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仲夏の候 ―芒種から夏至 「感じたい、七十二候」vol.11

仲夏の候 ―芒種から夏至 「感じたい、七十二候」vol.11

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六月の末には「夏越しの祓」が各地の神社で催されますが、これまで無事にこられたことに感謝し、積もった穢れを祓って、この先もつつがなく過ごせるよう祈願します。今年の夏も、どうぞ人々が健やかに過ごせますように。

2025.05.06

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梅雨がやってきますね

今月から入る芒種ぼうしゅ」の「のぎ」とは、イネ科植物の葉先を表す言葉で、この時期ほっそりしてよく茂っているイネ科植物の葉が、そよそよと風に揺れるのをそこここで見かけます。

その葉の上に玉のような雨滴を見るようになると、梅雨がやってきますね。

一年のうちでお昼間が一番長い日を、梅雨の最中に迎えるのが、日本の「夏至」です。

芒種のころ

芒種

二十四節気の「芒種」には、

蟷螂生かまきりしょうず
腐草為蛍くされたるくさほたるとなる
梅子黄うめのみきばむ

の三つの候があらわれます。

2023.10.16

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第二十五侯/蟷螂生 かまきりしょうず 六月五日~九日ごろ

蟷螂生

カマキリは多産で、鎌に例えられる前脚の独特の構えから「拝み虫」として縁起の良い虫とされてきました。

春、草木に生みつけられたカマキリの卵から孵化した幼いカマキリ達を見かける時期です。

強力なハンターに例えられるカマキリですが、案外繊細で、前脚の鎌の部分を大事にしていて、丁寧に舐めていつも清潔に保っています。

第二十六侯/腐草為蛍 くされたるくさほたるとなる 六月十日~十五日ごろ

腐草為蛍

日増しに高くなる湿度と気温の中、ホタルが登場する時期です。

数年前に我が家からも楽に行けるホタルスポットを教えていただき、時期になると鑑賞しに出かけます。

風もなくじっとり湿った空気の中で舞うホタルの光の幻想的な光景にうっとりしますが、この候の言い方は、まさに蛍の営みをうまく表していると印象に残りました。

第二十七侯/梅子黄 うめのみきばむ 六月十六日~二十日ごろ

梅子黄

ご近所の梅の木の実りも日に日に丸くなり、黄色味が増してくるとポトリと地に落ちるのを見かけます。

梅干しや梅酒、ジャムにシロップなど、梅の実は日本の食文化に欠かすことの出来ない大きな恵みですね。

ご家庭で梅仕事をするこの時期、実を黄色く追熟させるときに漂う甘い香りは、湿気って重くなりがちな気持ちをも和らげてくれます。

夏至のころ

夏至

二十四節気の「夏至」には、

乃東枯なつかれくさかるる
菖蒲華あやめはなさく
半夏生はんげしょうず

の三つの候があらわれます。

2022.06.22

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第二十八侯/乃東枯 なつかれくさかるる 六月二十一日~二十五日ごろ

綿柎開

乃東だいとうとは「夏枯草かこそう」という「靭草うつぼぐさ」のことで、寒い冬至のころに芽吹いて、初夏に紫色の花を咲かせたあと、周囲の緑がよく茂る夏至のころに枯れる植物です。

冬の六十四侯「乃東生なつかれくさしょうず」と対になっていて、寒い時期に採取できる薬草として重宝がられたそう。

2024.12.05

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第二十九侯/菖蒲華 あやめはなさく 六月二十六日~三十日ごろ

天地始粛

五月ごろから順に咲くアヤメ、カキツバタ、そしてショウブには咲く期間だけでなく生息する環境にも違いがあります。

アヤメは乾燥地、カキツバタは水辺、ショウブ(ハナショウブ)は湿地に育ちます。

この時期の「菖蒲」とは、ハナショウブのことではないかと思われますが、花期と環境は違っても、その美しさには甲乙つけがたいほど魅了されます。

2023.06.29

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第三十侯/半夏生 はんげしょうず 七月一日~六日ごろ

半夏生

半夏はんげ」はカラスビシャクという野の草の別名で、「半夏生 はんげしょうず」はその花が咲くころといわれています。

ほかにハンゲショウという植物の葉が涼やかに白くなり花を咲かせる時期でもあります。

夏至から数えて十一日目を半夏生はんげしょうといい、むかしはどんなに遅くともこの時期までに田植えを済ませる目安だったそう。

「夏越しの祓」で積もった穢れを祓って

梅雨は、日本の気候の特徴であるだけでなく、人々の暮らしにも大きな影響を与えますが、雨の量が少なくても、多すぎても困ることが起きます。

六月の末には「夏越しの祓」が各地の神社で催されますが、これまで無事にこられたことに感謝し、積もった穢れを祓って、この先もつつがなく過ごせるよう祈願します。

今年の夏も、どうぞ人々が健やかに過ごせますように。

2023.07.03

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