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日本橋「アートアクアリウム美術館」 金魚が泳ぐ四季折々の空間で味わう“非日常”

日本橋「アートアクアリウム美術館」 金魚が泳ぐ四季折々の空間で味わう“非日常”

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東京・日本橋に誕生した「アートアクアリウム美術館」。煌びやかに彩られたアクアリウム(水槽)の中で約3万匹の金魚が泳ぐ空間は非日常を与え、同時に古き良き日本の美しさを感じさせてくれます。五感すベてで感じる新感覚アートの魅力をお届けします。

東京・日本橋に誕生した“生命の宿る美術館”

立夏を過ぎ、日々気温も上がりつつあります。そろそろ本格的に衣替えする方も多いのではないでしょうか。気持ちの良く晴れ渡る青空に、着物をお召しになって出かけたい気分になりますね。

何かと制限のある今の状況、大勢で集まることは避けなければなりませんが、おすすめしたいスポットが「アートアクアリウム美術館」。2020年8月28日、各地にて大好評を博した特別展示が常設となり東京・日本橋に誕生した新しいアート空間です。

「アートアクアリウム美術館」外観

和をモチーフとした空間を金魚が泳ぎ回る「アートアクアリウム」は、総合プロデューサーの木村英智さんが2007年にスタートさせた展覧会。六本木ヒルズやコレド室町など、東京を中心に全国を巡回していましたが、昨夏”生命の宿る美術館”をコンセプトに、生命とジャポニズムが織りなす美しさを五感で感じる、新感覚の美術館として日本橋に誕生いたしました。

水槽の中を泳ぐ金魚

二階建ての館内では、施設内に置かれた様々なアクアリウムの中を約3万匹の金魚が自由に泳ぎ回っています。
コロナウイルス感染防止の観点からひとところに集まることができない昨今。一人でもふらっと訪れて楽しめる異空間「アートアクアリウム美術館」の魅力をお伝えします。

江戸時代にタイムスリップしたかのような異空間

6つのエリアで構成される美術館内。一歩足を踏み入れるとそこはまさに異空間、日本橋という場所が最も栄えた江戸時代にタイムスリップしたような感覚を味わえます。

『円窓リウム』

円窓から見える金魚(平日仕様)

人気のひとつ、茶室などに用いられる「円窓」に金魚が舞い泳ぐ作品です。

障子は開閉でき、開いているときには円窓から金魚越しの世界が、また閉まっているときには障子紙越しに金魚のシルエットが泳ぐ風流な情景を味わうことができます。

水槽の中を泳ぐ金魚

『花魁道中』

そして、先に進むと現れるのが「浮世」エリア。
江戸時代、最も華やかで革新的な場所であった花街。その中でも花街を訪れる人たちが魅せられたのは、花魁たちが煌びやかな姿で遊郭を練り歩く「花魁道中」でした。

花魁道中

こちらでは、アートアクアリウムの代表作である幾多もの「花魁」を展示。
花街の入口にあったとされる大門を「金魚大門」として制作した新作もあります。
天井を仰ぎみれば、そこにも空を飛ぶように金魚が泳ぐ… 普段は見られない生き物の自由な姿に圧倒されます。

天井金魚
『天井金魚』
金魚大門
『金魚大門』

生命の美しさを象徴とした幾多ものアート

『金魚大門』をくぐり進めば、さらなる豪華絢爛な夢の世界が待ち受けています。
圧倒的なスケールで私たちを彩りの世界へと連れ出してくれる神秘的な場所が、こちら。

『金魚の杜』

金魚の杜
金魚の杜

みどころは、何と言っても金魚が泳ぐ大きな円柱状のアクアリウム。
森のように立ち並ぶ様子から『金魚の杜』と名づけられています。頭上には金魚が舞う3D映像が常時流れ、幻想的な世界観を一層盛り上げています。

その他にも、石や砂だけで山水の風景を表現した究極にシンプルな日本式庭園・石庭をモチーフとした『石庭リウム』や…

石庭リウム
『石庭リウム』
禅アクアリウム
『禅アクアリウム』

日本画に描かれた金魚をリアルで表現した額縁式のアートアクアリウム『禅アクアリウム』、

白と黒を基調とした水墨アートの映像に黒い金魚たちが泳ぐ『床掛け金魚飾り』など、日本の景色・文化をアクアリウムと金魚だけで表現した作品も。

床掛け金魚飾り
『床掛け金魚飾り』
フラワーフラワーアクアリウム
『フラワーフラワーアクアリウム』

一方で、アクアリウムの横にインテリアの花瓶を飾り、そこにフラワーアレンジメントがあしらわれた「フラワーフラワーアクアリウム」や、

地球をイメージした巨大な球体のアクアリウムに錦鯉が揺らめき泳ぐ「アースアクアリウム・ジャポニズム」など、イノベーティブで芸術的な作品が、過去と未来を繋いでいきます。

