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着る楽しさを広めて産地を応援! 「オフィシャルアンバサダーが伝えたい大島紬の魅力」vol.2

着る楽しさを広めて産地を応援! 「オフィシャルアンバサダーが伝えたい大島紬の魅力」vol.2

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生産反数が減少の一途をたどる大島紬。その存続を危ぶむたった一人の熱い想いから2020年にはじまったのが「大島紬アンバサダー・プロジェクト」です。個々のアンバサダーのSNSでの発信が全世界の大島紬ファンをつなげ、産地を応援しています。

初めて出会った藍泥大島紬

「世界三大織物」や「日本三大織物」ともいわれている大島紬。「一家に一枚は大島紬」といわれた最盛期の昭和50年代より、今なおその魅力は尽きることがありません。あなたの箪笥やご実家にも、おばあさまやお母さまから受け継がれた大島紬が静かに眠っていませんか?

こんにちは。きものLifeプロデューサー・星 君枝です。

私は大島紬が好き過ぎるあまり、2020年秋に「大島紬アンバサダー」となり、2021年1月には「大島紬オフィシャルアンバサダー」に就任いたしました。

色大島紬

大島紬アンバサダーを知ったのは、Instagramで見かけたことがきっかけでした。

「大島紬アンバサダー?どんなことをするの?」

そんな思いから、どんな活動をしているのか、運営元の「大島紬アンバサダー・プロジェクト」のホームページへ。そこには、大島紬が好きな人が大島紬をまとった着物姿で大島紬の魅力を発信したり、時々オフ会などで交流したり…と楽しそうな様子が掲載されていました。

「大好きな大島紬のことで何かしらお役に立てるなら私もやってみたい!」

こんな気軽な気持ちで、大島紬アンバサダーに応募したのです。

現在は、応募後に認可されるとどなたでもなることができる「大島紬アンバサダー」。
私が応募した当時は、大島紬の初級クイズに全問正解し合格すると応募できる、という条件がついていました。

腕試しに挑戦してみよう!と初級クイズに答えてみると、一度では全問正解することができませんでした。
知らないことがまだまだあるのね、と思いながらもちょっぴり負けず嫌いが顔を出し、3回目くらいだったでしょうか。なんとか全問正解でき、ドキドキしながら大島紬アンバサダーに応募いたしました。

大島紬アンバサダー・プロジェクトとは

大島紬アンバサダー・プロジェクト 秋葉代表と奄美大島で
大島紬アンバサダー・プロジェクト 秋葉代表と奄美大島にて

大島紬は生産量減少の一途を辿り、世界に誇る技術の継承が危ぶまれています。

「奄美大島の一大産業である大島紬を、着る側から応援したい」

奄美大島出身で現在も現地に在住されている秋葉深起子代表の熱意により、2020年1月に立ち上がったのが「大島紬アンバサダー・プロジェクト」。

【大島紬を着て輝く女性と、女性をより輝かせることのできる大島紬】の応援プロジェクトです。
前向きな女性の姿を通して、大島紬の魅力や着る楽しみ【大島紬ライフ】を、SNSを通して周囲の方々へ伝えるPR・発信活動を行うコミュニティです。
大島紬の魅力を伝えるため個々の大島紬ライフスタイルの発信や、オンライン勉強会やイベントを行い、大島紬をより素敵に着こなていく女性たちのストーリーをSNSで共有しています。

大島紬アンバサダー・プロジェクトHPより

このコンセプトに賛同した方たちが大島紬ライフをPR・発信。個々に活動してくださる方々を「大島紬アンバサダー」と呼んでいるのです。

海外にも広がる大島紬アンバサダー

大島紬アンバサダー

原則ボランティアにてPR活動を行っている大島紬アンバサダーは、現在約200名以上。なんと、海外にも広がっています。

大島紬アンバサダーには、3つのカテゴリーがあります。

・PRメンバー(たくさんの方々へ大島紬をPRする人)
・サポートメンバー(個々へ伝えたり、メンバーを支えたりする人)
・オフィシャルメンバー(公式アンバサダーとしてお仕事などを依頼することができる人)

