着物・和・京都に関する情報ならきものと

純白の打掛ドレスに身を包んで― ミス・スプラナショナルジャパン日本大会

純白の打掛ドレスに身を包んで― ミス・スプラナショナルジャパン日本大会

記事を共有する

「ミス・スプラナショナル・ジャパン2025」のステージには、絢爛豪華な打掛をリメイクした純白のドレスを纏った前回クイーン、園田悠希さんも登場。日本代表として過ごした一年についてお聞きするとともに、打掛ドレスを制作したデザイナー、加藤文香さんにもその思いをうかがいました。

2025.05.21

よみもの

ミスコンを通して日本文化を世界へ― ミス・スプラナショナルジャパン ナショナルディレクター 清田彩さん 「今、きもので輝くひと」vol.6

日本代表として過ごした一年間

盛大な拍手に包まれ幕を閉じた「ミス・スプラナショナル・ジャパン2025」。

2025.05.28

よみもの

オープニングは浴衣で踊りを披露! ミス・スプラナショナルジャパン日本大会 舞台裏にも密着!

ステージには2024年の日本代表である園田悠希さんも登場。

日本代表としてのラストランウェイや、新しいクイーンであるNAOさんへクラウンを継承した際に着たのは、絢爛豪華な打掛をリメイクした純白のドレスでした。

クイーンの風格が漂う「ミス・スプラナショナル・ジャパン2024」クイーンの園田悠希さん

クイーンの風格が漂う「ミス・スプラナショナル・ジャパン2024」クイーンの園田悠希さん

園田さんは現在、生活の拠点をフィリピンに移し、女優として活躍しています。

日本代表として過ごした2024年の一年間で、彼女を取り巻く環境の変化や、内面に訪れた心境の変化をお伝えするとともに、打掛ドレスを制作したデザイナーの加藤文香さんにもドレスに込められた思いをうかがいました。

日本代表として歩んだ一年。生活と心の内の変化の日々

園田さんは日本代表になる前から、病院や児童施設を訪れ、子どもたちとの交流を行ってきました。

2024年は「ミス・スプラナショナル・ジャパン」のクイーンとして改めて病院を訪問し、子どもたちの話に耳を傾けたり、生きることの楽しさを伝えたと言います。

「私はずっと病気で苦しんでいる子どもたちのための活動を続けています。これからも病院で戦っている彼らが少しでも希望を見出してもらえるよう、心からサポートし続けたいと思っています」

本番前、楽屋は和やかな雰囲気。園田悠希さん、加藤文香さん、着付け師の方たち。

本番前、楽屋は和やかな雰囲気。園田悠希さん、加藤文香さん、着付け師の方たち

「また、映画や、広告モデルに起用されるなど、女優としてのオファーも増え、環境が一変した一年でもありました。2025年6月にNetflixフィリピンで公開予定の映画には主演に抜擢されました。他の映画にもすでにいくつか出演が決まっています。これからは女優としても活動の場を広げていけたらと思っています。

このような素晴らしい機会に恵まれたのも、『ミス・スプラナショナル』のおかげ。感謝の気持ちでいっぱいです。『ミス・スプラナショナル・ジャパン2024』の日本代表に選ばれてから今日まで、本当に多くの経験をさせていただきました」

ラストランウェイは、圧倒的な存在感を放つ純白の打掛ドレスで

この日、園田さんは打掛ドレスをまとい、堂々とクイーンとしての最後のファイナルウォークを見せました

この日、園田悠希さんが『ミス・スプラナショナル・ジャパン2024』のクイーンとして最後の大舞台であるラストランウェイに着たのは、打掛をリメイクして仕立て上げられた特別なドレス。

鳳凰などの吉祥文様が総刺繍で施されたその衣装は、ステージを一瞬にして神聖な空間へと変えてしまう圧倒的な存在感を放っていました。

このドレスの制作者であるファッションデザイナーの加藤文香さんは、

「総刺繍の鶴の打掛を二枚使い、“天高く羽ばたく鶴の羽”をイメージしました」

と教えてくれました。

打掛ドレスを制作したデザイナーの加藤文香さん。彼女が着ているのは、紬のきものをリメイクしたドレス

打掛ドレスを制作したデザイナーの加藤文香さん。彼女が着ているのは、紬のきものをリメイクしたドレス

リサイクル品を使用した紬ドレス。汚れていた箇所にはたくさんのビジューを散りばめて

リサイクル品を使用した紬ドレス。汚れていた箇所にはたくさんのビジューを散りばめて

「制作には2ヶ月ほどかかりました。通常のウエディングドレスのように、オーガンジーで裏打ちをするなどの工程を施します。その前に、打掛を二枚使用しているので、解く作業から始めなくてはなりませんでした。

