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オープニングは浴衣で踊りを披露! ミス・スプラナショナルジャパン日本大会 舞台裏にも密着!

オープニングは浴衣で踊りを披露! ミス・スプラナショナルジャパン日本大会 舞台裏にも密着!

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世界大会に出場する日本代表を決定する「ミス・スプラナショナル・ジャパン2025」。代表の清田彩さんプロデュースにより、浴衣でのオープニングパフォーマンスが披露されました。大会の様子をお伝えします。

2025.05.21

よみもの

ミスコンを通して日本文化を世界へ― ミス・スプラナショナルジャパン ナショナルディレクター 清田彩さん 「今、きもので輝くひと」vol.6

世界5大会のミスコン

清田彩さんが日本支部の代表を務める、世界5大会のミスコン「ミス・スプラナショナル」。

今年度の世界大会に出場する日本代表を決定する「ミス・スプラナショナル・ジャパン2025」が先月開催されました。

清田さんのプロデュースによって、オープニングでは、全国から選び抜かれた15名のファイナリストらが浴衣をまとってのダンスパフォーマンスを披露。

「日本文化の素晴らしさを世界へアピールしたい――」

日本支部代表・清田彩さんの思いのこもった演出です。

今回は、「2025ミス・スプラナショナル」日本大会で披露された浴衣パフォーマンスを中心にして、大会の様子をお伝えします。

本番直前の舞台裏に潜入!浴衣姿が際立っていたファイナリストをキャッチ

今回、「きものと」取材チームは、舞台裏や楽屋の撮影許可をいただきました。早速、本番直前のファイナリストの皆さんの様子をレポートします。

本番直前の舞台裏で、最後のメイクチェックを行うファイナリスト

本番直前の舞台裏で、最後のメイクチェックを行うファイナリスト

オープニング直前、楽屋には、浴衣に着替えたファイナリストの姿が。緊張感はあるものの、みなさんとても仲睦まじく明るい雰囲気が印象的でした。

しかし、メイクや衣装合わせなどになると真剣な眼差しに変化した様は、さすが全国から選び抜かれたファイナリストたちです。

さらには、オープニングでまとう浴衣は彼女たちの私物。優しい色、大胆な色や柄の浴衣や帯に、かんざしを使ったり帯締めを合わせたり。それぞれの個性が際立ちます。

その中でも、一際目を引いた浴衣姿のファイナリストをキャッチしました。

浴衣をきもの風にして―新潟県代表・RURI SAJIさん(2位入賞)

新潟県代表・RURI SAJIさん

「両親ともにきものを愛しています。母の実家が神社ということもあり、幼いころより和装に親しみながら過ごしています。時には装束を身にまとい、神社のお手伝いをさせていただくこともあります。

今日は、浴衣をきもの風にアレンジして装いました。浴衣で出かける際は、いつもこのように半衿を添えて、夏きもののようにして楽しんでいます」

2023.12.26

よみもの

人生の節目は、家族で着物姿に 「親子できもの日和」vol.2

自由に泳ぐ金魚の姿を自身に重ねて―東東京代表・NAO KAWADAさん(2025クイーン)

東東京代表・NAO KAWADAさん
東東京代表・NAO KAWADAさん

「今回私が選んだのは、命の輝きを感じさせる金魚柄の浴衣に、さりげなく金魚があしらわれた帯を合わせました。愛らしさとしなやかに、自由に水中を泳ぐ金魚の姿が、今の私自身の心と重なりました。

母が手作りをしてくれた赤い和柄の髪飾りと、今は亡き祖母が大切にしていたブローチを帯締めに添え、家族の思いも身にまといながら、今日という大切なひと時を迎えました。

きものは日常ではなかなか着る機会は多くありません。だからこそ袖を通す際には、一層の思いを込めています」

2023.09.20

よみもの

親子ほどの歳の差を繋ぐ浴衣 「きものとわたしのエイジング」vol.9

破れ格子柄のパワーとエネルギーを味方にして―栃木県代表・MIKU ABEさん

栃木県代表・MIKU ABEさん
栃木県代表・MIKU ABEさん

「今日は、誉田屋源兵衛さんの破れ格子柄の浴衣を選びました。このインパクトのある文様には
“現状を打ち破るパワーとエネルギー、強靭な精神”が込められていると聞き、私にとって真剣勝負である今日の装いにふさわしい浴衣だと思い、選びました。