みなさま、それぞれのペースで大島紬ライフを発信しているのです。

大島紬の未来に向けて

奄美大島空港の大島紬ディスプレイ
奄美大島空港にて。大島紬のディスプレイは、パーソナルカラー&スタイリングが本業の秋葉代表が手がけたもの

着る側から発信するプロジェクトではありますが、

・大島紬をもっと広めたい
・大島紬を楽しむ人を増やしたい
・大島紬を衰退させたくない

そんな想いから、産地である奄美大島の「本場奄美大島紬協同組合」、鹿児島の「本場大島紬織物協同組合」、またそれぞれの織元さんなどとも繋がり、お互いに協力し合いながら大島紬を盛り上げていく活動も行っています。

現在では、奄美大島紬産地再生計画策定委員会*の参加メンバーとなり、大島紬の未来のために、着る側の代表として秋葉代表が意見を提案するなどの貢献もしています。

*奄美市と龍郷町、紬関係の団体で組織する本場奄美大島紬産地再生協議会への提言機関

大島紬アンバサダーの活動

大島紬アンバサダーは、

・大島紬ライフをSNSで発信する
・事務局が主催するアンバサダーのための大島紬の勉強会に参加する
・アンバサダーの交流会を行う
・依頼を受けて大島紬ミニショーを開催する

など多方面にて、大島紬を愛し学びながら楽しく活動しています。

大島紬をより深く学ぶ

大島紬勉強会
写真提供:大島紬アンバサダー・プロジェクト

2020年1月に奄美大島で開催された大島紬勉強会では、講師に、本場奄美大島協同組合 前田豊成前理事長をお迎えし、大島紬の成り立ちや産地のこと、マルキのことなど、本場ならではのお話を伺うことができたそう。

コロナ禍以降は、オンラインにて勉強会やミーティングなどを実施しています。

大島紬を着て楽しむ

アンバサダー同士の交流を深める交流会はコロナによりしばらくお休みしていましたが、ようやく東京・鎌倉・京都・鹿児島の各地で12月から再開いたしました。

もっと活発に、楽しく交流できる日が待ち遠しくてなりませんね。

関東のアンバサダー交流会
2020年1月に開催された関東のアンバサダー交流会

大島紬ストーリーをお披露目したミニショー

大島紬ミニショー
航空博物館で開催された大島紬ミニショーに出演したアンバサダー

2020年11月には、千葉県成田市の航空博物館にて大島紬ミニショーを開催。
関東の大島紬アンバサダーがそれぞれに思い入れのある大島紬をまとい、さらにその大島紬にまつわるストーリーなどをコーディネートとともにステージでお披露目いたしました。

私も含め、ステージに上がるのは初めての方が多かったのでしっかりと練習をし本番へ。とても緊張しましたが、好評だったようでホッといたしました。

産地への応援と貢献

大島紬の産地は、奄美大島と鹿児島。
それぞれの協同組合や織元さん、職人さんは、SNSを活用して発信するのに手も回らないほどで難しいそう。

その分、私たち大島紬アンバサダーが大島紬ライフを発信することで大島紬の魅力を広めていることを喜んでくださっていると伺い、産地に貢献できていることをとてもうれしく思います。

そしてそんなご縁から、本場奄美大島紬協同組合が主催する「本場奄美大島紬グランプリ」「翔け奄美本場奄美大島紬原図展・製品化コンテスト」の審査会に参加することに。

2021年本場奄美大島紬グランプリ 最優秀賞

従来は、呉服の小売店や流通関係者、および行政・地元新聞社などの代表者しか招待されていない会とのことでしたが、「着る側である女性の意見を取り入れたい」との声が上がったそうで、2021年は大島紬アンバサダー・プロジェクトが招待され、私が代表で出席し審査員を務めさせていただきました。

長い期間をかけてつくられた素晴らしい作品を審査するのは、大変緊張いたしました。

本来は出不精で旅行にも興味のない私が、「いつかは大島紬の産地、奄美大島に行ってみたい。大島紬をつくっているところを見てみたい」と思っていた夢が叶ったのです。

織元さんや工房見学もたっぷりとさせていただきましたので、そのお話は次号以降にお話しいたしますね。

本場奄美大島紬協同組合発足120周年記念式典

本場奄美大島紬協同組合120周年記念式典

2021年は、本場奄美大島紬協同組合の発足120周年。
10月には記念式典が開催され、呉服の小売店や流通機関などが招待されるなか、大島紬アンバサダー・プロジェクトも正式にご招待をいただきました。

