着物・和・京都に関する情報ならきものと

ロウケツ染め体験レポート in京都 職人体験「やまもと」奈良時代より受け継がれた技法を学ぶ

ロウケツ染め体験レポート in京都 職人体験「やまもと」奈良時代より受け継がれた技法を学ぶ

記事を共有する

数多ある着物の染色技法。技が磨き上げられ、作品に昇華される――その過程の労苦はいかほどであろうか。今回はロウケツ染めを学ぶべく、京都きもの市場社員で、工房体験に行ってまいりました。体験の模様をお届けします。

古の奈良時代より受け継がれる染色技法、三纈(さんけち)。
生地の一部を防染することにより、模様を浮かび上がらせる技法です。

防染に用いる手段は三種。
そのうち、熔かした蝋で生地に模様を描き、防染をする手法を「臈纈(ろうけち)」、ロウケツ染めと言います。
友禅染めに代表される糊(のり)を用いた防染が一般化する前の技法。
糊が描くくっきりとした線と異なり、やわらかく、僅かに滲むアウトラインがロウケツ染めの特徴です。
  • ロウケツ染め(蝋を用いた防染)
  • 友禅染(糊を用いた防染)
古代から続くロウケツ染めの技法の片鱗を、社員が体験してまいりました。
今回はその模様をお届けします。
執筆者 / 西村博樹

京都きもの市場 社員。
京都きもの市場のインターネット通販(EC)部門の表物(着物・帯)バイヤー担当として2011年より勤務。
加工・悉皆・受注管理といった総合バックオフィス部門の課長職を経て、2018年にECバイヤー部門に復帰。
現在はグループマネージャーとして後輩社員を束ねつつ、和装小物専門バイヤー店長として「イロトリドリ」を運営している。
趣味は音楽鑑賞とディズニー。

今回は、京都は西京極にあるロウケツ染め工房『やまもと』さんでロウケツ染めの体験をしてきました!

まずは下絵を選び、白生地に防染糊を置いてゆく作業。

何度も重ねて糊置きすることで染まる具合が変わり、絵柄に奥行きが出てきます。

数ある下絵の中で私が選んだ図案はこれ!
戦国武将 石田三成の旗印『大一大万大吉(だいいち-だいまん-だいきち)』!

「一人が万人のために、万人が一人のために尽くせば、天下の人々が幸福になる」という意味が込められております。

まさに「one for all , all for one」の精神、「ONE TEAM」でございます!

せっせと糊を置いていきます。

テーブルの真ん中にあるお鍋の中に溶けたロウが入っています。

各社員、自分の絵柄に思い思いにロウを置いていきます。

糊を置き終えたら、染料の中にドボン!
少し漬けただけではまだ色が浅いので、

10分ほどしっかりと染料を染み込ませます…

しっかりと染料が染み渡ったら、お湯で糊を落とします。

最後に水でしっかりと洗います。

仕上げにアイロン掛けして水分を飛ばしたら。。
はい出来上がり!!
ところどころ入るロウのひび割れた模様も、ロウケツ染めならではです。

先生もお母さんも気さくで丁寧に教えてくださり、とても楽しい時間でした☆

制作過程で感じたのは、蝋の乗せ加減でできあがりの濃淡が全く異なること。
薄く蝋を引けば薄く色が入り、何度も蝋を重ねれば真っ白く防染されます。
ただ素人目には、どの位蝋をひけば理想の出来上がりになるか、全く検討もつかず…
美しく思い通りに柄を描くのは、まさに熟練の業と感じた次第です。
※注記※
この記事は、過去の「店長ブログ」に掲載しておりました
☆ろうけつ染めを体験!☆に加筆修正したものになります。

シェア

BACK NUMBERバックナンバー

LATEST最新記事

すべての記事

RANKINGランキング

CATEGORYカテゴリー

記事を共有する