商品番号:1567213
(税込)
【 仕入れ担当 田渕より 】
鳳は光を映す鏡、唐織は空を織る筆…
重厚な意匠からは想像出来ないほどの軽さ…
それでいて感じる「伝統」という名の重み。
優雅で落ち着いた色彩が、女性の立ち姿に静かな品格を添えます。
唐織の立体感が背中に柔らかな陰影を生み光の角度によって
表情を変えるお柄がまとう人に「動」と「静」の両方の美を与えます。
晴れの場にふさわしい格式と、心を落ち着かせるような柔らかさを併せ持つ帯。
まるで装いそのものが“調和の象徴”となるような、気品あふれる着姿を演出します。
一流の呉服店にしか作品を譲らないことで知られる『北尾織物匠』。
帯の世界に詳しい方にとって「北尾の帯」は、憧れの的とも言えましょう。
誠に残念ながら、機織りをやめてしまわれましたので、
今後二度と織り上げることのできない逸品となりました。
現品限り、お見逃しなきようお願い申し上げます。
【 お色柄 】
銘「 能装双美鳳文 」
しなやかな質感に密な織味、程よい張りを感じさせる帯地。
練色・纁色・葡萄鼠の穏やかな横段が、夜明けから夕暮れへと移ろう空のように帯地を染めて…
その静かな光の層を背景に、金箔糸の菱が時の律動を描き、
唐織の厚みある糸がふっくらと浮かび上がらせました。
織り出された二羽の鳳凰は向かい合うように、あるいは一つの円環を描くようにして
まるで「太陰太極図」のごとく、陰と陽が呼応します。
片方の鳳は陽の光を、もう片方は陰の静けさをまとい、互いを照らし、映し合う。
その姿は、調和の中に生まれる“永遠の美”そのものです。
『北尾織物』の唐織は、古典の荘厳を継ぎながら現代の美意識と哲理をも内に抱く。
光と影、柔と剛、静と動――
織りの凹凸が描く陰影が、角度によって微かに移ろい、まるで呼吸をするように帯全体が生きて見える。
一歩、歩むたびに感じるのは、古典の風雅と現代的な洗練が融け合う静かな華やぎは
まさに、高雅という言葉にふさわしい一条です。
【 商品の状態 】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
締め皺がございますのでお届け前にプレス加工をサービスいたします。
【 北尾織物匠について 】
西陣織工業組合所属
西陣織工業組合証紙はNo.7
1947年(昭和22年)創業
2016年廃業
一流どころにしか作品を譲らないことで
知られていた西陣の名門機屋。
「錦繍」など高級袋帯を展開していたことで有名。
技術力の高さから、製織品は「北尾の帯」として
広く知られている。西陣織工業組合に設立から在籍、
西陣織の業界発展の一翼も担っていた。
【 西陣織について 】
経済産業大臣指定伝統的工芸品(1976年2月26日指定)
多品種少量生産が特徴の京都(西陣)で
生産される先染の紋織物の総称。
起源は5〜6世紀にかけて豪族の秦氏が
行っていた養蚕と織物とされ、応仁の乱を期に
大きく発展した。
18世紀初頭の元禄~享保年間に
最盛期を迎えたが、享保15年(1730年)の
大火により職人が離散し大きく衰退。
明治期になりフランスのリヨンよりジャカード織機を
導入した事でこれまで使用されてきた空引機
(高機)では出来なかった幾多の織物が
産み出され量産が可能となった。
織機はおもに綴機、手機、力織機の3種類で
企画・図案から意匠紋紙、糸染、整経、綜絖、
金銀糸、絣加工等多くの工程があり、これらの
一つひとつの工程で熟練した技術者が丹念に
作業を行っている。
西陣織には手の爪をノコギリの歯のように
ギザギザに削って図柄を見ながら織り上げる
「爪掻本綴織」、「経錦(たてにしき)」、
「緯錦(ぬきにしき)」、「緞子(どんす)」、
「朱珍(しゅちん)」、「紹巴(しょうは)」
「風通(ふうつう)」、「綟り織(もじりおり)」、
「本しぼ織」、「ビロード」、「絣織」、「紬」など、
国に指定されているだけでも12種類の品種がある。
「西陣」および「西陣織」は西陣織工業組合の登録商標である。
絹100%(金属糸風繊維除く)
長さ約4.4m
耳の縫製:かがり縫い
六通柄
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 結婚式・披露宴へのご参列、式典、初釜、パーティー、お食事会、お付き添いなど
◆あわせる着物 色留袖、訪問着、付下げ、色無地、格の高い小紋など
※仕立て上がった状態で保管されておりましたので、折りたたみシワが付いております。この点をご了解くださいませ。