記念式典には、ほとんどの方が大島紬姿でご出席。男性が多かったのですが、やはり大島紬姿はとても素敵でした。

本場奄美大島紬協同組合120周年記念式典
本場奄美大島紬協同組合 牧 雅彦理事長、本場大島紬織物協同組合 大瀬輝也理事長、大島紬オフィシャルアンバサダーの飛田久美子さん、近藤宏美さんと
ドレスアップを意識した大島紬のコーディネート

通常、式典=フォーマル着物ですが、大島紬の式典なので大島紬の着用がマスト。

「普段着としての大島紬」ではなく、「ドレスアップを意識した大島紬」のコーディネートで出席いたしました。

翌日に初開催となった「大島紬求評会」へも、大島紬オフィシャルアンバサダー3名で出席。

大島紬大島紬求票会
大島紬大島紬求票会
大島紬求票会

「求評会」は例えるならば、人気投票に近いのかもしれません。
大島紬求評会での選考結果は『美しいキモノ』『きものSalon』に掲載されるそうです。楽しみですね。

求評会のあとは、卸売・小売業者向けの展示販売会にて、約2000反(!)の大島紬を見せていただきました。

こんなにたくさんの奄美大島産の大島紬を一度に見られて…夢のようでした。

たくさんの奄美大島産の大島紬

神宮球場に大島紬姿のプレゼンターが立った日

神宮球場の大島紬の花束プレゼンター

2021年7月に神宮球場で開催された「横浜DeNAベイスターズ VS 巨人戦」にはなんと、大島紬アンバサダーが花束プレゼンターとして大島紬姿で登場しました!

横浜DeNAベイスターズは、2010年から10年間、奄美大島でキャンプをしていたご縁から、毎年横浜スタジアムで『奄美Day』を開催されているそう。

2020年はコロナで中止となったそうですが、2021年は、奄美大島市の朝山毅 前市長はじめ市役所職員の方、奄美大島ご出身の方や関係者の方々など多く参加され、また球場外でも奄美大島の物産ブースがいくつも出店されてとても賑わっていました。

紬美人と大島紬アンバサダー

開会前の両チームへの花束贈呈のプレゼンターを務められたのは、藍大島の振袖をお召しの紬美人 ローズマリー・ホワイトさんと、夏大島をお召しの大島紬アンバサダー ORICAさん。

紬美人と大島紬アンバサダー
写真提供:南海日日新聞社

私は着付けを担当し、一緒にグラウンドの端に上がらせていただいたのですが、おふたりの花束贈呈の場面が球場のスクリーンに映し出された時には、感激してウルウルしてしまいました。

どなたでも参加できる「大島紬コンテスト」

大島紬アンバサダー・プロジェクトでは、もっとたくさんの方に大島紬を知ってほしい、楽しんでほしい、という想いから、Instagramにて、どなたでも参加できる「大島紬コンテスト」を開催しています。

本場奄美大島紬協同組合と本場大島紬織物協同組合にも後援をいただき、2021年6月から始まりました。

一年を、1月〜2月の冬、4月〜5月の春、7月〜8月の夏、10月〜11月の秋、と四季で区切り、グランプリはじめ各賞をご用意しています。

大島紬コンテスト2021夏
「大島紬コンテスト2021夏」の受賞者
私も、本場奄美大島紬協同組合理事長賞を受賞しました

オーソドックスな着こなしの正統派コーディネートはもちろん、洋服とミックスしたり帽子やブーツを合わせたりするカジュアルコーディネートでもご参加できます。

オフィシャルアンバサダーが審査を務めるのですが、着物を着用する人が減る夏場でも、なんと500件以上の応募がありました。みなさんの素敵な着こなしに審査が大変で、主催側としてはうれしい悲鳴を上げていました。

2022年1月からは「冬」がスタートしています!

みなさまもぜひ、大島紬を楽しまれているお写真にてご参加されてみてはいかがでしょうか。

大島紬コンテストの詳細は大島紬アンバサダー・プロジェクトのInstagramでご覧いただけます。
https://www.instagram.com/oshimatsumugi.life/

大島紬アンバサダー・プロジェクト
https://oshimatsumugi.life/

白大島のワンカラーコーディネート
縞大島のコーディネート
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