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差がつく!扇子のちょい技とは? 【扇子のギモンを解決! vol.3】「きくちいまがプロに聞くシリーズ」

差がつく!扇子のちょい技とは? 【扇子のギモンを解決! vol.3】「きくちいまがプロに聞くシリーズ」

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きくちいまさんが「プロに聞く」シリーズ、扇子編。今回は、知ってうれしい”扇子のちょい技”について。大西常商店の四代若女将・大西里枝さんが、ちょっと差のつく扇子まわりのいろいろを教えてくださいます!

末広と扇子のちがい

きくちいまさんが「プロに聞く」シリーズ、扇子編。今回は、気になる「扇子にまつわるルール」について教えていただきます。先生は引き続き、大西常商店の四代若女将・大西里枝さん。よく笑うおふたりが、テンポ良く疑問を解決いたします!

プロに聞くシリーズ、扇子編vol.3!

きくちいまがプロに聞くシリーズ・扇子の疑問を解決!

vol.1(扇子の種類)vol.2(扇子のルール)が大好評の「きくちいまがプロに聞くシリーズ」扇子編。

引き続きお届けいたします!今回は5回シリーズの3回目。

着物にまつわる書籍を多数出されている大人気のエッセイスト・イラストレーター きくちいまさんが今回伺うのは…他とは差のつく扇子の”ちょい技”!?知っておけば、きっとどこかで役立ちますよ♪

扇子で名刺交換!?

  きものと編集部(以下、編集)―――
  受付に出すときの作法は前回教えていただきましたが、他にも知っておくといいこと、たくさんありそうですね。

扇子は、挨拶するときに欠かせないもの

  きくちいま(以下、いま)―――
  扇子は、挨拶するときに欠かせないものと言われました。正座してご挨拶するときは扇子を右手で前に置きますが、相手を敬う仕草だと思っています。
扇子って自分と相手の間に張る結界みたいな感じがして好きなんですよ。去年は扇の柄の付下げを買ったくらいです。

  編集―――
  そういえば、京都市長もいつも扇子を持ってご挨拶されていますね。

  いま―――
  いつも着物だなぁとは思っていましたが、そうなんですか……さすが京都だなぁ。

大西常商店:大西里枝(以下、大西)―――
知っておくといいこと……そうですね~わたしのおすすめは、名刺交換のタイミングです
ね。

談笑するお二人

  編集・いま―――
  えっ!?

大西―――
例えば名刺交換をした直後に、会議や打ち合わせが始まることってあるじゃないですか。そのときに、いただいた名刺を扇子の上に並べるんですよ。

おすすめは、名刺交換のタイミング

  編集・いま―――
  !!!!!!

  編集―――
  それは丁寧な感じがしていいですね。好感度アップどころか急上昇です!

  いま―――
  わたしはそういうときに、席の並びと同じように名刺を置いて、顔と名前を一致させるようにしているんですが、扇子の上に置くとは思いもしませんでした。次からそれ、やってみます。

いただいた名刺を扇子の上に並べる

大西―――
扇子の上に置けば机より一段高くなりますからね、お相手も悪い気はしはらへんと思いますよ。

  編集―――
  次の名刺交換のタイミングが楽しみですね。扇子を忘れないようにしないと。

扇子に香りをつけるには?

大西―――
お寺のご住職も、数珠をじかに床や畳に置かないように、扇子を置いてから数珠を置かはりますよ。

  編集―――
  扇子ひとつで、丁寧さや、おだやかな人柄まで伝わってきそうです。まるで白檀の香りのような……

  いま―――
  白檀の香りもリラックス効果がありそうですね。そういえば、友人が白檀の香りのする扇子を使っていたそうなんですが、香りが薄くなってしまったので、お気に入りの香水を噴きかけみようかなと言っていました。

大西―――
あぁ~それは……。うーん、香水は油なので、シミになってしまうでしょうね。

  いま―――
  うわぁ。それは残念。友人にストップかけておきます。

扇子について説明してくださる大西さん

大西―――
扇子を作る工程は全部で87あって、12~3人の職人さんが携わります。
竹を取って削る職人さんと、地紙に絵を描いて折る職人さんからそれぞれの部品が集まってきて、それらを組み合わせる「付け」の作業の前に、竹の先の部分だけに白檀なら白檀の香りをつけるんです。

  いま―――
  なるほど。香りをつけるのは紙ではなく、紙の内側の竹の部分だったんですね。

  編集―――
  香りが薄くなったら足すこともできるんですか?

大西―――
はい。お預かりする形になりますが可能です。

扇子を作る工程を伺う

形をきれいに保つコツ

  いま―――
  わたしの扇子もだいぶ香りが薄くなってしまったんですが、そうとう使ったな、という見た目になってしまったので、これはいつまでも使っていると貧乏くさい感じになっちゃうかな。

  編集―――
  基本、消耗品ですもんね。

大西―――
形がいびつになったときは、梱包用の紐で扇子の下からぐるぐる巻きにして癖を直すといいんですよ。あと、購入した際についてくる銀色の留め紙、これは「銀せめ」と呼ぶんですけども、これも保管用に使うと形がきれいに保てます。

扇子を眺めるお二人

  いま―――
  ひゃぁ、銀色の輪っか!わたしすぐに捨てていました!

  編集―――
  わたしもです!でも大西さん、次々新しいものを買ってもらうほうがいいでしょうに、惜しげもなく直し方を教えちゃうんですね。

  いま―――
  ……やだ、わたしの扇子、よく見たら角っこが欠けてる!梱包用の紐を巻いて直るものじゃなかったわ。

  編集―――
  いまさんの末広がりに暗雲が……

  いま―――
  これから名刺交換するかもしれないのに。今日買って帰る~!!!

次回予告
扇子のマニアックなお話し

角っこが欠けた扇子

……次回vol.4では、ちょっと面白い扇子の話をお届けします。どうぞお楽しみに!

※2022年2月中旬公開予定(リリース情報は各種SNSよりどうぞ。)

撮影/スタジオヒサフジ

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