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正派西川流・西川喜優先生 お稽古時の装い　移ろう季節に寄り添うコーデ 「日本舞踊の愉しみ」vol.4

正派西川流・西川喜優先生 お稽古時の装い　移ろう季節に寄り添うコーデ 「日本舞踊の愉しみ」vol.4

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正派西川流の日本舞踊師範・西川喜優先生のお稽古では、先生の着姿や艶しぐさも、“和の美”を学ぶ要素。前回に続き、「日本舞踊のお稽古場」という“入門しないと分からない”現場の空気感とともに、先生ならではの季節感あふれるコーディネートを4つご紹介します。

2024.08.20

まなぶ

正派西川流・西川喜優先生 お稽古場での装い　春から夏の染め×染めコーデ「日本舞踊の愉しみ」vol.3

涼やかな8月の装い

8月の着姿_前

少し動くだけで汗が滲み出てくるような蒸し暑さを微塵も感じさせない、なんとも涼し気な着こなし。

揺らぎ縞が染め入れられたシャリ感ある夏紬に、紋紗地の染め帯を合わせて。

8月の着姿_袖

夏きものは、透け感が涼やかさの決め手

流水地紋の絞りの黒帯は、白の帯芯が文様を際立たせて涼やか。

帯締め、帯揚げも同じく白で。先生定番の輪出し絞りの帯揚げには、帯の蝶に合わせた赤色が飛びます。

8月の着姿_後ろ

その造形美や宙を舞う姿の可憐さから、吉祥文様としても愛されている蝶。神秘的なイメージの蝶は魂の再生を意味することもあるため、お盆の時期に相応しいと言える柄かもしれません

帯と帯揚げ両方を絞りで合わせるのはかなりの上級テクニックですが、too muchを全く感じさせないところは西川先生ならでは。こなれた印象の和姿です。

2024.02.13

まなぶ

ふくらんで見えない、総絞りのコーディネート 「今井茜、季節の着物コーディネート」vol.12（最終回）

月愛でる9月の装い

9月の着姿_前

まだまだ、厳しい暑さが残る9月。

もはや旧暦のルールに縛られず、着物は体感で！というお声も多く聞きます。もちろん、それで全く差し支えありません。が、そこはやはり日本舞踊の師範。

喜優先生がこの日身に纏っていたのは、単衣の小紋でした。

9月の着姿_後ろ

満月の中と前帯にあしらわれた薄が少し早い秋の風を運んできてくれるようでもあり、着物の卵色が月明かりのようでもあり。全身で月見を表現する絶妙な組み合わせ

やわらかい卵色の染め生地に、絞りの花紋。絽塩瀬の黒の染帯に煌々と輝く満月は、中秋の名月を意識されたのでしょう。

そこに白の帯締めを合わせて、着物と同系色の帯揚げを控えめに。

緩急ある着こなしで全体のバランスをいい塩梅にするコーデは、着物上級者にとっても良きお手本です。

2023.10.12

よみもの

お月見団子で一献 「＃京都ガチ勢、大西さん家の一年」vol.10

山色づく10月の装い

10月の着姿_前

袷の季節。

白みの強い洒落柿色の着物には、飛び柄の紅葉が大胆にあしらわれています。

大きい柄ですが、同系色ゆえにあっさりとした印象。木々が色づく前、「そろそろ紅葉ね……」という話題が出る頃にピッタリの一枚です。

10月の着姿_後ろ

そこに金×黒の市松柄の織の帯をもってくるあたり、思わず唸ってしまうセンス！

帯揚げに見えるこっくりとした紅色が秋らしく、またあえてそれをたっぷりと出した着付けにも惚れ惚れします。

2023.10.25

まなぶ

晩秋に愉しむキレイ色 「今井茜、季節の着物コーディネート」vol.8

菊香開く11月の装い

まず目がいく存在感のある帯は、京都きもの市場にてお決めいただいた名古屋帯。

ニュアンスカラーの菊唐草がふんわりした仕上がりで、糸の膨らみと相俟ってやわらかい印象を与える唐織の帯です。

11月の着姿_後ろ

対する着物もまた菊唐草の地紋。

菊花に添うように白い雪を思わせる絞りが散り、秋の訪れを感じさせる装いに。帯の美しさを際立たせるかのような、あえて地模様の立つ無地感の帯揚げを合わせるのも粋です。

11月の着姿_襦袢

加えて、注目したいのが長襦袢。

菊花の橙とリンクするような卵色の襦袢には、絞りの紅葉柄が！

菊×紅葉は日本の秋に欠かせない自然美。それをさり気なく忍ばせる喜優先生の感性に、脱帽です。

11月の着姿_前

2023.11.27

よみもの

妙心寺塔頭『桂春院』、紅葉狩りは静かにゆったりと 「京都できもの、きもので京都」vol.6

各月、季節感のあるはんなりとした着こなしで魅せてくださった喜優先生。そのしっとりとした佇まいには、見る者の目を釘付けにする魅力があふれんばかり。

全てを真似することは難しくても、小物の合わせ方や帯揚げの見せ方などは、日々の着付けのヒントになるのでは？ 喜優先生の着姿を目指して、みなさんも自分らしいコーディネートを愉しんでください。

撮影／スタジオヒサフジ

椿屋

椿屋

映画と演劇が大好物で、年間200本もの新作を映画館で観る本の虫（雑食）。京都歴・キモノ歴ともに20数年。美酒美食に目がないのんべぇライターとしてKBS京都「SUNNY TIME」のコメンテーターをはじめ、メディアへの出演も多数。15年前から、国語講師との二足の草鞋を履いている。共著に『京都、朝あるき』（扶桑社）。

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