白という清廉な色だけで仕立てているので、シンプルであるが故に素材の力が求められます。総刺繍で柄が表現されたこの打掛の生地には、圧倒的な存在感と、和に宿るエレガンスが宿っています」

スカート部分。鶴の柄が繋がるように計算をして裁断

スカート部分。鳳凰の柄が繋がるように計算をして裁断

鶴が優雅に広げる羽を表現した衿が照明に照らされ、悠希さんの顔をより一層美しく見せます

鶴が優雅に広げる羽を表現した衿が照明に照らされ、悠希さんの顔をより一層美しく見せます

「シルエットにも相当こだわりました。とくに、苦心したのは襟のパーツです。鶴の羽をイメージし、羽が優雅に広がる様子を優雅な曲線とアシンメトリーなデザインで表現するために、何度も試行錯誤をした、こだわりのディテールです。

どの角度から見ても美しいフォルムを追求したことによって、唯一無二の世界観が表現できたと思っています」

「ミス・スプラナショナル・ジャパン2024」クイーンの園田悠希さん(左)とファッションデザイナーの加藤文香さん(右)

「ミス・スプラナショナル・ジャパン2024」クイーンの園田悠希さん(左)とファッションデザイナーの加藤文香さん(右)

「何より、打掛ドレスの存在感や迫力に気おされることなく、堂々とそして優雅にランウェイを歩いてくださった悠希さんによって、完璧なまでの美が表現できたと思います。悠希さんは、正真正銘のクイーンでした」

本番前、最後のフィッティングチェックをする園田さんと加藤さん。ステージでの裾のあしらい方や、美しいドレープを見せるための歩き方なども確認します

本番前、最後のフィッティングチェックをする園田さんと加藤さん。ステージでの裾のあしらい方や、美しいドレープを見せるための歩き方なども確認します

「日本の伝統衣装であるきものは、現代においてもその文化的価値を継承していると思います。私はデザイナーとして、文化遺産としての誇りであるきものを後世へ残すような制作活動を続けていくつもりです。その責任があると思っています」

2023.02.18

よみもの

着物文化をみんなの元へ戻したい。 ナレーター 近藤サトさん(後編)

多くの人の支えに感謝し、つながりを大切にして

ファイナルウォークでステージに登場する園田悠希さん

ファイナルウォークでステージに登場する園田悠希さん

「打掛ドレスを初めて目にしたときの感動は今でも忘れられません」

園田さんが、フィッティングで初めて対面した瞬間の驚きと感動を語ってくれました。
事前に“打掛”と聞いて、きもののようなシルエットを想像していた園田さん。仕上がったばかりのドレスは想像を遥かに超えていたと言います。

「早くこのドレスを着て、みんなに見てほしいという気持ちで胸がいっぱいになりました。実際に袖を通した瞬間、自信に満ちあふれるのを感じました。重厚感があるものの、実際は軽やかで、着心地のいいドレスでした。日本代表としての最後の舞台で、日本の美が凝縮されている打掛をドレスにした衣装を着ることができ、本当に光栄でした

ファイナルウォークでステージを堂々と歩む園田悠希さん。

最後に、日本代表として活動した一年間を振り返っていただきました。

「ここまで活動できたのは、決してわたし一人の力だけではなく、多くの人々に支えていただき、指導をいただいたおかげです。この感謝の気持ちを忘れずに生きていこうと思っています。

これからも、人とのつながりを大切にし、日本人であることに誇りを持って活動を続けようと思います。代表としての任期は終わりましたが、これからも、様々なことや人から受ける影響や刺激によって成長し、より良い未来を築くために努力していきたいと思っています」

クイーンのクラウンをNAOさんに引き継ぎます

クイーンのクラウンをNAOさんに引き継ぎます

2024.03.09

インタビュー

西内まりやさん INTERVIEW ”何か”でなくてもいい。「千紫万紅」vol.2

2023.05.02

インタビュー

ARLNATA(アルルナータ) 寺西俊輔さん(前編) 「彼らが”和”を想う理由」vol.3-1

シェア

RECOMMENDおすすめ記事

Related Posts

LATEST最新記事

すべての記事

RANKINGランキング

  • デイリー
  • ウィークリー
  • マンスリー

HOT KEYWORDS急上昇キーワード

CATEGORYカテゴリー

記事を共有する