足元は、凛とした強さと美しさを感じる花魁下駄を合わせています。色気と芯の強さを持つ女性を、自らの姿に投影した装いにしました」

2024.07.24

よみもの

帯匠 誉田屋源兵衛十代目当主・山口源兵衛さんが語る『倭文ー旅するカジの木』 「京都できもの、きもので京都」vol.14

こだわりの半巾帯を締めて―兵庫県代表・MISAKI MATSUOさん(3位入賞)

兵庫県代表・MISAKI MATSUOさん

「オープニングのパフォーマンスが終わると、すぐに水着審査への着替えが控えています。本来なら、手早く着脱できる作り帯がいいのだと思います。ですが、私はこの特別な舞台で、どうしても一目惚れをして求めたこの帯を締めたいと思いました。

帯締めは、今日のために新調したもの。浴衣にあしらわれた梅の花の色に合わせ、全体の調和にも心がけました」

2024.07.30

よみもの

浴衣の作り帯とは? 作り帯の付け方と浴衣姿をキレイに見せるポイントをご紹介!

大会の時期に合わせ「春」をまとって―京都府代表・MISATO AOTANIさん

京都府代表・MISATO AOTANIさん

「私は京都で暮らしています。また、母が友禅染の作家ということもあり、幼少期からきものには慣れ親しんできました。浴衣は祇園祭を始めとする京都の夏の風物詩の中で楽しんでいます。

4月という春の訪れを感じる季節に合わせて、淡い桜色の浴衣です。心地よい風や咲き誇る花々をイメージして、季節をまとう気持ちで装いました」

オープニングは浴衣をまとい、凛とした日本の美を表現

いよいよ、ステージが始まりました。

オープニングの浴衣パフォーマンスの振り付けを手がけたのは、「ミス・スプラナショナル・ジャパン2023」クイーンの塙麻由子さん

彼女は保育士でもあり、幼稚園では日頃から園児のお遊戯の振り付けを作っているそう。今回は繊細で品のある日本女性の美しさをコンセプトに、振り付けを考えたそうです。

オープニング冒頭。照明が落とされた舞台に浴衣をまとったファイナリストたちが優雅に上手から登場

オープニング冒頭。照明が落とされた舞台に浴衣をまとったファイナリストたちが優雅に上手から登場

和楽器のダイナミックで荘厳な音が会場を包み、浴衣をまとったファイナリストたちの登場です。

振り付けには扇子を使ったシーンも。撮影/中山ラミル

振り付けには扇子を使ったシーンも。撮影/中山ラミル

小股で歩を進めながらすり足で優雅に舞うファイナリストたち。後に続く、水着やドレス審査で見せる力強いウォーキングとは対照的な演出です。

また、小道具には扇子が使われました。扇子で顔を隠し、その後ゆっくりと客席に表情を見せていく仕草に、奥ゆかしさが表れます。この演出には“秘めた魅力が徐々に解き放たれていく”というメッセージが込められているそうです。

オープニングの浴衣ダンスパフォーマンスでは日本人の美意識を表現。

パートに分けられた他グループの舞を待つシーンでは、後ろを向いたまま静止し続けます。静と動によってダンスの展開に緩急をつけ、“浴衣の後ろ姿、振り返る様の美しさ”を強調しました。

日本ならではの美意識が見事に描き出されたオープニングになりました。

ステージは雅な雰囲気から様変わり。煌びやかな美の世界へ

オープニングのパフォーマンスが終わると、本格的な審査が始まります。

水着審査、質疑応答、イブニングガウン審査、ウォーキングなど多角的な評価を経て、15名のファイナリストたちは8名、そして5名へ絞られ、最終的には3名が残ります。

さまざまな審査を通過し、最終審査に残った3人のファイナリスト

そして映えある「ミス・スプラナショナル・ジャパン2025」のクイーンに輝いたのは――

東東京代表・NAO KAWADAさん。

「なぜあなたが「ミス・スプラナショナル・ジャパン2025」クイーンにふさわしいと思いますか?」

審査員からの質疑応答でのNAOさんの回答はとても印象深いものでした。

真剣な眼差しでファイナリストたちを見守る審査員。/写真「ミス・スプラナショナル・ジャパン」

真剣な眼差しでファイナリストたちを見守る審査員。 提供/「ミス・スプラナショナル・ジャパン」

「私はこの2年間、鬱とパニック障害に苦しみました。この経験から得た強さと共感の心を忘れずに、日本代表として歩んでいきたいと思っています。私はこのミス・スプラナショナルという大きな舞台で世界に伝えたいことがあります。自分を犠牲にしないでほしいということ。どうか、自分の幸せを大切にしてください」

