商品番号:1505225
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【仕入れ担当 竹中より】
その希少性は山下家の作品以上でしょう…
弊社でも過去に一度だけ取り扱いがございました。
一見するとシンプルな平織りによる本場黄八丈。
ですが…光の加減により浮き上がる淡色、
八丈の三原色ともいえる『黄・樺・黒』の色彩以外にも
縞を構成する経糸には白糸を使用しております。
証紙を見るとあまり見慣れない近藤傅別織の文字…
弊社鑑定員が染織研究の資料を開き、お調べいたしましたところ、
日本橋の呉服問屋である近藤傅商店が1962年(昭和37年)8月から
1963年(昭和38年)3月までの期間に八丈島黄八丈品質保存会と
取引を行い平織の反物372反の取引を成立させたとのこと。
この資料から、本品はその平織372反のうちの1つかと存じ上げます。
現在の黄八丈の証紙ではございませんが、
紛れもなく八丈島で織り上げられたお品。
心を込めて、お届けいたします。
どうぞお見逃しなきようお願い申し上げます。
【商品の状態】
仕付けもすべてついたままの
時を感じさせない新品同様の美品です
【お色柄】
しゅっとした絹なり、独特のハリ。
しなやかでいて頑健性の高いその生地。
刈安の黄色を基調として、黒、鳶色、白を用いて
格子模様を一面に織りなしました。
所作により刈安の黄色が淡く光沢感を放つような…
シンプルでありながら、滲み出る奥ゆかしさに、
思わず誰しもが振り返ることでしょう。
およそ60年程前に製織されたとは思えぬ程の美しい保管状態、
このようなお品は本当に出逢えないかと存じます。
黄八丈ならではのお色、風合いをお楽しみいただけ、
かつ織の資料の意味もございますのでコレクターの方、
ご興味のある方はにおすすめしたく存じ上げます。
【黄八丈について】
その歴史は古く、室町時代から貢絹の歴史があります。
徳川時代には将軍家の御用品となり、大名や高官、御殿女中に用いられ、
今何かと注目される「大奥」をも風靡しております。
徳川の中期以後、染織の技術が進み、黄・樺・黒の三色を組み合わせた
竪縞・格子縞が織られるようになり、現在に至るまで何百年もの
継承がなされております。
黄は刈安、樺はまだみの樹皮、黒は椎の樹皮と、全て植物性の天然染色で、
数十回の染めを繰り返し表現される奥行きの色彩。色をとめるのに、
黄・樺は木灰を使い、黒は泥土を用いて直射日光で乾燥させます。
そして、糸染だけではなく、織にも特徴がございます。
黄八丈の織は「平織」のものと「綾織」のものがございます。
平織はその名の通り、経(たて)糸と緯(よこ)糸を
一本おきに交差させる最も基本的な織り方。
お柄としては
二くずし、のげ、べんけい・ななこ・三くずし・千すじ・万すじ
などのお柄がございます。
【 黄八丈について 】
経済産業大臣指定伝統的工芸品(1977年10月14日指定)
八丈島に伝わる草木染めの絹織物
その歴史は古く800年以前から納税品として納められ、
八丈島の名は「八丈織」から取られたとも言われる。
現在では後継者が少なく、黄八丈技術保存会が発足され
その技術者の保護にあたっている。
代表格である黄色の黄八丈の他に、黒を主にした
「黒八丈」、樺色を主とした「鳶八丈(とびはちじょう)」
がある。「ふしづけ」や「あくつけ」、「泥つけ」と
呼ばれる染めが特徴的で、糸染めに使う色は八丈刈安
(学名:コブナグサ)の黄、マダミ(学名:タブの木)の樺、
椎の木と泥染めを用いた黒の三色が主だった色で、八丈島の
厳しい自然の中で得られる染料が三色に限られた事に由来する。
製織には地機(じばた)が使われたが、現在はほぼ
高機(たかはた)による製織である。
伝統的な技術・技法
・先染めの平織り又は綾織りとする。
・よこ糸の打ち込みには、手投げ杼(てなげひ)を用いる。
・染色は、手作業による浸染とする。
※この場合において、染料は、コブナグサ、タブノキ又は
シイを原料とする植物性染料とし、媒染剤は木炭又は泥土とする。
他の地方で織られた類似品に米沢八丈、秋田八丈がある。
孤島で織られる着物好きの終着点。
表裏:絹100% (縫製:手縫い)
◆八掛 黄土無地
身丈(背より) | 157.5cm (適応身長162.5cm~152.5cm) (4尺1寸6分) |
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裄丈 | 63.2cm(1尺6寸7分) |
袖巾 | 32.2cm(0尺8寸5分) |
袖丈 | 49.2cm(1尺3寸0分) |
前巾 | 24.5cm(6寸5分) |
後巾 | 29.5cm(7寸8分) |
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈69cm(1尺8寸2分) 袖巾35.2cm(9寸3分)
※目視での縫込みの確認による概算となります。詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
裄により胴裏交換が必要です。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 芸術鑑賞、観劇、お出かけ、お食事、趣味のお集まりなど
◆あわせる帯 洒落袋帯、名古屋帯、半巾帯
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。
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