アースアクアリウム
『アースアクアリウム・ジャポニズム』

味覚で感じる日本の美しい四季

すばらしい数々のアートに圧倒された後は、しばしの休憩。しかし、この空間にいる間、五感は休まることを知りません。

水戯庵ラウンジ

能舞台を設えた「水戯庵ラウンジ」では、季節によって変わる食事やドリンクを楽しむことができます。
江戸時代に狩野派が描いたとされる文化財の老松に、切子のグラスを約1300個をも使用したシャンデリアを眺め視覚を刺激されながら…

江戸切子グラスのシャンデリア

春夏秋冬、四季折々の美しい自然は私たち日本人が大事にしてきたもの。
「アートアクアリウム美術館」を訪れるたびに異なるメニューを味わいつつ、季節の移り変わりに思いを馳せましょう。

春の特別企画展「桜金魚 舞い泳ぐ」延長決定

5月9日(日)で終了予定だった春の特別企画展「桜金魚 舞い泳ぐ」が、5月31日(月)までに延長となりました。
日本の春を象徴する桜をモチーフにした様々な作品展示や空間演出を行う特別展示をご覧いただけます。

すでに桜は散ってしまいましたが、特別企画では桜錦、桜琉金、桜東錦、桜だるま琉金などの桜に因んだ品種の金魚が多数集結するほか、会場全体が桜色の春一色に染まるなど、館内の至る所でアートアクアリウムならではのお花見気分が味わえます。
外出自粛で季節を感じにくくなっている今、冬の厳しさを乗り越えピンク色の花を咲かせる桜、そしてしなやかに水面を泳ぐ金魚の生命力に心癒され、非日常の世界に身を任せてみてください。

「日本橋きものパスポート」プロジェクトが始動!

「日本橋キモノパスポート」

アートアクアリウム美術館は4月3日(土)より実施されている「日本橋きものパスポート」プロジェクトに参加中。

東京織物卸商業組合が主催するこちらのプロジェクトは日本橋開橋110周年を記念し、一時期に一ヶ所に人が集まるイベントができないこのご時世に「これなら単独でも少人数でも、好きなタイミングに和装姿で街を彩り元気づけられる!」という新しい生活様式に即した初の試みです。

割引や特典が受けられる街おこしプロジェクト

特典協力店、施設、後援企業、団体にて無料配布されているパスポートを受け取り、着物をお召しになった状態で協力店や施設で提示すると、割引や特典などのお得なサービスが受けられます。

■「日本橋きものパスポート」について
https://kimono-pass.tokyo/

着物姿で日本橋にお出かけ
「日本橋きものパスポート」プロジェクトには約60店舗が参加

「日本橋きものパスポート」プロジェクトには、日本橋を代表する老舗飲食店から商業施設・雑貨店まで、様々な業態の店舗・施設が参加しています。プロジェクト開始時点の参加店舗はなんと、60店舗以上。そして今後も増えていく予定だそうです。

実施期間は、日本橋開橋110年の記念日である2021年4月3日より約1年間(2022年3月31日まで)。パスポートは、繰り返し何度でも使用可能です。

着物姿での来場で優先入場に

アートアクアリウムでは、期間中に着物姿で来場・日本橋きものパスポートを提示した方を“優先的に”入場口までご案内。現在、コロナの影響で事前予約チケットが時間指定制になっており、入場口が混雑することもありますが、着物をお召しになっているだけで待機列に並ぶことなく入館可能です。

■詳細はこちら
https://artaquarium.jp/news/20210403/51/

※優先入場は2021年6月30(水)まで

金魚

アートアクアリウム美術館の館内と着物の相性は抜群。金魚が泳ぐアクアリウムを背景に着物姿で記念撮影を撮るもよし、非日常空間で食事やドリンクを味わうもよし、館内に立ち並ぶアート作品の一部として溶け込むのもまた風流…
いつもとは違う世界をとことん味わう、特別な一日となることでしょう。

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