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衿から作るきれいな着姿 その② 長襦袢から作る、崩れにくい衿合わせの方法

衿から作るきれいな着姿 その② 長襦袢から作る、崩れにくい衿合わせの方法

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衿合わせがくずれにくいかどうかは、長襦袢の着方に左右されます。 やはり綺麗な着物姿を維持したいもの。ここでは長襦袢の衿合わせについて、写真と一緒に説明していきます。

着くずれしにくい衿合わせをするには?衿合わせがくずれにくいかどうかは、長襦袢の着方に左右されます。
どんなに綺麗に衿を合わせても、長襦袢の処理がイマイチだと、動いているうちに衿が開いてきたり、ずれてきてしまいます。
衿をくずれないようにするコツは、衿先に力布をつけたり、先に衣紋抜きを固定したりするなどのさまざまな方法がありますが、ここでは長襦袢の衿合わせに絞って、細かく説明していきます。

はじめに、着物と洋服を着るときの違いを踏まえての、着物を着るときのポイントをふたつ紹介いたします。
① 洋服は首の後ろをつける。着物は、首の後ろをあける。
Yシャツやジャケットなどの襟のある洋服は、基本的に首につけて着ます。
洋服に慣れている日常なので、着物を着るときも、無意識に衿を首につけてしまいがちです。
女性の着物は首ではなく肩で着ます。
長襦袢も着物も首から離して着ましょう。
② 洋服はウエストがポイント。着物は、アンダーバストがポイント。
洋服では、いちばんの締める位置はほぼウエストです。
スカート、パンツ、ゴムのもの、インサイドベルトもほぼウエストの位置です。
ですので、ウエスト部をなにかで締めることにからだが慣れています。

一方、着物でウエストにくるのは、補正、振袖の腰紐と帯の下線くらいです。
着物を着たときにからだのどこに紐類が多くなるかといえば、それは胸元です。
長襦袢に使う胸紐と伊達締め、着物に使う紐と伊達締め、帯枕の紐、帯の仮紐と帯揚げも入れたら7本にもなります。
着物は胸元と腰で支えているといえます。

胸紐と伊達締めは、ウエストではなくアンダーバストに締めることを意識しましょう。
崩れにくい衿をつくる長襦袢の着方
1.襦袢を着て、衣紋の抜きを決めます。
長襦袢をはおったら、着上がりの衣紋の抜き加減よりも多く抜いておきます。
動いているうちに長襦袢も動いて前に被ってきますので、その分を多めにとっておきます。
衣紋の抜きはこぶし一つ分を目安に、礼装や普段着、なで肩やしっかりした肩などに合わせて衣紋の抜きを決めましましょう。
2.衿を決めます。
①衿合わせ
抜いた衣紋を崩さないよう衿を合わせ、左右同じ重なりになるようにします。
着物の格やTPOに合わせて角度を決めます。
②胸紐をかける
合わせた位置よりも、衿を少し詰め気味にします。
長襦袢のシワやたるみを取る腕の動きで衿が開いてくるので、その分を考えて衿合わせを詰め気味にしておきます。
胸紐は、トップバストに掛かるくらいの高めの位置にかけます。
この時に、首を曲げて胸元を見るとせっかく合わせた衿と衣紋がくずれてしまいます。
首を動かさずに、正面の鏡を見たまま胸紐をかけましょう。
3.背中側を整えます。
①背中心を合わせます。
②長襦袢の背中のシワやたるみをとります。
胸紐より上の長襦袢の背中のシワをとります。
背中心がずれないように脇に向かってシワをとります。
背中側を鏡で見るのは大変ですが、左からも右からも見て、背中心がずれないように整えましょう。
③見頃を下に引きます。
背中をそらし気味にして、衿肩あきの延長線上の身頃(胸紐よりも下、腰のあたりの身頃)を足元に向かってゆっくり引きます。
④背中心を下に引きます。
背中をそらし気味にしたまま、先ほどと同じく胸紐より下の背中心(背縫い)を、足元に向かってゆっくり引きます。
姿勢をもどしたときに、肩に長襦袢がぴったりとフィットしているのを感じると思います。

これで、後ろが整いました。

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