら、肌がパッと明るく見える、血色の延長上にある色を選ぶか、肌を明るく美しく際立たせるピンクベージュやローズピンクを選ぶと失敗がありません。

ローズピンクはグロスのような透明感のあるものを、ピンクベージュはこっくりしたリッチなテクスチャーのものを選ぶと、肌の透明感が引き立ち洗練されて見えますよ。

着物には、眉の存在感が実は大切

〈左〉眉毛のない部分にベースとして使うことも、1本1本の毛を再現することもできるポマードタイプ。ボリューム眉の決め手に アナスタシア ミアレ/ブロウポマード 01
〈右〉しっとりとした細かい粒子が、ごく自然に眉が生えているようなニュアンスに。淡い色を眉頭、濃い色を眉尻に使うとちょうどよいグラデーションに アナスタシア ミアレ/ブロウパウダー 02 
〈手前〉適度な硬さの芯で、1本1本生えているかのように失敗なく眉を描くことができる アナスタシア ミアレ/ブロウペンシル 12

着物の存在感に負けない眉は、着物メイクの成否を分ける大切なポイントです。

・いつもより少しボリュームアップを意識する
・やや横長めのナチュラル眉を目指す
・眉の足りないところは自眉色、全体は明るめのブラウンで立体感を。

で、着物をさらに引き立てる華やかな眉に仕上げましょう。

着物メイクは首にも必要!?

メイクにも夜のスキンケア後にも使える薬用美白パウダー。粉雪のようにしっとり柔らかになじんで、サラサラとした爽やかさと清らかな透明感をキープ アルビオン/エクサージュホワイト ホワイトニング パウダー(医薬部外品)18g

衿元からのぞく首の肌は、着物姿の印象を大きく左右するもの。

他のどこよりも清潔感が大切なパーツなので、クリアでサラッとした肌感に整えておきましょう。スキンケアパウダーは通常のパウダーよりも粉浮きせずしっとりなじみます。

とりわけ染めの着物は肌が明るくないと首だけ沈んで見えるため、メイク前にトーンアップ下地として仕込んでおきましょう。

まとめ 着物メイクに必要なのは絶対的に清潔感

着物とメイクのイメージその2

季節のうつろいやTPOなど、着物はおもてなしの心を込めて着るものだからこそ、着物に合わせるメイクも、美しい景色のように誰の目にも心地よい仕上がりを目指したいもの。

そのために必要なのは、清潔感。着物の素材感に合わせた肌づくりや色選び、細部の美しさといったポイントに心を配って、いつでも好印象なメイクを心掛けましょう

歴史ある熊野筆の技術に、インターナショナルなメイクの視点を加えて生まれた化粧ブラシ。花の名前が美しく、名入れも可能 〈右から〉フェイスブラシ(SUMILE) フェイスブラシ(Ran)/2点ともSUI TOKYO

取材・文/サカイナオミ
イラスト/岡田いずみ

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