彼女の言葉は、外見の美しさだけでなく、困難を乗り越えた人に宿る、深い愛情と寄り添う心を感じました。

「ミス・スプラナショナル・ジャパン2025」クイーンに輝いたのは、東東京代表のNAO KAWADAさん。

「ミス・スプラナショナル・ジャパン2025」クイーンに輝いたのは、東東京代表のNAO KAWADAさん。

優勝したNAOさんは、日本代表として、6月9日よりポーランドで開催される世界大会に出場します。70カ国以上が参加する大会で、彼女はきものでのパフォーマンスを計画しています。

「アップテンポな音楽に合わせ、きもの姿で扇子を使ったパフォーマンスを披露する予定です。日本大会の最中から衣装の制作を進め、フィッティングも済ませました。

とてもかっこいい仕上がりで、世界大会本番が今から楽しみです。日本の美しさ、和の心を世界にしっかりと届けてまいります

「一人を選ぶ大会ではなく、彼女たちの人生を讃えるステージに」

日本代表を選ぶ大会であるにもかかわらず、日本支部代表・清田彩さんの冒頭の挨拶は意外な内容でした。

「突然ですが、皆さん。好きな色は何色ですか?若いころの私は、好きな色も自分が望んでいることも、なりたい姿もよく分からずにいました。しかし、ミスコンテストと出会い、出場を重ねるうちに、自分と見つめ合い、分析する時間をたくさん得ることができました。

そのおかげで、自分のヴィジョンを明確化することができるようになれたのです。そして今、私の目標は、日本の女性の素晴らしさをもっともっと世界に発信していくこと

華やかなロイヤルブルーの訪問着に身を包み、開会の挨拶をする清田彩さん。

華やかなロイヤルブルーの訪問着に身を包み、開会の挨拶をする清田彩さん。
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「自分自身のことがよく分からない、そう感じている方も、きっと少なくないと思います。日本の女性は、もともと世界に誇るべき思いやりの心を持っています。ほんの少しだけ、自信や自己表現ができるようになれば、もっと世界で活躍できるはずです。

ここに並ぶ15名のファイナリストは血の滲むような努力をしてきました。この大会では、たった一人を選ばなければなりません。

ですが、私はこの場をこれまでの彼女たちの人生を讃えるステージにしたいと思っています。彼女たちのこれまでの努力と成果を、ぜひ、最後までご覧いただけたらと思います」

15名のファイナリストと日本支部代表の清田彩さん

15名のファイナリストと日本支部代表の清田彩さん

一人を決める大会ではあるけれど、それよりも以前に清田さんは、大会のために努力をした経験を讃えたのです。大会の挨拶には、本番が始まる前の取材で私たちに話してくれた言葉を思い出します。

“ミスコンに持たれているイメージを払拭し、私たちが大切にしている美の基準を理解していただく大会作りを目指していきたい”

「ミス・スプラナショナル2025」世界大会のファイナルは6月27日、ポーランドにて開かれます。日本時間00時より、YouTubeでの配信も予定されています。ぜひ世界の舞台に立つ日本代表・NAOさんのきものパフォーマンスをご覧ください。

きっとそこには、外見上の美しさだけでなく、日本人の心の奥深さも感じさせる、“真の美”を感じ取ることができるはずです。

次回は、2024年の日本代表・園田悠希さんと、彼女がファイナルウォークで身にまとった打掛ドレスを制作した、ファッションデザイナーの加藤文香さんのインタビューをお伝えします。

ミス・スプラナショナル・ジャパン
清田彩さん

取材・文/笹本絵里
撮影/菅原有希子

2024.09.20

まなぶ

浴衣のあれこれ 「大久保信子さんのきもの練習帖」vol.16

2024.07.17

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大人浴衣の極意!ポイントは3つ 「着物ひろこの着付けTIPs」vol.7

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