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しっくりくる、ただそれだけ。 「ご自宅訪問!みずのの着物収納」vol.3(最終回)

しっくりくる、ただそれだけ。 「ご自宅訪問!みずのの着物収納」vol.3(最終回)

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着付け講師・みずのしのぶさんのご自宅訪問、大好評シリーズ最終回!今回は、”みずのワールド”なお気に入りアイテム盛りだくさんに、ご自身の方向性を決めた一点との出会いや、先生の着物観についても。やはり、潔くてカッコイイ!着物ファン必読のインタビュー完結編です。

取材に答えるみずのしのぶ先生

Instagramで着物スタイリングや日常のひとこまを発信し、着物ファンから絶大な支持を受ける着付け講師・みずのしのぶさん。今回はなんと、そんなみずの先生のご自宅訪問が実現!フォロワーが気になる”みずのワールドな空間”や収納テクニック、“着物観”に至るまでを全3回にわたってお届けいたします。

愛知県名古屋市を拠点に「みずのしのぶ着付け教室」を運営する傍ら、全国の催事やイベントにも引っ張りだこのみずのしのぶ先生。

モノトーンを基調としたクールな着物スタイリングもさることながら、みずの先生がSNSで発信している手芸や整理整頓術が着物ユーザーから大人気!

久米島紬の着物をお召しのみずの先生
久米島紬をお召しのみずの先生

「きものと」ではみずの先生のご自宅にお邪魔し、”みずのの着物収納”から、誰もが迷いがちな収納のヒントに迫りました。
全3回でお届けしてきたこの特集も、ついに最終回。ラストは、みずの先生が愛してやまないアンティーク雑貨や、今お気に入りの着物もご紹介してまいります!

みずの先生オリジナルな居心地良い空間

身の回りの物は常にアップデート

お部屋は観葉植物などが光に照らされ、明るい雰囲気に
お部屋は観葉植物などが光に照らされ、明るい雰囲気に

フォロワー2.6万人を超えるInstagramにも度々登場しますが、みずの先生は犬モチーフのものが大好き。お部屋にも、至るところに愛らしいわんちゃんたちの顔がこちらを向いていました♪

特に印象的だったのが、こちらの傘たち。

アニマルヘッドの傘を作っているショップで購入されたそうで、右の犬はなんと!ハットをかぶっていてお茶目。

アニマルヘッドの傘
陶器の小物トレー

vol.1にも登場したオールドノリタケのトレー。公開後、先生のInstagramにも、「ウチのイヌタケも『載せてもろて嬉しい』と申しております」と掲載されていました!

普段は、かんざしなどを入れているアクセサリー用の棚に収納されています。

アクセサリーや帯留めなど小物類がまとめられた引き出し
アクセサリーや帯留めなど小物類がまとめられた引き出し

どうしても、あちらこちらに散らばってしまいがちな小物類。どこかに仕舞ったつもりが、居場所がわからなくなった……なんてこともよくあるのでは。

そのため、みずの先生はきちんとグルーピングした上で、一つひとつの小物を常にあるべき場所に置いています。スペースを取って並べられた小物たちはまるで居心地の良いベットで眠っているかのよう。

引き出しの中も見えないスペースで区切られている
引き出しの中も見えないスペースで区切られている

「愛を感じるでしょ(笑)」

みずの先生の物を大切にする姿勢が収納から伝わってきます。

そんなみずの先生がいつも持ち歩き、フォロワーさんからも評判が高かった物がこちらのグッズたち。

時計や扇子、いつも持ち歩く物も丁寧に並べて
時計や扇子、いつも持ち歩く物も丁寧に並べて
みずの先生オリジナルの着付け箱
みずの先生オリジナルの着付け箱

またこちらは、アンティークのトランクを、みずの先生流にアレンジした着付け箱です。帯板、帯枕、足袋、補正用のタオルなどがシステマチックに配置されています。

「それぞれ色んな場所に仕舞っていると、着付けの時にあっちやこっちやに動いて一気に億劫になるので全部まとめて入れるようにしてます。仕切りもダンボールをハサミで切って自作したり。そういうのが好きなんですよね」

着付け箱の中身

年に2回、身の回りのものを見直すというみずの先生ですが、着付け箱の中身も常にアップデートされているのだとか。

例えば今の時期、コロナ対策に必要なマスクがすっぽり収まる場所(左から2番目の区画)も用意されています。

「名刺入れとかもここに入れてたりした時もありますし、日々変わっていってますね。

着物も大好きだけど、気分じゃなくなったらすぐリサイクルに出します。好みじゃないものを置いていると、自分がブレそうで怖いんですよ。フリマでもそんなに高い値段はつけない。深く考えずに買ってしまった反省や着物へのごめんねっていう意味も込めて…
その売り上げでお直しに出したり、とびきり気に入ったものを買ったりします」

ちょうどご出張前だったみずの先生。

準備中だったスーツケースにも、マルチーズのステッカーを発見!最新のInstagramでは、さらにバーションアップ?している様子も窺えます。

みずの先生のスーツケース。マルチーズのステッカーが貼られている
窓辺にもわんちゃんが

天井近く、高い位置の窓辺にも、ユーモラスな表情のわんちゃんたちが、日向ぼっこしていました。

みずのワールドなアイテム拝見!

ご自身も日々アップグレード中だというみずの先生の、今、お気に入りのアイテムとは?
あますところなくみせていただきました!

季節の羽織物や長襦袢などが掛かっているハンガー

こちらのハンガーには、季節の羽織ものや長襦袢などが掛かっています。
着物がシンプルな分、羽織もので遊びを効かせるというみずの先生。シフォン素材のヒョウ柄の羽織や、歌舞伎や浄瑠璃で演じられている『娘道成寺』の一場面を表現された小宮康正さん作の江戸小紋(「日高川」)など、印象的な柄が並びます

ヒョウ柄の羽織

ヒョウ柄の羽織は、洋服地より仕立てたもの。

重要無形文化財指定技術保持者(人間国宝)小宮康正さんの江戸小紋『日高川』。

なかなか出会えない作品です。シックなお色味がみずの先生らしく。

小宮康孝さん作「日高川」
無双羽織で仕立てた道中着

そして、みずの先生にとって特別な存在が、この道中着。
なんと…絽ちりめんの”無双(生地が二重になっているもの)”の羽織より作りかえたとか!柄が描かれた生地を表側に出し、生地を継いで道中着に直したものです。

右袖には大きな唐獅子牡丹が
右袖には大きな唐獅子牡丹が

『唐獅子牡丹』に不可欠な牡丹の花模様全体を美しく出すため、袖丈は少し長め。

仕立て屋さんと相談しながら、こだわって作り上げてもらう作業はとても楽しかったそう。

「この道中着とは、着物を着はじめた頃に出会って。当時すごく頑張って買ったものなんですけど、これを見るたびに買って良かったなと思いますね。
この時に、『自分はこうして古いものを手間をかけて直しながら着ていくんや』って、ある意味方向性を決めてくれたものでもあります」

着物を着るのは……だから

取材に答えるみずの先生

最後に、みずの先生が着物を着ていて良かったと思うことは?

「しっくりくる。ただそれだけですかね。

自分にピタッとはまる。洋服も着ますけど、やっぱり着物の方が『ああ、自分やな』と思える。人にどう思われたいとかじゃない。ただただ自分にしっくりくるから着ているのだと思います」

みずの先生、ありがとうございました!

取材に答えるみずの先生

文章/苫とり子

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